燦然たる耀変の輝き(閑人亭日録)

 清楚な和室は五月の爽やかな朝の光が射し、レースを透過した光は燦然と輝く。和室に柔らかに散乱する朝の光がこんなに美しいとは。格別に気持ちの良い目覚めを迎えた。午前七時、卓上の耀変茶盌は一際鮮やかに耀く。目の醒めるような瑞々しい感動が湧く。七十三歳、人生初めての体験。珈琲が旨い。
 ハタと気づいた。大阪市立東洋陶磁美術館で見た汝窯青磁になぜ魅力を感じなかったのか。曇天だったからだ。絵画は日影で見るもの。焼きものは日向で見るもの。それにしても大阪市立東洋陶磁美術館の企画展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」の宣伝文が笑える。よく考えたものだ。
 https://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=596
 「 シン・ロゴ、シン・サイン、シン・キャラクター」
 「天下無敵(てんかむてき)-ザ・ベストMOCOコレクション」
 「粉青尚白(ふんせいしょうはく)」
 「優艶質朴(ゆうえんしつぼく)」
 「陶魂無比(とうこんむひ)」
 「陶花爛漫(とうからんまん))」
 「喜土愛楽(きどあいらく)」
 「明器幽遠(めいきゆうえん)」
 「天青無窮(てんせいむきゅう)」
 「百鼻繚乱(ひゃくびりょうらん)」
 「泥土不滅(でいどふめつ)」

 北一明のキャッチ・コピーは「天下無敵」「陶魂無比」かな。