収納棚から故内田公雄(きみお)の小さなアクリル画を取り出す。1987年作の絵の大きさは縦22センチ、横16センチほど。額を両手に持って鑑賞。1ミリ幅の二重三重の横線が5ミリ幅で30回あまり引かれた間の5ミリほどの空隙に、〇△×から市松模様、象形文字や楔形文字のようなものなど様々なかたちがこと細かく数多く描き込まれている。目を凝らして見つめていると、気が遠くなる。退散退散。離れて鑑賞。
「内田公雄作品より」
http://web.thn.jp/kbi/utida1.htm
「内田公雄の絵画世界」
http://web.thn.jp/kbi/utida7.htm
2002年11月9日(土)~12月29日(日)、K美術館での内田公雄展の展示用に彼が持ち込んだ新作絵画について拙文「蒼天の漆黒 『作品 2002 W-8』」を書いた。
http://web.thn.jp/kbi/utida6.htm
2006年5月12日永眠。享年86。生前、内田公雄氏から依頼され、展示した絵画をK美術館で保管した。没後自宅アトリエを訪問し、遺された絵画をK美術館へ運び込み、時間をかけてホコリや汚れを除去。2007年1月6日(土)~2月4日(日)、回顧展を開催。展示した絵画も保管。
数年して御子息が来館。預かっていた絵画を全部回収していった。この小さな絵は、内田公雄氏が持ち込まれ、購入したもの。展示した大きな作品は両手に余る。私にはこの絵で十分満足。