まなざしのゆくへ(閑人亭日録)

 昨日味戸ケイコさんからお手紙が届く。去年に続きギャラリー装丁夜話で新作個展の案内など。
 https://www.souteiyawa.com/
 5月24、25、26、31日、6月1、2日 12:00-19:00
 味戸ケイコさんの絵は、黒鉛筆で描かれた背景の深みがよく話題になる。それは味戸さんならではの根気のいる丁寧な作業のゆえなのだが、漆黒の背景と同時に私は女性(少女)のまなざしに惹き込まれる。彼女のまなざしは、何を見つめているのか。いや、まなざしは何に向っているのか。後ろ向きの姿の彼女は何を見ているのか。はたまた何がその瞳に映っているのか。いやいやそのまなざしは、外界の何かを見ているのではない。巡り巡って自らの内面を見つめている・・・。さまざまな想像をかき立てる、その不思議な深いまなざしのゆくへ。
 味戸さんの初個展で購入した『夢の入り口・1』1983年は見る人を見つめているように見える、が・・・。新聞の全面広告で出合い、忘れ得ぬ絵に。この原画をまず購入できた幸運。
 http://web.thn.jp/kbi/ajie2.htm
 全盛期の映画女優オードリー・ヘップバーンやフランソワーズ・アルヌールの視線は、観客に向って視線をぴったり合わせ、あなたしか見ていない、と思わせる。日本ではファッション・モデルの山口小夜子資生堂のCM「ゆれるまなざし」の真行寺君枝。味戸さんの絵の女性のまなざしは、宙(そら)の彼方へ突き抜けているように思える。
  まなざしのゆくへ杳(はる)かに宙(そら)深く
 おそまつ。はい。