意気込み 和み(閑人亭日録)

 北一明の酒盃二つ、『白雪釉斜傾彫文乳頭盃』と『北幻想葆光耀変手びねり盃』を座卓上に置く。白雪釉の白と葆光耀変の黒の対比が目に鮮やか。北一明の焼きものは凛として隙が無い。しばし鑑賞。
 銅版画家の故深沢幸雄氏から恵まれた、氏の作られた二つの盃を座卓上に置く。二つとも北の盃より少し小ぶり。青磁釉を厚くかけた筒型の盃と、胴(側面)が丸味を帯びた、灰白釉をかけた盃。二人の盃をあらためて並べてみると、北の盃は鮮烈な精神の意気込みを感じる。対して深沢の盃は、心の和(なご)みに包まれるような感触。北の盃は、手にするのではなく、距離を置いて鑑賞。深沢の盃は、掌に載せて包むように鑑賞。
 どちらを高く評価するかということではない。北の、美の絶巓を極めんとする垂直の視線。深沢の、穏やかな小世界を逍遥する緩やかな視線。制作の方向性は全く違うが、どちらも品のある作品。いいねえ。が、これらで酒を呑もうとは、思わない。これらは、盃のかたちをした美術造形作品なのだ。

 味戸ケイコさんの新作展最終日。体調思わしくなく断念。手紙を認める。それにしても下手な字だ。病を経てからさらに下手(判読困難)になった。激しい雨音。一吐息。

 ネットの見聞。
 「ナチスに奪われた名画を取り戻せ!「略奪美術品」をめぐるアルプスの岩塩鉱夫たちの戦い」サライ
 https://news.yahoo.co.jp/articles/4bd41caa957c4fd48835167dacee2cc08dea24a3
 「警察は謝らない」“人質司法”で犠牲に…当事者たちの訴え【報道特集】TBS NEWS DIG Powered by JNN
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6503023
 「会場は日本なのに…中国国内“ライブ禁止”のロック歌手の歌を聞くためだけに多数の中国人来日し涙 日本人が知らない“中国”の一面 」 FNNプライムオンライン
 https://news.yahoo.co.jp/articles/2618b315bd3092afc53ac4bb3b0ea8331b9a5e1c