『縄文論』雑感(閑人亭日録)

 昨日再読を終えた安藤礼二『縄文論』作品社。凄い熱量に気圧されながらの読書だった。熟慮の末の論述で、そこには迷いがない。最終章「まれびと論(四次元の塔)」は、岡本太郎の思想と作品「太陽の塔」が語られていたが、ふむふむ凄いな、と感心しつつ、先年初めて実物に接した縄文深鉢土器によって縄文のとんでもない凄さを実感できたことと同様、「太陽の塔」を実際にに目の当たりにしないと、判断がつかない。岡本太郎はじつに優れた鑑賞者、批評家だと思う。が、制作物についてはまだ何とも言えない。

 今春、三週間ぶりに退院。覚束ない足取りを考慮して履きやすい靴に買い替えた。歩くと腰と両足が痛み、この半年近く一進一退だった。昨日試しに入院前まで履いていた靴に履き替えてみた。なんと痛みを殆ど感じない。今日は1キロ近く歩いたが、足の疲れを少し感じただけ。ゆっくり歩けば腰も両足も痛くない。よかったあ。気持ちが急に軽くなった。軽くなった、と書けるささやかな極私的安堵感。
 先年引退したギリシャの歌姫ハリス・アレクシーウの新譜のCDの案内が届く。新録ではないが、早速注文。
 http://elsurrecords.com/haris-alexiou-reworks/23/02/2024/
 午後四時過ぎ激しい雨が降り出す。そして雷鳴。