種村季弘『雨の日はソファで散歩』筑摩書房2005年8月25日 初版第1刷発行を本棚から抜くと、木口に付箋。あれ?読んだかなあ、と本を開くと「謹呈 著者」の紙片。そうかあ。とてもありがたい。桑原茂夫「あとがき」冒頭。
《 本書は、今は亡き種村季弘さんが自ら編んだ、最後のエッセイ集である。 》210頁
種村さんが亡くなって早、二十年。つい最近までお元気でおられる気がしていた。K美術館へもいらしてくれた。思い出は一杯ある。それは措いて、今は『雨の日はソファで散歩』を再読。それが追悼。
《 若さをわざとはずして老年をたのしむ。深刻面(しんこくづら)を逆なでにする人生逆進化論である。死や老年を重々しく考えるばかりが能ではない。(引用者・略)おたがい、そろそろせいじゅくした文化のなかの死を、軽々しく、あっさり死にたいものだ。 》「「人生逆進化論」で楽しく」16-17頁
早朝に目が覚めた。清涼。パソコンを開いて午前5時の気温を見る。21.6℃。思い立って熱いコーヒーを淹れる。♪夜明けのコーヒー、二人で飲もうと~♪ 一人で飲むんじゃなかった。箱根山から日が昇る。