『全集・現代美術の発見』(閑人亭日録)

 午前3時22.9℃。ふっと目が覚めた。ベランダに出て涼しい夜風を受けていると、一つのアイデアが浮かんだ。
 1967年から刊行が開始された『全集・現代文学の発見』學藝書林という全16巻別巻1冊の全集がある。全巻の題名。
 1 最初の衝撃
 2 方法の実験
 3 革命と転向
 4 政治と文学
 5 日常のなかの危機
 6 黒いユーモア
 7 存在の探求(上)
 8 存在の探求(下)
 9 性の追求
 10 証言としての文学
 11 日本的なるものをめぐって
 12 歴史への視点
 13 言語空間の探検
 14 青春の屈折(上)
 15 青春の屈折(下)
 16 物語の饗宴
 17 別巻 孤独のたたかい

 新聞の記事を読んで近所の本屋へ走った。第一回配本は『第7巻 存在の探求(上)』昭和四十二年十一月十五日発行。収録作品の目玉は埴谷雄高『死霊(全)』。(全)とあるが、当時は「第三章」までの発表。わくわくして読んだ。それはさておき。これを参考に『全集・現代美術の発見』なる企画を思いついた。
 まず味戸ケイコさんの絵は『最初の衝撃』と『青春の屈折』に収録。北一明の焼きものは『方法の実験』『歴史への視点』に収録。これは愉しい。奥野淑子、白砂勝敏、つりたくにこは・・・。お手上げ。私の乏しい知識、知見ではまず無理なことに気づく。退散退散。しかし、「現代美術の発見」という視点、企画は面白いと思う。