1970年代初頭に講談社から出版された全12巻別巻1冊からなる『現代の美術 art now』が手元にある。全巻の題名。
1 先駆者たち
2 幻想と人間
3 情念の人間
4 ポップ人間登場
5 つくられた自然
6 主張するオブジェ
7 集合の魔術
8 躍動する抽象
9 構成する抽象
10 記号とイメージ
11 行為に賭ける
12 拡がるデザイン世界
別巻 現代美術の思想
数年前、全巻揃いを五千円で購入。半世紀経った今日でも通用する巻名だ。
『別巻 現代美術の思想』1972年5月20日第1刷発行の目次がネットにあったので転載。
《 はじめに/高階秀爾
しみと図形/ケネス・クラーク(佐々木英也訳)
イメージをなくすことはできるか/ジョルジュ・デュテュイ(芳賀徹訳)
手さぐりする絵画/高階秀爾
ミニマル・アート/リチャード・ウォルハイム(藤枝晃雄訳)
近代主義絵画/クレメント・グリーンバーグ(桑原住雄訳)
エロス試論/ルーシー・R・リパード(日向あき子訳)
世界の関係像について/中原佑介
現代芸術と想像力/坂崎乙郎
芸術と異議申し立て/ジャン・カスー(峯村敏明訳)
ホワイト・アウト/泉真也
引用について/宮川淳
美と有用性、または技術文明の魅惑について/ミシェル・ラゴン(近藤昭訳)
美術の将来の危機/J・レーリング(野村太郎訳)
消えていく観衆/ハロルド・ローゼンバーグ(藤枝晃雄訳)
年表・戦後美術の流れ(岡田隆彦編) 》
34.9℃の暑さに批評文を読む気力が失せる。巻末には10頁の「全巻作家別図版索引」。日本人作家をざっと数えてみた。靉嘔以下、相笠正義、赤瀬川原平から和田誠、渡辺惇三まで131名(多分それ以上)。あの人この人、某有名作家が無い。知らない作家が多い。一美術愛好家の私が知らないだけなのかもしれない。刊行から半世紀余。大部分の作家が鬼籍に入っているだろう。点鬼簿を読んでいる感じ・・・涼しくなる。そっと本を閉じる。