鮮やかな秋の朝の光。透明な、澄み切った空気を突き抜けて目に届く眩しいひかり。眼が悪いのかな、と思ってしまう。目薬は朝、両眼に点滴しているが。ま、錯覚、思い過ごしだろう。 眼科の女医さんの言うことをきいていればよい。まあ、秋を実感する朝だ。少し開けた窓から入る秋風に、網目模様の白いカーテンがゆらゆら揺れる。心もゆらゆら。静かな秋の朝。
朝食後の片付けを済ませ、屋上で洗濯物を干して木の椅子で一休み。そしてコーヒーを淹れる。旨い。時が静かに移ろってゆく。あ、もうこんな時間だ(て、何時だ?)。
西の空一面に広がるマダラ雲を従えて、西日が眩しい光輝を放っている午後四時過ぎの、荘厳な天空。富士山も白雲を従えている。秋の実りを確約する、と確信する光景。時の過ぎ行くままに、時の過ぎ行く秋の時を味わう、一日。温かいコーヒーが旨い(またか)。