『五木寛之エッセイ全集・第二巻─風に吹かれて』講談社を読み進める。「奇妙な酒場の物語」冒頭。
《 どんな男でも、それぞれ自分の青年期を彩る、いくつかの酒場を持っているものだ。 》159頁
《 こがね虫は 虫だ
金倉たてた 虫だ
なぜ虫だ
やっぱり虫だ 》163頁
小説『こがね虫たちの夜』を単行本で読んだ記憶がある。どこかにしまい込んであるようだ。本棚には見当たらない。
「競馬その他について」
《 相当ハッスルすることは間違いない。 》170頁
ハッスル・・・。死語だなあ。
「女を書くといういこと」
《 たとえば、私は原宿あたりの深夜のスナックで、全く不意に〈潮目〉などという単語をふっと思い出すことがある。 》175頁
2024年は、潮目の年の気がする。まあ、私的に潮目なのだが。本を読んで心に響く(共鳴する)表現に出合う。その出合いを求めて本を読む。
毎日、日常の細々した雑事を片付けると夕暮れ。歳のせいか、成果を振り返ることなくぐったり。読書は夕食後に。六十代のような勢いでは読めない。これが七十代か。ま、ゆっくり、ゆっくり読む、か。