『吟遊星』10号一九七九十月一日発行、柿本人真似(こと御沓幸正)「淺才馬鹿集」後半(4頁)
《 男三十付き合ひながく日は暮れて奢りの酒のあほらしき哉
焼きぬればくるゝものとは知りながらなほ恨めしき手焼煎餅
瘡掻かきのわたせる橋に置く蓙(ござ)の乞食を見れば夜も更けにけり
大水のあとに流るゝどぶ川は見よステゝコの浮ぶ瀬もあれ
言ふことゝ腹のうちとは異なりて咽のあたりぞむず痒きかな
世の中はなにか常なるあすか川きのふの質ぞけふは流るゝ
色里は今ぞさびしさまさりける吉原あたりみなトルコにて
なけなしのつれなき銭の別れより蝦蟇口ばかり憂きものはなし
気が付けば服もさいふもなかりけり詐欺立ちまはる秋の夕暮 》
この「淺才馬鹿集」に瞠目、脱帽。今も記憶に残っている。