窪島誠一郎『絵をみるヒント』白水社2006年初版、前半を読んだ。より深く絵を楽しむヒント集といった印象。 肩肘張らない平明な文章で絵画鑑賞の素直な楽しみ方を語っている。いい本だ。
《 「絵」だって同じで、ある時代には巨匠ともてはやされ、大家と尊敬されていた画家の作品が、その画家の死後には ほとんど世の中から忘れられてしまうなどということはよくあります。 》 33頁
古い美術家名鑑を開くと、全く知らない当時の人気画家がずいぶんいる。歳月は正直で残酷なものだ。
《 画家はまったく無意識のうちに、自分の心の奥にある記憶の命令にしたがって、形を描き、線をひっぱり、 一点の作品を完成させているのです。そして、私たちはその作品をとおして、はじめて画家が画面のなかにこめた 「人生」や「体験」を知ることができるというわけです。 》 51-52頁
《 そうした記憶と記憶のぶつかりあい、画家がすごした「人生」と、絵をみる私たちの「人生」のぶつかりあいこそが、 文字どおり「絵を読む」という行為なのではないかと考えるのです。 》 52頁
二十代前半、味戸ケイコさんの絵に出合ったときのことを思い出す。そのとおり。
《 ほんとうの画家の実力は、有名な代表作品よりもむしろあまり目立たない、ほんの小さなデッサンや水彩画のほうに ひめられている場合だってあるのですから。 》 77頁
だから信濃デッサン館か。それはさておき、同感。
《 画家は納得のゆくひとつの作品を完成させるまでに、いくつもの「下描き」ともいえる作品を描いているのです。 そして、そうした「下描き」のなかにこそ、隠しへだてのない画家の裸の姿が表現されているということができる のではないでしょうか。 》 79頁
まことに同感。
《 批評の神様といわれた小林秀雄がよくいっていたのは、
「最良の批評は作品を誉めること」
ということばでした。 》 43頁
作品を誉めると「誉めすぎ」と友だちから注意される。相手が勘違いして思い上がってしまう、と。難しい。 明日へつづく。
昼前、ぼんやりしていると電話。「婚活のお手伝いをしている……」「……」。
午後、風の子造形教室の展覧会(6月23日〜28日 沼津・ギャラリー エビスヤ)の葉書を友だちと数軒へ配る。
ネットの見聞。
《 ヘソ曲がりのせいか、昔(30年くらい以上前か)若冲は、好きだったけど、ブームになってから関心が薄れた。 キワモノだったから面白かった。 》 高橋正明
https://twitter.com/buzzmeak/status/730670901306359808
《 (続き)バルテュスもそうだ。バルテュスのアートは本来みんなが真昼間にワイワイ見に行くほど健康的じゃないし、 ポスターがあちこちに貼られるような作家ではない。尤もバルテュスの場合は60年代くらいまでが最盛期で。 以降は俗化、劣化して面白くなくなったが... 》 高橋正明
https://twitter.com/buzzmeak/status/730671018600058880
《 神奈川県立近代美術館葉山館「原田直次郎展」油絵らしい油絵が描けた数少ない明治の日本人だろう。 改めて黒田清輝から始まらざるを得なかった近代日本洋画のある種の不幸を思わざるを得ない。 若くして亡くなった損失は大きい。 》 小松崎拓男
https://twitter.com/takuokomart/status/731000626587402242
《 【神奈川県議会】有権者の監視が自・公・民進の横暴を はねのけた 》 田中龍作
http://tanakaryusaku.jp/2016/05/00013621
《 実は間違っていた「脳にまつわる10の迷信」 》 ライフハッカー日本版
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160510-00010006-biz_lifeh-sci&p=1
唯脳論のほかに無脳論があることを知った。
http://urag.exblog.jp/22806024/
《 【第17話】 鴻上尚史、再び登場! 「創作がガラッと変わった95年という年」 》 中川いさみ
http://www.moae.jp/comic/mangakarestart/17
《 避難指示解除直後の場所で、サミットやって、その間、南相馬の方々を伊勢志摩で保養させてみろ! どれだけ不条理なんだ!
いや、ほんとすごいよ。伊勢志摩サミットやっている間、福島第一原発の建屋カバー解体などの廃炉作業を 休止する一方で7月には南相馬の住民に帰っていいよというのだから。 》 タニ センゾー
https://twitter.com/Tanisennzo/status/731069978682609664
ネットの拾いもの。
《 オリンピック招致って「商取引」だったんだ。お値段1億6千万円の。 》
《 「東京」をネーミングライツでどこかに貸与してそこでオリンピックやってもらってはどうか。 》