2024-01-01から1年間の記事一覧

屈折 鬱屈 挫折(閑人亭日録)

屈折、鬱屈、挫折。嬉しくない言葉が三つ並んだ。それは私の青春の代名詞。まあ、ひどい言葉だ。でも、そう。大学の卒業時、母親から懇願され、一年間地元の調理師学校へ通った。早朝、両親の営む甘味処の商品の仕込みを手伝ってから学校へ。半年後、仕込み…

曇天小雨黄昏・・・(閑人亭日録)

午前の会合を欠席。午前午後、布団で横になる。ことんと寝落ち。なんでこんなに寝てしまうのだろう。陽気のせいか。病み上がりのせいか。 大坪美穂さんの個展が紹介されている記事。来月行かれればいいが。 https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2024/04/18…

深沢幸雄の盃(閑人亭日録)

銅版画家・深沢幸雄氏から生前恵まれた盃二客を久しぶりに卓上に置いて鑑賞。一つは径65mm、高さ50mmほどの渋く青い釉薬が厚く掛けられた磁土の盃。もう一つは径70mm、高さ50mmほどの渋い灰釉薬の掛けられた塩笥(しおげ)型の陶土の盃。どちらも小ぶりで掌…

牧村慶子(閑人亭日録)

昼過ぎ、沼津市でギャラリー・カサブランカを営んでいた勝呂女史が来訪。去年の夏に逝去された絵本画家牧村慶子さんの絵をデータベ-ス化するために、私のもっている二点を借りていかれる。勝呂さんは、去年から体調不良で仕事を休まれていた。まだ本調子で…

賞味期限 消費期限 つづき (閑人亭日録)

味戸(あじと)ケイコさんの場合はどうだろう。椹木野衣・編集『日本美術全集 第19巻 戦後~一九九五 拡張する戦後美術』小学館 二〇一五年八月三十日 初版第一刷発行、「150 雑誌『終末から』表紙絵 味戸ケイコ」、椹木野衣(さわらぎ・のい)「解説」から…

賞味期限 消費期限 (閑人亭日録)

食べ物に賞味期限(おいしく食べられる期限)と消費期限(食べられななる時)があるように、美術作品にも賞味期限(評価される期限)と消費期限(評価されなくなる時)があると思う。鮮度が命の野菜、魚の刺身。漬物や味噌、ウィスキーのように熟成するもの…

奥野淑子 佐竹邦子(閑人亭日録)

奥野淑子(きよこ1978年~)さんの木口木版画が、美術界で話題になったり、美術雑誌の記事に取り上げられたりしたことを、グループ展の広告以外に私は知らない。某版画雑誌の編集長も知らなくて、五年ほど前、我が家で彼女の木版画をお見せしたら仰天。頼ま…

北耀変茶盌(閑人亭日録)

いまだ恢復途上にある心身には読書は向かない。座卓に北一明の耀変茶盌を置いて鑑賞するのが心地よい。午前の陽光を受けて、轆轤成形の茶盌は、見込みの底、胴の緩やかに波打つ曲面に散る金星斑が星影のように浮かぶ。視点を少し移せば、漆黒面は突然光彩を…

一日が早い(閑人亭日録)

風邪は収まってきたけど、体重は入院前に較べて八キロ減のまま。体力、持続力が恢復しない。ゆっくり自宅静養。寝たり起きたり、一日の過ぎるのが早い。

マンガ展(閑人亭日録)

ポンピドゥー・センターでのマンガ展「Comics, 1964-2024 29 May - 4 Nov 2024」のウェブサイト https://www.centrepompidou.fr/en/program/calendar/event/9htHbj4 風邪気味ゆえ、一日ぶらりぶらり、寝て過ごす。無理はしない。いや、できない。

味戸ケイコ展 北一明展(閑人亭日録)

味戸ケイコ展と北一明展は今のところ考えていないが、展覧会の題はいろいろ浮かんで悩ましく楽しい。今の候補。 味戸ケイコ展「心の源郷へ」 北一明展「異能の陶芸 異貌の陶彫」 来年の六月半ばに近所の貸画廊で開催する「没後40年 つりたくにこ展」のキャチ…

『日本のライト・ヴァース I』(閑人亭日録)

本棚からやっと見つけた本、谷川俊太郎・編『日本のライト・ヴァース I 煖櫨棚上陳列品一覧』書肆山田(発行日の記載はなく、谷川俊太郎の「あとがき」に「一九八〇年十一月」)を再読。読みたかった天野忠「虫」をやっと読む。《 虫 病気が癒ってしまい す…

東君平(閑人亭日録)

東君平の私家版豆本『くんぺい ごしちご アフリカえほん』1981年9月 著者・発行者 東君平(縦85mm横90mm)を開く。91頁の本。一編四頁の構成。おしまいの一編、最初の一頁(86頁)は黒い地に白い字(切り絵)で「バオバヴの/かごにおもいで/つめきれず」。左頁…

芸術の慰撫(閑人亭日録)

味戸ケイコさんの絵を身近で何気なく見つめているとき。北一明の茶盌(茶碗)を手にとり何気なく見つめているとき。なにかしら気持ちが落ち着き、じっと魅入っている。時の経つのを忘れている。ふと気づき、もっと見つめていたいと切に思う。無心であり、夢…

「わたくしは誰?」(閑人亭日録)

青梅市の歌人王紅花(筆名)さんから送られた個人誌『夏暦』五十八号の題は「わたくしは誰」。三十首ほどの作品に飛び抜けた一首が見つからなかったが、「わたくしは誰?」という結句が引っかかった。埴谷雄高の長編小説『死霊』のメインテ-マ「自同律の不…

感想に頭を使う(閑人亭日録)

個人短歌誌、業界紙連載記事、葉書等届いた文面に目を通す。さて、どんな感想を認めるか。いつも悩む。さらに困るのは、字がさらに下手になったこと。パソコンに入力すれば読みやすい字体が並ぶのは楽~だが、ここには プリンターが無い。一件はメールで感想…

生動力 静動力 制動力(閑人亭日録)

私の推す美術家たちの特徴を表す生動力、静動力、制動力という漢字が浮かんだ。アルファベットでは思いつかない言葉。簡単にメモ。 ・生動力 上條陽子 奥野淑子 佐竹邦子 白砂勝敏 ・静動力 味戸ケイコ ・制動力 北一明 作品から美術家の生命力の勢いを直(…

LED照明(閑人亭日録)

昨日、書斎の照明を電球からLED照明に替えたが、その効果に驚く。北一明の耀変茶盌に顕著だが、耀変が鮮烈に現れる。いやあ参ったわあ。技術の進歩は侮れない。 「アブソリュート・チェアーズ」なる椅子の展覧会が埼玉県立近大美術館で開かれている。 htt…

『記憶と芸術』九(閑人亭日録)

丸川哲史「戦前の記憶と戦後の生 太宰治における天皇・メディア」から。《 これから述べることは、決して言葉遊びではない。すなわち、そのように始まった戦後民主主義なるものの複雑な曲折があり、そこで「人間宣言」ならぬ『人間失格』という題名の作品が…

つりたくにこ続報(閑人亭日録)

夕方、つりたくにこさんの夫高橋直行氏から電話。ポンピドゥー・センターの企画展は、マンガ月刊誌『ガロ』で活躍した五人の漫画家、阿部慎一、勝又進、つげ義春、林静一そしてつりたくにこの五人展。6月から11月まで長い展示になる。『ガロ』について。 …

「つりたくにこ展」再び(閑人亭日録)

来年六月、「マンガ家つりたくにこ没後40年、つりたくにこ展」を開催する企画を立ち上げる。故つりたくにこさんの夫、高橋直行氏から返事のメール。《 いいですね。今年5月から11月迄ポンピドゥーで原画五点が展示され、来年三島の画廊で引き続き観ても…

『記憶と芸術』八(閑人亭日録)

虎岩直子「W・Bイェイツとヒューマス・ヒーニーをめぐる記憶」結び近く。《 空っぽで自由だからまた別のものと繋(つな)がっていく。「記憶」とは刻々と変化していく現在生きる個人あるいは共同体が保持している過去(であるから記憶の形も刻々と変化して…

『記憶と芸術』七(閑人亭日録)

高遠弘美「「引用的人間」の記憶について」から。《 言い古された言葉のようだが、「美しい」という要素は詩文を暗記するうえで最終的にして決定的な要素であるような気がする。 》 268頁《 あまたの藝術作品をただ死蔵せるがごとくしまっておくのではなく、…

『記憶と芸術』六(閑人亭日録)

進藤幸代「ハワイ・ポノイを歌うこと」結び。 《 日本人に人気のあるホノルルマラソンにのコースには、ハワイアンが失った土地とハワイアンにとっての聖地が含まれ、外国資本のホテルが立ち並び、スタート地点ではハワイ・ポノイも歌われる。いわばハワイア…

『記憶と芸術』五(閑人亭日録)

水沢勉「+記録/+記憶」から中村信夫「現代美術の展望」の一文。《 従来優れた作品とは、安定し、強固で、物質的であると信じられていたが、今日それらは実際には本質的にもろいものであるということに我々は注目し始めている。 》 77頁 昨日、故つりたく…

『JOUER AU LOUP』(閑人亭日録)

雨が降ったり止んだりの不順な天気。天気に連動したかのような不安定な体調を持て余しているとき、マンガ家故つりたくにこさんの夫高橋氏から嬉しいメールが届く。 《 2冊目の仏語版のタイトルがJOUER AU LOUPと決まり、6月に出ます。tague.playing tag. …

『記憶と芸術』四(閑人亭日録)

谷川渥「絵画の時間性 序説」から。《 美や芸術の脱時間性をア・プリオリに主張するならはじめから問題はない。(引用者・略)というのも、芸術においてこそ、時間の現在性というものがもっとも顕著にあらわれるからである。 》 55頁《 理由律に従い、既知の…

『記憶と芸術』三(閑人亭日録)

最初の北川健次のエッセイ「記憶と芸術──二重螺旋の詩学」から。《 クレーが矢印を使い始めたのは一九二〇年代に入ってからであるが、デュシャンの無機質に比べ、クレーは限りなく有機質の方へと「矢印」の意味が分化した事は興味深い。では美術の枠を出て人…

『記憶と芸術』二(閑人亭日録)

昨日の記事をあげるのを忘れていた。 語り手:谷川渥 聞き手:中村高朗「澁澤・種村(おうごん)時代を語る」を読んだ。谷川渥の発言。《 あれは河出書房新社にいた安島真一君、のちに安藤礼二という名で大活躍することになる彼ですけど、彼がよく僕に声をか…

『記憶と芸術』(閑人亭日録)

中村高朗・虎岩直子 編著『記憶と芸術 ラビリントスの谺』法政大学出版局2024年3月4日初版第1刷発行を近くの本屋で受けとる。 https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-41039-0.html 虎岩直子「まえがき」を読む。《 「記憶と歴史」が学問領域として注目さ…