2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

静寂の美

開館前に沼津市の画廊ほさかでの上松和夫彫刻展を観にいく。美術館へ戻り床をお掃除。テケパパたちがライヴで使った器材等を搬出に来る。とても面白かった、思いっきりできましたと。そりゃそうだろうなあ、午後十一時半まで延々と演奏したんだから。ガラン…

夜の落葉

きょうは風が穏やかだけれども、昨日は強い西風吹きまくり。駐車場の落ち葉はどこかへ吹き飛ばされてきれいさっぱり。昨晩はわっさわっさと降る落葉の中を帰った。山中智恵子の短歌のよう。あるいは野見山朱鳥(あすか)の俳句。 星空のはてより木の葉降りし…

バリア「ア」リー

清水町役場から再度依頼されたので、文部科学省の美術館博物館アンケートに昨朝ネットで回答。その中にバリアフリーの項目があった。当館は無しを回答。玄関スロ−プもエレベーターもトイレの手すりも無い。以前車椅子の人がみえた時は車椅子を担ぎ上げて二階…

グウェン・ジョン

昨日、女性画家がグウェン・ジョン Gwen John という未知の女性画家の画集を持ってきた。ロダンの彫刻のモデルをした人でもあるこの画家の絵はサムホールや葉書大の小品が多い。印刷図版のほうが原画よりも大きいほど。この画家の絵をとても好きだと言う。つ…

りんご箱

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。マシュー・パール「ダンテ・クラブ(上・下)」新潮文庫2007年初版、計 210円。借りた単行本で読んで面白かったので。今朝、開館前に再び二冊。グレアム・グリーン「ヒューマン・ファクター」ハヤカワepi文庫2006年初…

11月24日(月) 休館日

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。山田正紀「エイダ」早川書房1994年初版帯付、辻嘉一「味のいろは歌留多」中公文庫1983年初版、三浦しをん「秘密の花園」新潮文庫2007年初版、計315円。 午前中は韓国から来日した学生たちと日本の学生たち十人ほどを…

展示替え中

がらんとした一階。これまたいいものだ、とのんびりしていると、年配の女性が自転車でやってくる。どんなところか観たくて、と仰る。今はこんな具合です、と一階をさらっと見せて二階へ。しばし観賞して降りてくる。ふうと息をつき、この近所にはお友達がた…

水樹ノア展最終日/デカ目

きょうも開館直後から次々に来館者。静かなざわき。 旧聞になるけど、毎日新聞19日夕刊、荻原魚雷のコラム「そのほかのニュース/小悪魔のアゲ盛り」で目にしたくだり。 『小悪魔ageha』は、「そう、!! 薄くしても、 顔の半分目になる方法を見つけまし…

いい夫婦・ピアノ

きょうはいい夫婦の日とか。塚本邦雄の名歌。 金婚は死後めぐり来む朴の花絶唱のごと蘂そそりたち 塚本邦雄の短歌で十一月になると口をついて出る大好きな一首を。 ほほゑみに肖てはるかなれ霜月の火事のなかなるピアノ一台 ピアノといえば彼のこの歌が有名…

人を詠む俳句

きょうはまた強風。開館直後から次々に女性来館者。 白し疾し十一月は一紙片 岡本眸 人を詠んだ俳句を少し。 菊咲けり陶淵明の菊咲けり 山口青邨 柿の木の天までのぼれ津田清子 平畑静塔 西田幾太郎のごとく冬帽掛かりたり 橋間(門がまえに月)石 本阿弥光…

福島泰樹、人を詠う

昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。秋庭俊「帝都東京・隠された地下網の秘密」新潮文庫2006年初版、エドワード・D・ホック「サム・ホーソ−ンの事件簿V」創元推理文庫2007年初版、計210円。 昨日取り上げた高野公彦・編「現代の短歌」講談社学術文庫…

人名を詠む

昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。古川日出男「gift」集英社2004年初版帯付、鮎川哲也「わるい風」光文社文庫2007年初版、計210円。 高野公彦・編「現代の短歌」講談社学術文庫初刊1991年には人名を詠み込んだ歌が散見される。こんなもの。 ああ…

11月17日(月) 休館日

天気がよいのでお昼前。お散歩がてらブックオフ長泉店へ。「妖精文庫2 ジョン・ラスキン 黄金の川の王さま」青土社1999年初版、「妖精文庫5 ジョージ・マクドナルド 軽いお姫さま」青土社1999年初版帯付、越澤明「東京都市計画物語」ちくま学芸文庫2001年…

水樹ノア・トールペインティング展初日

トールペインティング展初日。開館前に最後の展示飾りつけ作業。感じのよい女性たちが次々と来館。清楚な花々が揺れるよう。それにしても、個展ごとに来館者がこうも違うとは。 毎日新聞朝刊に「平成の大合併打ち切り検討」の記事。一部を引用。「総務省は市…

TAARAB

昨晩のNHKテレビ「探検ロマン世界遺産」、新聞番組表では「インド洋の宝石 迷宮都市ストーン・タウン 魅惑の音楽 消えた王国」。はて、どこだろうと観たら東アフリカはタンザニア沖のザンジバル島だった。ならば音楽はタアラブ TAARB だろう、と腰を据え…

チラシ乱打戦

朝のお掃除と点検の後は新聞折込チラシの片付け。「比べて下さい!」ヤマダ、「どこよりも安く!」コジマ、「がんばろう日本!」ノジマ、「店舗数日本一!」エイデンたちの派手派手乱打戦。 電器店の薄っぺらな紙に対して厚手の豪華な紙でゴージャスに打って…

富士は上半分が雪化粧

有吉佐和子「開幕ベルは華やかに」新潮社1982年を読んだ。帯の「読み出したらやめられない面白さ」は嘘ではなかった。後半をきょう読むつもりだったけど、深夜読み耽ってしまった。ああ面白かった、とぐっすり眠れた。目覚めもスッキリ。「帝劇の、華やかな…

富士は雪化粧

昨夜の雨が富士山では雪。今朝は青空に白冨士。開館前にブックオフ長泉店へ。石沢英太郎「視線」文藝春秋1977 年初版、今野敏「隠蔽捜査」新潮文庫2008年4刷、ミステリー文学資料館・編「恋は罪つくり」光文社文庫2005年初版、計315円。 一昨日は国立西洋美…

11月11日(火) 臨時休館

遅れた話題だけれど。毎日新聞9日(日)の読書欄。浜田久美子「森の力」岩波新書への藤森照信評から。「7章、8章は、地域産の木材を使う建築家たちの姿が登場する。地域の山から伐り出し、地域の製材所で挽き、地域の大工さんが使う。現在、世界でこんな…

お掃除など

次の貸し展示の準備は金曜日午後からなので、しばしゆっくり。細かいところまで掃除の目が届かなかったけれど、きょうは机や椅子を動かしてお掃除。外へ出してあった鉢植えの樹は館内へお引越し。ガランとした一階。今度はどんな品物が埋めてくれるだろうか。…

休館日

午前中に搬出を終える。午後はゆっくりお買いものなど。って、買うのはトイレ洗剤などなどモロ日常。

北斎道子展最終日

二週間休み無しで開催された北斎道子展、きょうが最終日。北斎女史は今度の新作はマンガだから皆さんに見ていただくほどの絵ではない……と、案内葉書はたった一通した郵送しなかった。それでも多くのファン、関係者が画廊にある葉書、新聞などの案内欄で知り…

詩人

昨日の「祝婚」は三人称の私小説といった趣だけれども、「詩人」はエッセイ、評論ともいうべきもの。 「そっくりというのではないが、尼崎安四の生涯を年譜に読んだとき、前方を歩いて行く自分の背中を見るような気がした。」 「彼はひっそりと霧の中を来て…

祝婚

上田三四二の短編集「祝婚」新潮社1989年を読んだ。私小説からエッセイ?まで晩年発表の五編を収録。「祝婚」と「詩人」に惹かれた。「祝婚」から。結婚披露宴の場面。 おしなべて味(あじは)ひふかき人の生(よ)をあゆまんとする今日より君は を祝辞に引…

女性を謳う

きょうは陽射しを暖かいと感じる。昨日取り上げた上田三四二(みよじ)の短歌では女性を謳ったものに特に惹かれる。 やわらかき躯幹をせむるいくすぢの紐ありてこの晴着のをとめ 揺られゐる躯幹よりいたく精妙にその春服の胸揺れてをり 疾風を押しくるあゆみ…

夕暮れは秋

秋の夕暮れはえもいわれぬ複雑に深い色彩に満ちていて、四季のなかでは最も好きな夕暮れだ。 すでにして詩歌黄昏(くわうこん)くれなゐのかりがねぞわがこころをわたる 塚本邦雄 雁ゆきてまた夕空を滴らす 藤田湘子 谺して一打の斧も熄(や)むゆふべあな寂…

きょうも開館

昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。筒井康隆「愛のひだりがわ」岩波書店2002年初版帯付、「現代語訳 古事記」河出文庫2003年初版、アガサ・クリスティー「ポアロ登場」ハヤカワ文庫2006年3刷、計315円。ポアロ物は十代に読んだきりか。今はどんな印象…

きょうは開館

昨日は青い影絵のような冨士だったけど、今朝は薄絹のような靄を通して見える冨士。これもいい。光源氏が御簾を通して覗き見た女性たちはこんな具合だったかな。 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。団鬼六「大穴」角川春樹事務所2000年初版、山田正紀…

手直し

昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。川崎洋「かがやく日本語の悪態」草思社1997年初版、コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」ハヤカワ文庫2005年11刷、計210円。後者は北村薫「ミステリ十二か月」中公文庫で紹介されていたので。持っている…

五十八歳

五十八歳の誕生日。よく生きてきたものだ。スカッとした秋空。祝福されているよう。(誰に?) 本日は晴天の霹靂なり 田原慎一郎 「御教訓大全」PARCO出版 400頁 本、実は性典なり 草葉アキラ 同上 173頁 ダシール・ハメット「ガラスの鍵」創元推理文庫…