2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
養老孟司と布施英利の共著『解剖の時間 瞬間と永遠の描画史』哲学書房1987年初版を読了。 《 さてこのように「写真のように正確に描く」解剖図もそろそろ十九世紀には頂点を究めるようになる。 》 102頁 《 情報が複雑になりすぎたこと、写真が誕生したこと…
養老孟司と布施英利の共著『解剖の時間 瞬間と永遠の描画史』哲学書房1987年初版を少し読んだ。 《 ヴェサリウスはニ三歳の若さで、イタリア・パドヴァ大学の外科兼解剖学の教授に任命された。そして、『ファブリカ』を出版したのは一五四三年、ニ九歳の時 …
養老孟司と布施英利の共著『解剖の時間 瞬間と永遠の描画史』哲学書房1987年初版を少し読んだ。 《 われわれはとくに過去を知りたいわけではない。ヒトとは何かを知りたいだけである。 》 「はじめに」 4頁 朝、女性四人が乗車の車に肩身を狭くして乗る。田…
『芸術新潮』5月号「特集 最強の日本絵画100」を再読。半年も経たずに内容を忘れていた。いやあ絵はもちろん、解説(山下裕二の対談)も興味深い。 実見した絵画もあれば、当然ながら印刷でしか見たことのない絵画もある。堀江敏幸の連載「定形外郵便 4…
昨日引用の、 ・多様だが共通、共通だが多様 ・安定だが変化し、変化するが安定 ・巧妙、精密だが遊びがある ・偶然が必然となり、必然の中に偶然がある ・合理的だがムダがある ・精巧なプランが積み上げ方式でつくられる ・正常と異常の間に明確な境はない…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を読了。 《 生きものの基本戦略 ・多様だが共通、共通だが多様 ・安定だが変化し、変化するが安定 ・巧妙、精密だが遊びがある ・偶然が必然となり、必然の中に偶然がある ・合理的だがムダがある ・精巧なプラ…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 私たちの体をつくっている細胞──大人だと六○兆個ほどといわれます──はすべて、自身の出発点である受精卵とまったく同じゲノムを持っている、つまり クローン細胞なのです。 》 201-202頁 《 …
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 とにかく私は私ですとして内と外とをしっかり区別するのが基本ですが、そのうえで常に外に反応し外にはたらきかける状態にないと生きているとはいえません。 》 181頁 《 遺伝子でも、複雑化…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 生命誌は出発点を共通性に置きます。地球上のあらゆる生物は、共通の祖先を持つ仲間だというところが基本です。これは、思想としても、環境問題への対処などの 実生活上でも重要なことです。…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 けれども遺伝子の研究をしていると、今述べたように、ヒトならヒトという生きものとして生れてくることが自体が大変なことなのであり、生れてきた人すべてが 一様にその存在を認められている…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 進化は、まず生物の側の変化していく力があれこれの可能性を試みる(変化はまずDNAに起きますが、それが直接進化につながるのではなく形づくりが必要です)、 そしてその結果生じた個体が…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 アポトーシスと呼ばれるこの現象は、細胞のゲノムに死ぬべき時が予め書き込まれており、それに従って細胞が整然と死ぬという現象です。この役割には二つ あります。一つは、ある時点で生体に…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 その後二つの細胞が接合してできた二倍体細胞が細胞間の対話をみごとにやってのける存在となり、多細胞化をしたのです。こうして生じた二倍体細胞は、 それぞれが個性をもちながら、決して勝…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 興味深いのはカンブリア紀の大爆発です。(中略)その後の進化の様子を追うと、どうもそのみごとな展示場の中では一番特徴なく見えるピカイアという小さな 生物が現在の生物につながってきた…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 生物界は五界に分けられます。モネラ界(バクテリア)、原生生物界(原生動物、藻類など単細胞生物)、菌界(きのこ、かび、地衣植物など)、植物界、 動物界です。 》 93頁 《 最近環境問題…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。 《 そこで、アメリカのがん研究のリーダーの一人ダルベッコが、一九八六年に、ヒトゲノム解析の提案をしました。ゲノムとは、一つの細胞の核内にあるDNAの すべてです。ヒトゲノムはヒトを支…
中村桂子『生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。これは面白い。易しい言葉ですごいことを言っている。 《 実は生命誌という考え方をもつようになってから私の関心は、生きものというより「生きているということ」にあるのだと思うようになりまし…
ネットで見てきょう掲載かな、と東京新聞朝刊(ここは朝夕刊一緒)を広げ、連載の末國善己「ベストセラーで読む戦後世相史 8」は有吉佐和子『不信のとき』。 おっかしいなあと昨日の紙面を広げると、あれま、「7 中井英夫『虚無への供物』」。昨日に限って…
朝が涼しい。風は秋の気配。エアコンは止まったまま。 昼前、ブックオフ長泉店でエドゥアルド・コーン『森は考える──人間的なるものを超えた人類学』亜紀書房2016年3刷を買う。1560円。新品同様。 午後、佐野美術館の「北斎・広重」展へ友だちと行く。目新し…
午前、三島市役所へ行き、書類のコピーを受け取る。その後、係の方から「(映像で市長が殺してという場面で見たけど)何をしているんですか?」と聞かれる。 一昨日昨日と学生を相手に話をした、だけでは面白くないので、魚のいる場所、給水塔、踏切の名前、…
『古本ストアー』が静岡市にあることを知る。知らなかった……行きたい。 https://www.navitime.co.jp/poi?spt=00011.050121827 古本ストアー、読み方は「こもとすとあー」。なんじゃい。 昼過ぎ、グラウンドワーク三島事務所で某女学生から源兵衛川の復活のい…
ライターといっても、物書き(writer)ではない、点火のライターに興味がある。タバコなど嗜まないが、100円ショップの女性向き軽いスイッチのライターに ガスを充填していて、引き出しから中古のライター四個を取り出した。一つは100円ショップにもあるもの…
赤坂憲雄『性食考』岩波書店2017年初版、「第七章 大いなる口」を読んだ。 《 それを思えば、たとえば肉体の表層を覆った皮膚を、自己と世界とをわかち隔てる境界と見なす思考の、なんと皮相的なものであることか。皮膚とはそもそも、 多孔質の、つねに外な…
赤坂憲雄『性食考』岩波書店2017年初版、「第五章 はじまりの神話」「第六章 女神の死」を読んだ。 《 生物界は五界に分けられるらしい。ひとつは、バクテリアなどのモネラ界であり、これは原核単細胞生物で、一倍体細胞として増殖をくりかえして生きている…
赤坂憲雄『性食考』岩波書店2017年初版、「第四章 動物をめぐる問題系」を読んだ。 《 サルトルは書いていた、「われわれの人生のかなりの部分は、いろいろな穴をふさぎ、いろいろな空虚を満たし、象徴的に充実を実現し確立するために、過ごされる 」と。た…
赤坂憲雄『性食考』岩波書店2017年初版を少し読む。 《 われわれはじつに都合よく、記憶そのものを改竄して、むしろ、多くのことをなかったことにして済ませようとしている。 》 「序章 内なる野生」 5頁 《 なぜ、うしろなのか。うしろのフォークロアに眼を…
森下雨村『冒険小説 宝島探検』 盛林堂ミステリアス文庫2018年を読んだ。活劇を期待したが、それはなかった冒険小説。テンポのよい文章。 《 歳は六十七歳であった。 》 162頁 同じ歳。我が身を振り返る。まだ死ねない。 眠っている間も頭脳は休まない。ある…
早坂類『SUIREN 睡蓮』RANGAI文庫2018年初版を読んだ。 https://www.amazon.co.jp/%E7%9D%A1%E8%93%AE-%E6%97%A9%E5%9D%82%E9%A1%9E/dp/4909743006 睡蓮とは自らホームレスになった、生活費には困っていない中年女性の自称。公園のホームレスた…
東京新聞朝刊、「平成のことば」は、大岡信。1997(平成九)年九月二日のインタビューで。当時六六歳。 《 猫はこよなき無用なもの、美もまた無用にして役たたず。ゆえにすべてを超越して人を魅了する。 》 つづいて。 《 便利な物が次々作り出され、万事功…
2007年に出た『版画芸術』135号、「特集 知られざる木版画絵師 小原古邨/小林かいち」で掲載された作品と今回掲載の約70点とは、数点が重なるのみ。今号で 買いたいと思った作品は、片手で足りた。好みの違いだろう。編集部へ年記の間違いを知らせる。 http…