2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

閑人亭日録

『絵は語り始めるだろうか』三 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「7 ディスクリプション講義」を読んだ。 《 作品記述(ディスクリプション)は造形を言葉に置き換えていく作業にほかならない。(中略)細部を自分…

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『絵は語り始めるだろうか』ニ 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「6 連想・日本美術史 附宣伝文二篇」を読んだ。 《 わかりやすい説明は、どうかするとほんとうのことから逸れてしまう。日本美術を一般に語ろうと…

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『絵は語り始めるだろうか』一 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年、「2 中国絵画と日本絵画の比較に関するニ、三の問題──戸田禎佑『日本美術の見方』を 受けて」を読んだ。 《 もちろん、中国絵画史を視野に入れないまま…

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『絵は語り始めるだろうか』をほんの少し 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版をちょっと読む。冒頭の「絵は語り始めるだろうか」から歯に衣を着せない表現、 何とも挑発的な文章に驚く。痛快。これは面白い。 《 運悪く…

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『意味がない無意味』七 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 V 分身 」「VI 性」を読んだ。「性」の章、「マラブーによるヘーゲルの整形手術──デリダ以後の 問題圏へ」が思考にぐっと深く食い込んできた。 《 マラブーによれば、可塑性…

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『意味がない無意味』六 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 IV 言語」を読んだ。 言語、形骸、倒錯──松浦寿輝『明治の表象空間』 批判から遠く離れて──ニ◯一◯年代のツイッター 緊張したゆるみを持つ言説のために 此性を持つ無──メイヤ…

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『意味がない無意味』五 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 III 他者」を読んだ。「美術史にブラックライトを当てること──クリスチャン・ラッセンのブルー」 「思弁的実在論と無解釈的なもの」「アンチ・エビデンス──九◯年代的ストリ…

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『意味がない無意味』四 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 II 儀礼」を読んだ。四本の論で紹介したくなるほどの文章は・・・なかった。 朝、蓮馨寺横の源兵衛川で茶碗のカケラやガラス片を拾う。 昼、友だちがカワニナを採取したいと…

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『意味がない無意味』三 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 I 身体」を読んだ。 《 あれらの人物たちは外へ逃れ出ようともがいているのではない。むしろベーコンは、強く圧迫されて内に褶曲した身体を積極的に言祝(ことほ)いでいる…

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『意味がない無意味』ニ 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し読む。 《 哲学にも色々な分野があるが、私の専門は、人間や事物が「どのように在るか」の原理的考察、すなわち「存在論 ontology 」である。 》 「はじめに」 「意味がな…

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『意味がない無意味』一 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し読む。 《 本書を編集しながら私は、第一期の仕事を捉え直し、「意味がない無意味」という概念を案出して新たなテクストを書いた。それを冒頭に置く。 》 「はじめに」 つ…

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「少子高齢化国の市民革命」 東京新聞、「社説・意見」のページの浜矩子「時代を読む」の題「少子高齢化国の市民革命」は実に面白い。 《 筆者が行っている連続講座の一つで「日本に黄色いちゃんちゃんこ集団が出現したらどうなるか」という課題を出してみた…

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「橋本治さんを悼む」安藤礼二 東京新聞、安藤礼二「橋本治さんを悼む」が読ませる。 《 橋本治の残した業績は巨大で多様である。そのなかでも特に最後の十年、語りのさまざまな実験を繰り返しながら、ニ◯◯九年から翌年にかけて一気に刊行された 『巡礼』『…

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統計、投稿 東京新聞の記事から。 《 不景気も統計一つで好景気─。十四日の衆院予算委員会で立憲民主党会派の小川淳也氏が、統計の重要性をアピールする標語を募集した総務省の対応を 厳しく批判した。(中略)「合わぬなら作ってしまえ偽統計」など約二十の…

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チョコレート 友だちから美味しいチョコレートをいただく。お返しに友だちの好きな甲州の白ワインを贈る。 Mal Waldron『TOKYO BOUND』CD盤1990年を聴く。前世紀聴いた時にはLPレコードのほうが音質がはるかによくてCDにガッカリしたけど、今聴くとそ…

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岡崎乾二郎『抽象の力』九 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第IV部 具体の批評」の「批評を召喚する」を読んだ。 《 混乱は、主体の一貫性、連続性という人間中心主義がいまだ片付けられず、残存しているところに起こる。 》 400頁 《 徹底した…

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岡崎乾二郎『抽象の力』八 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第III部 メタボリズム - 自然弁証法」より「白井晟一という問題群1」を読んだ。 《 いうまでもないが、人間の精神が(素粒子のように)不確実性を持った物質であるという認識は、精…

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岡崎乾二郎『抽象の力』七 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第III部 メタボリズム - 自然弁証法」より「名を葬る場所」を読んだ。イサム・ノグチの仕事と思想。 《 死者はいかなる生者の秩序からも解放されている。いかなる地上のアイデンティ…

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岡崎乾二郎『抽象の力』六 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第II部 抽象の力 補論」より「先行するF」を読んだ。 つづく「戦後美術の楔石としての内間安セイ(王ヘンに星)の仕事」を読んだ。 《 すなわち水彩画の魅力とはおおよそスケッチの…

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岡崎乾二郎『抽象の力』五 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第II部 抽象の力 補論」より「守一について、いま語れることのすべて」を読んだ。熊谷守一の絵を実見した記憶は ない。仙人みたいな人、という印象だけ。ぜんぜん違うじゃん。 《 グ…

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岡崎乾二郎『抽象の力』四 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版、「第I部 抽象の力 本論」を読了。本の題名を正確に記すべきだなあ、と気づいた。すなわち 『近代芸術の解析 抽象の力』。この二本でないと見通しが悪い。最後は第二次大戦後にアメリカ…

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岡崎乾二郎『抽象の力』三 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版を少し読む。 《 一九ニ三年九月一日に首都を襲った関東大震災は物質の支配を決定的にした。震災は日本の前衛文化を完全に転換してしまったのである。すでにマルクス主義も フロイトの精…

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岡崎乾二郎『抽象の力』ニ 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版を少し読む。 《 すなわち全体を視覚的に眺めて構図を決めるよりも、いわば個々の事物が示す具体的な要請に沿って(手の感覚に従って)仕事を進めたほうが効率もよく、 最終的に整合的な…

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岡崎乾二郎『抽象の力』 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房を少し読む。 《 いずれにせよ、キュビズムの前提にあったのは、感覚与件=視覚を含めた個々の感覚器官が刻一刻と感受している情報と、対象の認識=人が対象と把握していることは まったく異なる次元…

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「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵 100」 発売中の雑誌『BRUTUS』の特集「現代美術家・会田誠の死ぬまでにこの目で見たい日本の絵 100」がじつに興味深い。『BRUTUS』一昨年6月15日号の 特集「人気画家・山口晃の死ぬまでにこの目で見…

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橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』八 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読了。「あとがきのようなおまけ」がすごい。 《 前近代の制度社会に「孤独」がないのは、この基本単位が「個なる人」ではなくて、「家」という…

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橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』七 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。 『枕草子』「第二百八十三段」の分析は、じつに鮮やかで舌を巻く。 《 「私が素敵だと思う」ではなくて、「他人が”素敵だ”と思う…

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橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。 《 『枕草子』を書いた清少納言が「時代の中に生きた美の冒険者」であるのに対して、『徒然草』を書いた兼好法師が、「時代の中に生…