田村鐵之助(閑人亭日録)

高級美術雑誌『國華』や審美書院の美術画集の木版画を手掛けた摺師田村鐵之助(1853-1925)。彼が手掛けた国宝『孔雀明王像』の複製木版画、皇室御物を見たい。 https://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/meihin/chuugoku/item08.html その制作行程が記されてい…

 『かたちは思考する』六(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「第12章 複数の時間を躍る──岩渕貞夫・八木良太・蓮沼執太『タイム・トラベル』」 を読んだ。 《 ニ◯一四年一二月ニ三日一九時三◯分~、神奈川県民ホールギャラリーにおいて、岩渕貞夫…

『かたちは思考する』五(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「第8章 普遍的生成変化の〈大地〉 ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」を 読んだ。『シネマ2*時間』とそこで取り上げられいる映画を知らない身にはただ読んだのみ。 《 …

『かたちは思考する』四(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「第6章 断層帯を貫く 『新熱海線丹那隧道工事写真帖』」を読んだ。 《 丹那トンネルは伊豆半島北部、滝知山と丹那盆地の下を貫き、東海道本線熱海駅と函南駅の間を結ぶ。全長七八◯四…

『かたちは思考する』三(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「第2章 斬首、テーブル、反光学──ピカソ《アヴィニョンの娘たち》」を読んだ。 『アヴィニョンの娘たち』、どこがいいのかわからなかったが、制作過程への見事に精緻な分析で納得でき…

『かたちは思考する』お休み(閑人亭日録)

「第1章 多重周期構造─セザンヌのクラスター・ストローク」で分析されていた『群葉の習作』(1900-1904年)を『セザンヌ』婦人画報社1996年で見る。 《 そこでは細い青と赤のタッチによって縁取られた黄と緑のタッチが、反復する色彩のパターンを構成してい…

『かたちは思考する』ニ(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「第1章 多重周期構造─セザンヌのクラスター・ストローク」を読んだ。 旧ブリヂストン美術館の『サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール』について。 《 「構築的ストローク」…

『かたちは思考する』(閑人亭日録)

平倉圭『かたちは思考する 芸術制作の分析』東京大学出版会2019年初版、「序章 布置を解(ほど)く」を読んだ。これは効く。交感そして好感。冒頭。 《 形は思考する。形には力がある。 紙の上に線を引く。線はすでに私を巻き込んでいる。感触が心を奪い、記…

六本指の天女(閑人亭日録)

午後、友だちに所望されて高級美術雑誌『國華』の古い号(明治後半)の何冊かをお見せした。『國華 第八拾五號』國華社明治二十九年刊に収録された彩色木版画 『吉祥天畫像』を見て彼女は呟いた。「指が六本ある」。あわてて確認。左掌に宝珠を載せた左手の…

『マン・レイの素描 自由な手・抄』(閑人亭日録)

本棚を何気なく眺めていると、え、こんな本あったのか、ラッキーと思う本がある。小体な一冊、『マン・レイの素描 自由な手・抄 ポール・エリュアールの挿詩』 瀧口修造訳ジイキュウ出版社、限定500部の105番1973年。15x13センチほどの簡潔な造本だが、瀟洒…

「加藤郁乎」(閑人亭日録)

「加藤郁乎(鑑賞=須永朝彦)」(『鑑賞現代俳句全集 第十巻』立風書房1981年初版、所収)を読む。久しぶりの再読。以前は気づかなかった視点に興趣を覚える。 《 さるにても、種々の方法論に立脚する『球体感覚』の諸句が、論理の桎梏を脱れて端正な「なつ…

『夢二の恋文』(閑人亭日録)

近藤富枝・監修『夢二の恋文』新風舎文庫2007年初版を開く。一言半句に気の利いたものがある。「第三章 恋の哲学」から。 《 今一歩といふ所で拒まれた。と彼は、私に話したが、私の見る所では、彼は第一歩において既に拒まれてゐたのだ。 》 95頁 《 彼女の…

「河東碧梧桐」(閑人亭日録)

加藤郁乎「河東碧梧桐」(『鑑賞現代俳句全集 第一巻』立風書房1981年初版収録)を読む。 《 世には碧梧桐ひいき、虚子嫌いの多いのも事実だが、「虚子は俳諧師四分七厘、商売人五分三厘」ばかりでは一向埒のあかぬ片贔屓片手落ち、それこそ「埒の外の人顔 …

河東碧梧桐の俳句(閑人亭日録)

27日の東京新聞「読む人」欄の石川九楊『河東碧梧桐 表現の永続革命』文芸春秋への関悦史の書評を読んで、加藤郁乎「河東碧梧桐」(『鑑賞現代俳句全集 第一巻』 立風書房1981年初版収録)を開く。 河東碧梧桐の俳句は読んだことがなかった。『現代俳句の世…

『空間へ』十(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を読む。 《 とすれば、この建物のなかにいわゆる建物という枠をふみきっていく、ひとつの手がかりのようなものをどれだけ仕込むことができただろうかというのが、 建物が完成した現在、問われるべきであ…

『空間へ』九(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読む(時間がなかった)。 《 混沌とか不確定な事件の連鎖などと称したものを、情念といいかえてもいいではないか。情念が都市空間を埋めつくしていく情況は、文化大革命、ヒッピー、 キャンパス占…

『空間へ』八(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。以下気になった箇所を少し。 《 空間はぼくらの外部にたしかに他者として存在するけれど、建築空間は外存するのではなく、ぼくらに知覚された全身体的な体験であり、意識の内部に仮象と…

『空間へ』七(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)、「座標と薄明と幻覚」を読む。 《 近代の建築家たちは、この一◯◯年間にわたって、ヨーロッパの都市改造案として、ひたすら緑を都市にもちこむことだけに莫大なエネルギーをついやしたとみても いい。 》…

『空間へ』六(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。以下気になった箇所を少し。 《 私にとって興味ある問題は、イオニアの諸都市の計画からひろがった、碁盤目状のヒッポダモス式とよばれる町割りのパターンを彼らはなぜ強力に推進したか…

『空間へ』お休み(閑人亭日録)

某トラブルの対策に朝から外出。一段落した夕方帰宅。ふう~。夕飯はスーパーの寿司で間に合わす。磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)はお休み。 ネット、うろうろ。 《 量子超越というのはなかなかのパワーワードだなあ。しかしこのままい…

『空間へ』五(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。以下気になった箇所を少し。 《 ポップ・アートと呼ばれる一種のアーティスト達の仕事がまったくアメリカ的な状況からうまれはじめていることもうなずけなくはない。彼らにとって重要な…

『空間へ』四/小泉喜美子(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。以下気になった箇所を少し。《 空間は物理的形態ではなく、それが人間の行為と関係したときにはじめて存在するという認識は、必然的にフィジカル・パターンとアクティヴィティ・パター…

『空間へ』三/つりたくにこ(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。以下気になった箇所を。 《 広告的建築である場合、かえってディテールの実験は大胆にできる。ディテール的、あるいはアクロバティックな形態も充分に広告的効果をあげうるからだが、 …

『空間へ』ニ(閑人亭日録)

磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を少し読み進める。 《 私たちには固定化し動かし難い空間は必要がない。《うごき》《かさなりあい》《からみあい》《のび》ていくような空間こそが、求められるべきである。 》 「現代都市における空間の…

『空間へ』(閑人亭日録)

一昨日、東京の林立する超高層建築群を見上げて違和感を覚えた。磯崎新『空間へ』美術出版社1979年8版(1971年初版)を開く。冒頭から惹き込まれる。 《 都市破壊業 あなたはこの奇妙なビジネスを笑ってはいけない。この会社は大真面目で存在している。この…

『昭和批評大系 5 昭和40年代』(閑人亭日録)

先だってバカ安で入手した『昭和批評大系 5 昭和40年代』番町書房1978年初版函帯付の月報、磯田光一「昭和四十年代私観」で正鵠を射ていると感じた箇所。 《 前置きが長くなったが、こういう視角から昭和四十年代をふりかえるならば、一九六十年代に準備さ…

『エトセトラ』ニ(閑人亭日録)

加藤郁乎『エトセトラ』薔薇十字社1973年初版、3章を再読。第3章の緒言と冒頭その他。 《 笑いは涙よりもさらに神々しい、 その上、さらに掴まえにくい。 バタイユ 》 《 電話が鳴っていた。もしもし、そうです、違います、を繰り返すのはやりきれないが、…

『エトセトラ』(閑人亭日録)

加藤郁乎『エトセトラ』薔薇十字社1973年初版、全3章のうち1章、2章を再読。第1章の緒言と冒頭その他。 《 あらゆる日々のなかで最も無駄になった日は、 われわれが笑うことのなかった日である。 シャンフォール 》 《 現実に先立ってゆく思い出のなかを…

台風の影響(閑人亭日録)

三島駅南口、三島市立公園楽寿園小浜池の水位。 10日 15センチ 11日 13センチ 12日 38センチ 13日 62センチ 14日 55センチ http://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/kohamaike_current.html 台風の大雨の影響かな。でも、こんなに…

台風その後(閑人亭日録)

戦前の外国人の歌を聴いていてふと思い出し、歌手のKAZAMIをネット検索。十年以上前に引退しているようだ。ブックオフ三島徳倉店の店内放送で耳にして、 ドッキン。KAZAMIという歌手の『Only truth~夢じゃないキス』と知り、CDを購入。どうい…