『十二支考 2』七(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「猴に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 世にまるの嘘はないもので、加藤咄堂君の『日本風俗志』中巻に、『伊豆日記』を引いていわく、八丈の島人女を恋うても物書かねば文贈らず、小さく作った草履を …

『十二支考 2』六(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「羊に関する民俗と伝説」を読んだ。《 近ごろ、何とかいう外人が、海を羊と言うたり水盛んなる貌を洋々と言うたりする洋の字は、件(くだん)の理由で羊と水の二字より合成さる、と釈(と)いたは もっと…

『十二支考 2』五(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を読了。《 さしも仙薬や宝玉同然に尊ばれたものも、一朝時世の変で糞土よりも値が下がること、かくのごときものあった。 》 126頁《 全体光線や音響と異なり、香と味は数で精測…

『十二支考 2』四(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 ミッチェル教授説に、馬や驢や花驢(しまうま)は十五ないし三十歳生活するが、往々五十に達する確かな例あるがごとし、と。スコッファーン説に、スコットラン…

『十二支考 2』三(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 それから英国の田舎で、たとえば錦城館のお富が南方君を呼ぶ時、わがヒンキーと言う。〔中略〕蜂蜜(ハニー)より転訛したのだ。 》 58頁《 すなわち馬と驢が、…

『十二支考 2』二(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。23頁に”瘧”なる漢字、字典によると”おこり”。31頁”親り”には”まのあた”りとルビ。こんな読み方、あるのか。《 屁が済んだから、今度は馬の糞の話としょう。養成金…

 南方熊楠『十二支考 2』(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 熊楠惟うに、ルーマニア人も支那人と同じく、蜻蜒〔とんぼ〕の形を竜に似たものと見しより右様の咄もできたので、林子平が日本橋下の水が英海峡の水と通うと 言…

『十二支考 1』六(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「蛇に関する民俗と伝説」後半を読んだ。《 途上美しき処女が路を失うて哭(なげ)くに遭い、自分の馬に同乗させてその示す方へ送り往くうち、象牙の英語で相惚(アイボレー)と来た。女言う、妾(わたし…

『十二支考 1』五(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「蛇に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 蛇の特質は述べ尽されぬほどあるだろうから、思い出すままに少々書いてみる。 》 243頁《 と、しかるに、蝮は逃ぐること遅いから英国の労働者などこれを聾と見…

『十二支考 1』四(閑人亭日録) 南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「田原藤太竜宮入りの譚」後半を読んだ。昨日話題のワニ(鰐)だが、188頁にルビ。遅い。《 それに竜となると、角があったり火を吐いたり、異類異様に振る舞うから、その…

『十二支考 1』三(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「田原藤太竜宮入りの譚」前半を読んだ。これまた博覧強記にして縦横無尽の筆勢に息継ぐ暇もない。テンコ盛りに いささか辟易。また難読漢字が多出。162頁一行目、魚編にエに横棒(─)を通してロを四つ合…

「壁を越える〜パレスチナ・ガザの画家と上條陽子の挑戦〜」(閑人亭日録)

NHK Eテレ 日曜美術館「壁を越える〜パレスチナ・ガザの画家と上條陽子の挑戦〜」を視聴。 https://www.nhk.jp/p/nichibi/ts/3PGYQN55NP/episode/te/Q28X3KL4PR/《 84歳、パレスチナへの思いを胸に描き続ける画家上條陽子。死の絵から生きる絵の世界へ…

『十二支考 1』二(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「兎に関する民俗と伝説」を読んだ。《 囲中また徒士立ちて大いなる棒また犬また銃を用いて兎の逃げるを防いだ、とあって、兎狩も大分面白いものらしいが、熊楠はかような人騒がせな殺生よりは、やはり 些…

『十二支考 1』(閑人亭日録)

南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版を少し読む。購入して半世紀。やっと読む時が満ちた。最初の「虎に関する史話と伝説、民族」から博覧強記、 縦横無尽、四通八達の面白さのてんこ盛り。《 ウッドの『博物画譜(イラストレーテッド・ナチュラ…

ワクチン接種(閑人亭日録)

昼過ぎ、近くの小学校まで歩いて行き、コロナワクチンの第一回目の接種を受ける。久し振りの注射。痛くない。大事をとって大人しく過ごす(昼寝)。 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、メモ。《 中島は、錯雑たる「地籟」(大地の音)へ…

『圓山派畫集』(閑人亭日録)

昨晩は女性二人を交えて編輯兼発行者田島志一『圓山派畫集 上巻』審美書院明治40年10月15日刊と著作兼発行者村山旬吾『圓山四條画鑒』國華社明治44年11月1日刊を 並べて鑑賞。前者は圓山応挙の絵38点(内多色摺木版画11点)で占められている。下巻は蘆雪 源…

『意味がない無意味』再読・六(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を再読終了。「マラブーによるヘーゲルの整形手術──デリダ以後の問題圏へ」がじつにスリリング。 再びしっかり読み返したくなった。安易な引用をさせない力圏。 夕方古い知人が来訪。國華社、審美書院の…

『意味がない無意味』再読・五(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。ボーッとしてるんじゃねえよ! と叱咤激励された気分になったのが、「言語、形態──松浦寿輝 『明治の表象空間』」。《 こうした『国体の本義』、『教育勅語』への批判は、しかしながら、内容…

『意味がない無意味』再読・四(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。 20日に記した坂部隆芳さんに投函した葉書の二行が、『意味がない無意味』に関わってくると次第に思えてくる。《 前人未到の域を感じました。 現実を突き破る意気にたじろぎました。 》 葉…

『意味がない無意味』再読・三(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。「思弁的実在論と無解釈的なもの」に至って瞠目。あるいは蒙を啓かれる。なぜ再読したのかが 腑に落ちた。《 本稿では、思弁的実在論をSR、新しい唯物論をNMと略記することにしよう。 》…

『意味がない無意味』再読・二(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。《 世界は、たんにそうであるだけの、それ以上でもそれ以下でもない儀礼の体系として織りなされていると考えるのである。それは人間とは無関係な礼、非人間的な礼で ある。たんなる枠である…

『意味がない無意味』再読(閑人亭日録)

昨日話題の銅版画、松井正之『眠り』について”思いがけずに出来たようだ”と書いたが、夜半眠りからちょっと醒めた時、無意味~無意識の言葉が浮かび、連想が繋がり、 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。その前に付箋を外す。《…

『眠り』(閑人亭日録)

二日続けて作業をしたので、予想通りきょうは本を読む気力が出ない。軽く掃除機をかけてあとはグダグダ。心地よい午睡を愉しむ。用事をすませ、戸棚から静岡の画家の 1993年作の白黒銅版画(14X24cm)を取り出す。当時名前も知らなかったが、気に入って新作…

『戦後短篇小説再発見2 性の根源へ』続(閑人亭日録)

講談社文芸文庫 編『戦後短篇小説再発見2 性の根源へ』講談社文芸文庫2001年3刷、全11篇の後半を読んだ。読了。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000168868 「性の根源へ」かなあ。性の諸相といった読後感。富岡多恵子『遠い空』が最も印象…

『戦後短篇小説再発見2 性の根源へ』(閑人亭日録)

講談社文芸文庫 編『戦後短篇小説再発見2 性の根源へ』講談社文芸文庫2001年3刷、全11篇の前半を読んだ。(読むのが遅い)。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000168868 昼前、源兵衛川中流部、源兵衛橋と下源兵衛橋の間の茶碗のカケラ、ガ…

温故知新(閑人亭日録)

小体な白い本で思い出した。加藤郁乎『微句抄』南柯書局1974年だ。新書判ほどの堅表紙の薄い本。近所の年上の知人に貸したが、急死。四十九日が過ぎ借用書を見せたが、 未亡人は大量の蔵書を古本屋に渡していた。戻ってこなかった六冊のうちの一冊。古本屋の…

『韻──本の故郷──』(閑人亭日録)

先だって届いた古本、初谷行雄編『韻──本の故郷──』韻文社1984年10月15日第一刷刊行を手にする。定価4500円。凝った本のようで安かったので買ってみた。 送料込みで1210円。装丁も製本も凝っている。表紙:菊判紋柄織布装。本文紙:NKマットカラー。本文の…

小体な本(閑人亭日録)

小体(こてい)という言葉を中井英夫の本で知った(と記憶)。住居や生活がつつましく、質素なさま、といった意味。小体な本は中井英夫では思いつかない。 本棚を渉猟。手にしたのは瀧口修造『画家の沈黙の部分』みすず書房1969年10月30日初版。 https://www…

堅表紙の小型本(閑人亭日録)

堅表紙(ハードカバー)の小型本が好き。中学生のとき、古本屋で文庫本と同サイズの裸本の堅表紙本に出合った。『日本探偵小説全集 短篇集 水谷準・大坪砂男』 春陽堂書店昭和29年7月25日発行、312頁。臙脂色の丸背本栞紐付、160円。一目惚れ。安かったので…

『薔薇の小部屋』(閑人亭日録)

内藤ルネ『幻想西洋人形館』サンリオ出版1974年10月25日初版が引いたのだろう、内藤ルネ企画の雑誌『薔薇の小部屋』創刊号第二書房1978年6月1日発行を当時購入。 「特集・なつかしの少女雑誌」には興味を惹かれず、「ルネの薔薇色博物館」の写真に惹き込まれ…