『ユリシーズ』十三(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ II 』集英社1996年初版(元版は1922年刊行)、「第ニ部(続) 14 太陽神の牛」を読んだ。《 (前略)一座の徒輩(ともがら)みな冗談(むだくち)に耽り、浮かれ騒ぎてありし当下(そのとき)、(引用者・略)何の故ぞと…

『ユリシーズ』十ニ(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ II 』集英社1996年初版(元版は1922年刊行)、「第ニ部(続) 14 太陽神の牛」を少し読んだ。前解説から。《 この挿話の場合はとりわけ、書き方が重要である。ここは、(1)古代英語からマロリー『アーサー王の死』、デ…

『ユリシーズ』十一(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ II 』集英社1996年初版(元版は1922年刊行)、「第ニ部(続) 13 ナウシカア」を読んだ。これまでで一番読みやすかった。 知らない言葉、299頁1199行、白帯下(しらち)。広辞苑には「白帯下(はくたいげ)の異称。」。…

『ユリシーズ』十(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ II 』集英社1996年初版(元版は1922年刊行)、「第ニ部(続) 12 キュクロプス」を読んだ。呑んべえ酒場の呑んべえ。《 ──おめえ、がちがちの禁酒主義かね? とジョーは言う。 ──飲むときから飲むときまでは、一滴もやら…

『ユリシーズ』九(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ II 』集英社1996年初版(元版は1922年刊行)、「第ニ部(続) 11 セイレン」を読んだ。言葉の連想、連弾、飛躍。翻訳で 味わえぬ和訳。 昼前、源兵衛川中流部、三石神社横の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなり終了…

『ユリシーズ』八(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 10 さまよう岩々」を読んだ。《 あの女、腹帯の下にデアラハントのポートワインをたっぷり詰めこんだからな。おんぼろ馬車ががたつくたびにゆさゆさぶつかってくる。…

『ユリシーズ』七(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 9 スキュレとカリュブディス」を読んだ。シェイクスピアについての 談論風発が面白い。が、内容はわからん。《 あらゆる人生は多くの日々です。明けては暮れる毎日で…

『ユリシーズ』六(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 8 ライストリュゴネス族 」を読んだ。 ネット、うろうろ。《 A:国によって様々です。カオナシの登場で「シーン」となる国もあれば、爆笑に包まれる国もありました。宮…

『ユリシーズ』五(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 7 アイオロス 」を読んだ。 寝る子は育つというが、よく寝る老人はどうなんだろう。起きない老人って、そりゃ寝たきり老人だろう。目覚ましをかけなかったので十一時…

『ユリシーズ』四(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 6 ハデス 」を読んだ。255頁651行に”影法師”。 本屋で『ヴァージニア・ステレット』マール社2021年11月20日初版を受けとる。 https://www.maar.com/shop/art/art-art/…

『ユリシーズ』三(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第ニ部 4 カリュプソ 」「ニ部 5 食蓮人たち 」を読んだ。 午前十時半前、小雪が降り始める。夕暮れには雨に。 ネット、うろうろ。《 単線と富士山がいい感じだから見て。 …

『ユリシーズ』ニ(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第一部 2 ネストル」本文だけを読むと地味な小説だが、下の注釈を読むとまあ、 複雑な、万華鏡のような変転変貌。「第一部 3 プロテウス」を読んだ。目眩く変幻……。《 どこ…

『ユリシーズ』(閑人亭日録)

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I 』集英社1996年2刷(元版は1922年刊行)、「第一部 1 テレマコス」を読んだ。 午後、源兵衛川中流部、三石神社脇の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。小さいモノばかりなので重くなるまでに去年より時間がかかる。重くなっ…

『ドガ ダンス デッサン』五(閑人亭日録)

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を読んだ。《これこそが重要な点である。官能の楽しみが、消滅しつつある。もはや愉しむ術を人びとは知らないのだ。われわれが求めているのは強度、巨大さ、速度、中枢神経に 最短距離…

『ドガ ダンス デッサン』四(閑人亭日録)

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を少し読んだ。《 彼はまた、こうも言っていた。「絵画は、何も知らないうちは、それほど難しいものではない……。けれどもいったん知ってしまうと……ああ、その時は……まったく 別物にな…

『ドガ ダンス デッサン』三(閑人亭日録)

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を少し読んだ。《 結局、人びとの心のなかで、〈裸体〉には二つの意義しか認められていなかった。それはある時は〈美〉の象徴であり、ある時は〈猥雑〉の象徴なのだ。 しかし、人物画…

『ドガ ダンス デッサン』二(閑人亭日録)

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を少し読んだ。《 芸術家の仕事とは実に古風な型の仕事だ、と時おり思うことがある。(引用者・略)おそらく、そのような事態は変わりつつあり、やがて私たちは、こうした間に合せの …

『ドガ ダンス デッサン』(閑人亭日録)

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』岩波文庫2021年11月12日初版を少し読んだ。原著は1936年刊。目の醒めるような文章。《 思うに、ある人物の生涯とは、次々に起こる偶然と、そうした任意の出来事に対する多少なりとも正確な応答の連続にすぎないの…

楽観あるいは成り行き任せ(閑人亭日録)

細々としたお掃除をして日が暮れる。ふう。今年を振り返れば、いつからだったか忘れたが、酒類を飲まなくなった。必要を感じなくなった。そして老いを実感。 運動能力、持続力、回復力が減退。これは大きい。自転車に乗るにも一層の注意が必要。ま、老いを愉…

『〈問い〉から始めるアート思考』補遺(閑人亭日録)

吉井仁実(ひろみ)『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書2021年12月30日初版、「第二章 「現代アート」の終焉」で引用を見送っていた箇所。《 私は今、デジタルアートを含むテクノロジーアートやサイエンスアートに触れる機会が多くなっているのです…

『〈問い〉から始めるアート思考』三(閑人亭日録)

吉井仁実『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書2021年12月30日初版、「第五章 芸術祭とは何か」を読んだ。《 芸術祭は、アート作品をローカルコミュニティにうまくフィットさせることで、新たなアートの鑑賞の仕方を提案しました。それが多くの鑑賞者…

『〈問い〉から始めるアート思考』二(閑人亭日録)

吉井仁実『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書2021年12月30日初版、「第一章 アートは未来を提示する」を読んだ。実に有益な章だ。《 アーティストたちは、その時代や社会の中で、見たくても見えないものを描き出してきたと言えると私は思っています…

『〈問い〉から始めるアート思考』(閑人亭日録)

吉井仁実『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書2021年12月30日初版、「まえがき」を読んだ。《 だから「アート思考」を私なりに解釈すると、次のようになります。 》 3頁《 現代の社会に対して「問い」を投げかけること、それが「アート思考」であると…

年賀状の宛名を書く(閑人亭日録)

年賀状の宛名書きをする。六十通用意したが、一通不足。 年末のせいなのか、回想モードに。 中村雅俊『ふれあい(昭和49年)』 https://www.youtube.com/watch?v=KW6NMFrYrAs みなみらんぼう『 途上にて』 https://www.youtube.com/watch?v=SUXijmzGFiA 故松田…

近くの本屋まで(閑人亭日録)

近くの本屋まで歩いて行く。注文した二冊、奥野克巳・清水高志『今日のアニミズム』以文社2021年初版、ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス レッスン』岩波文庫2021年 初版を受けとり、もう一冊、目についた吉井仁実『〈問い〉から始めるアート思考』光文社新書…

『第七 折々のうた』(閑人亭日録)

大岡信『折々のうた』は、全十巻と大岡信 編『折々のうた 総索引』岩波新書1992年初版を所持。後の『新折々のうた』は未所持。《 岩波新書で『折々のうた』全10巻、『新折々のうた』全9巻が刊行された(『折々』、『新折々』シリーズ総索引も各・出版)。 》…

目覚めに浮かぶ(閑人亭日録)

朝目覚めるときにふっと浮かんだこと。ピカソの絵画『ゲルニカ』1937年。この絵については平倉圭『かたちは思考する』東京大学出版会2019年の108-109頁でちょっと 触れていたが、それが浮かんだ。続いて北一明『ある伝統美への反逆』三一書房1982年初版の140…

『大岡信  架橋する詩人』四(閑人亭日録)

大井浩一『大岡信 架橋する詩人』岩波新書2021年初版、「第5章 詞華集の富と焦燥」を読んだ。《 大岡が批判したものとは、かみ砕いていえば断片化され、デジタル化された知であり感覚だろう。それは文脈という意味の連なりを軽視する思想ゆえに難解であり、…

『大岡信  架橋する詩人』三(閑人亭日録)

大井浩一『大岡信 架橋する詩人』岩波新書2021年初版、「第4章 「唱和」のよろこび」を読んだ。副題が「『紀貫之』『うたげと孤心』『春 少女に』」。 三作とも未読。連句、連詩について主に論じられている。縁遠い分野。それはそれとして注目するいくつか…

『大岡信  架橋する詩人』二(閑人亭日録)

大井浩一『大岡信 架橋する詩人』岩波新書2021年初版、「第2章 越境、また越境」を読んだ。《 例えば八五年刊行の『抽象絵画への招待』で二○世紀美術を概観して、彼は書いている。(引用者・略) …要は絵画もまた世界認識の重要な手段であるという思想が、…