昨日の日録、『美術聚英』第十册収録の尾形光琳『四季花木圖屏風』。内野まゆみさんが昨秋から制作している、三センチ四方の木片上面に色を塗り、柄を描いた上に私が源兵衛川で拾ってきた茶碗のカケラを接着し、裏面に磁石を接着させたメモ用紙留めは、すでに五百個を超えたが、私がもらった数個のうちの一つは、黒地に金で半月が描かれている。それから尾形光琳『四季花木圖屏風』へ連想が働いた。この多色摺り木版画をあらためて見て気づいたのだが、こちらは金地に黒い半月。色が逆。さらに、まっすぐに立つ老木の苔の生えた幹に、四日に見た、庄司美術館での坂部隆芳さんの老樹の絵を連想。その絵については、五日の日録に感想をあげている。
《 坂部隆芳『神の国』庄司美術館を観て
越沼正
どの絵も静謐でさり気なく、深遠と深淵を見せている。
坂部さん独自の表現世界だ。一通り拝見して備え付けの椅子に座り、
ふっと見わたすと、左に襖絵を模した二枚の大作。右に一曲の屏風を
模した大作。どちらも日本絵画の伝統を刷新する気が生動し、
流石(さすが)と納得。そしてその間に小さな(といっても、たて80センチ
よこ40センチほど)絵。歳月を重ねた樹の幹だけが描かれた絵。この小さな
(?)絵に感嘆。これは桁違いに素晴らしい。両翼の大作を従えている。
いや、扇の要のような位置を占めている。左右の大作は見事だ。が、
その間の小さな樹幹の絵は、坂部さんの画業の転換点であり、
さらなる高みを予感させる。また、絵画の歴史の隘路を抜け出した絵、
絵画の未来をも予感させる絵、と直観した。
かすかなひねりを感じさせる樹幹からは、遠く『ミロのヴィーナス』像の
こだまを感じる。
なによりも、完成一歩手前で絵筆を置いた手際に感服する。
その消え入りそうな余白に、私たち見る者は、ふっと肩の力を抜いて
惹き込まれる。長い絵画制作で培われた無意識の美意識が
作者の意図を超えて降臨し、そして絵筆を置いた・・・
ように思われる。さり気なく深い表現世界。傑作だろう。
久しぶりに物欲が湧いた。が、私には手にすることさえ憚(はばか)れる。
私のような一般人が所有するようなものでは決してない。 》
「まっすぐ」と「かすかなひねり」。優れた作品は時空を超えて呼び交わす。『美術聚英』を持って行って見較べてみたい。
田島志一編輯『光琳派畫集』審美書院全五册の尾形光琳を収めた第一册、第二册を調べたが、『四季花木圖屏風』は未収録。それで『美術聚英』に載せたのだろう。
『美術聚英』第十册を出版して突如、田島志一は審美書院を去った。理由は詳らかではないが、美術本の事業はやり尽くした、と思ったのだろう。
なお、「聚英」は「しゅうえい」と読むと思う。聚(しゅう、じゅ)の意味は集める。英(えい)の意味はひいでる、すぐれる。
ネット、うろうろ。
《 「人生観が変わった」太宰治がアメリカで人気...TikTokで知った若者が『人間失格』に夢中/青葉やまと 》 Newsweek
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/tiktok-42.php
《 もちろん接客は大変なことだ。嫌なことがいろいろある。だからタッチパネルとロボットが接客業を代理した。しかし残された人間はひたすら食べ残しを拭き続け、トイレ掃除に消えた。この光景は完全になにかがおかしかった。 》 山内朋樹 Tomoki YAMAUCHI
https://twitter.com/yamauchitomoki/status/1639287495111081986
《 「いきなり更迭というのは論理に飛躍」と岸田氏。しかしどれだけこの件で高市氏のウソが暴かれたかを考えれば「いきなり」ではない。もう罷免の頃合いだろうに。⇒ 立民 高市大臣の罷免を要求 岸田首相は拒否 “論理が飛躍” | NHK 》 鈴木 耕
https://twitter.com/kou_1970/status/1639190735831588864
《 「国民をなめきっている」日本の国会議員 虚偽答弁の重さ、元首相が失職するかもしれない英国と比べてみた 》 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/240034
《 かくまでも 小狡き「知者」を ひり出しし 醜き戦後 ただにうとまし 》 赤城毅/大木毅
https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1639286680287866884
『 SARA CORREIA 』(閑人亭日録)
ポルトガルの歌謡ファドの女王アマリア・ロドリゲス(1920-1999)亡き後、唯一よく聴いたファドはPATRICIA RODRIGUES(パトリシア・ロドリゲス)『Ternua』2005年。
https://www.youtube.com/watch?v=ixr192d_ZPU
久しぶりにファドのCDを買った。若手ファド歌手SARA CORREIA(サラ・コレイア)のCD『SARA CORREIA』2018年。
https://www.youtube.com/watch?v=wEjDiqBe0d4
尾形光琳『四季花木圖屏風』一双を、田島志一編輯『美術聚英』第十册、審美書院、明治四十四年十月十二日発行を開いて見る。左端の部分が四角くトリミングされた多色摺木版画。金地にすっと立つ老木の樹幹(『紅白梅図屏風』の左右の老木の幹に似ている)と若木が垂直に描かれ、右手に上弦の黒い月。右下に赤い花。前二頁には左右の白黒写真。「金地著色、各縦三尺九寸五分、横九尺四寸 近江大津 村田利兵衛君蔵」とあるが、ネット検索では見つからない。解説。
《 草木花葉の美を象徴の中に収めて、虚實の間に理想を理想を遊ばしめたる者、光琳を措いて何處にその第一手を求むべけむや、殊に本圖の如きは、象徴美の極端に於いて最もその長を見るべき名蹟なりとす。 》
海外に流出したのだろうか。
昼前、源兵衛川中流、下源兵橋上流の茶碗のカケラ、ガラス片などを拾う。桜の花びらが流れていく。晴天に恵まれた久しぶりの作業は軽く済ませる。帰宅。軽く汗。
ネット、うろうろ。
《 欧州方面在住民ツイッターランドの傾向
ドイツ:常に大荒れ
イギリス:食への渇望
フランス:愚痴
スペイン:飯
イタリア:美意識高め
オランダ:キラキラと達観の仁義なき戦い
フィンランド:キラキラと達観の仁義なき戦い
中欧:和気あいあい
バルカン:過疎
トルコ:常に大荒れ
旧ソ連圏:達観 》 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人
https://twitter.com/nobuyo5696/status/1638831773986754561
《 2023年3月23日 参議院・予算委員会
れいわ新選組・山本太郎議員
「どの区域や施設を米軍が使用するかは
日米合同委員会で決めようねってことになってるんですけど、日本には断る権利ごさいません。不透明、ブラックボックス、 憲法より上の存在、『日米合同委員会』でございます。」 》 MMT太郎🐶消費税は預かり税ではありません…
https://twitter.com/MMT20191/status/1638848635017498624
《 ステルスオミクロン(見えないオミクロン):
ウイルスのN遺伝子内の代表的なプライマー・プローブのセットを用いたPCR検査で検出できないオミクロン変異株を見つけました。1例でしたが報告の価値があると考え、英文論文にまとめ投稿し査読をうけ、学術誌に掲載されました😊解説をスレッドにつなげます。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1638984365693874177
《 虚構ニュース?
そうでなければ、岸田、速攻で辞めろ。普通に頭オカシイだろ。そしてそんな奴に国を任せるな。。。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1638806614877814784
《 他の東アジアの国がデカしゃもじ持っていったら、絶対ネットミームになるくらい笑いものにするのでは? 》 近藤史恵
https://twitter.com/kondofumie/status/1638898981005840389
『時間は存在しない』再読・六(閑人亭日録)
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を再読。以下、覚え書き。
《 記憶と呼ばれるこの広がりとわたしたちの連続的な予測の過程が組み合わさったとき、わたしたちは時間を時間と感じ、自分を自分だと感じる。 》 184-185頁
《 自分たちが属する物理系にとって、その系がこの世界の残りの部分と相互作用する仕方が独特であるために、また、それによって痕跡が残るおかげで、さらには物理的な実在としてのわたしたちが記憶と予想からなっているからこそ、わたしたちの目の前に時間の展望が開ける。 》 185頁
《 時間の概念を巡る議論が往々にして混乱するのは、この概念の複雑で重層的な側面に気づいていないからだ。多様な層がそれぞれ独立であることを理解していないところに間違いがある。 》 194頁
《 いずれにしてもほんとうに信用できるのは、この世界の時間構造がわたしたちの素朴なイメージとは異なるということだ。 》 195頁
《 物理学は、幾重にも連なる謎の層を突き抜けようとするわたしたちに力を貸す。そして世界の時間構造がいかに自分たちの直感と異なるかを示す。そのうえで、自分たちの感情が引き起こす霧に惑わされずに時間の本質を研究することができる、という希望を与えてくれる。 》 196頁
《 この世界そのものと自分たちがそこに見ているものとのほんとうの関係は、じつはほとんどわかっていない。自分たちに見えているのがほんのわずかであることはわかっている。かろうじて、物体が発する電磁波の広範なスペクトルのなかのたった一つのちっぽけな窓を覗くくらいで、物質の原子の構造も、空間が曲がっている様子も見えない。わたしたちは矛盾のない世界を見ているが、それは自分たちと宇宙との相互作用を基に推定したものであって、わたしたちの途方もなく愚かな脳にも処理できるように、適度に単純化した言葉でまとめられたものなのだ。 》 204頁
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』、再読終了。かなりわかってきた気がする。少し落ち着いた気分。
ネット、うろうろ。
《 【徹底議論】「戦争回避」のためのリアル 第3回 米中戦争を避ける、立憲デモクラシーの自己決定力
柳澤協二元内閣官房副長官補(安全保障担当)×石田淳東京大学教授(国際政治学) 》 市民連合 https://shiminrengo.com/archives/6499
《 日本ペンクラブ会長・桐野夏生さんの端的な声明。
「(放送法は)放送の自由・自律を守るためにつくられたのであり、番組の公平性は放送局自身が自主的に判断することを定めています。政治家や政府が放送の中身に口を出すこと自体、法解釈上間違っているのです」 》 武田砂鉄
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1638349694161285120
《 こうして外国におカネが流れて、福祉や文教の予算がドンドンなくなっている。それなのにマスコミはあたかも総理大臣が立派な仕事をやっているかのように報道する。権力の監視が権力の道具になっているからどうしようもない。 》 まりなちゃん
https://twitter.com/t2PrW6hArJWQR5S/status/1638403263312838661
《 #国会中継
高市「文書が捏造ではなかったからと言って私に辞職を迫るのは筋違いではないか」
🙁いやいや、おまえが言い出したんだろよ、それ。 》 🏕インドア派キャンパー 📣ⒻⒸⓀⓁⒹⓅ🔥
https://twitter.com/I_hate_camp/status/1638399615727960064
《 これが高市早苗が終了した瞬間と言っても過言ではあるまい。
『質問するな』発言に対し、自民党の議員から苦言を呈され、委員長からもきっちりと説教を受けてしまった高市早苗である。
それにしても参院予算委員会を取り仕切る末松委員長だ!
自民党にもこれほど見識ある政治家がいたとは驚きである。 》 白坂和哉|ジャーナリスト&政治系ユーチューバー ”突き刺さる” 政治情報を提供します!
https://twitter.com/shirasaka_k/status/1638074845417320454
《 これを先進国という。 》 清水 潔
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1638764983201964034
『時間は存在しない』再読・五(閑人亭日録)
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を少し再読。以下、覚え書き。
《 過去の痕跡があるのに未来の痕跡が存在しないのは、ひとえに過去のエントロピーが低かったからだ。ほかに理由はない。なぜなら過去と未来の差を生み出すものは、かつてエントロピーが低かったという事実以外にないからだ。
痕跡を残すには、何かが止まる、つまり動くのをやめる必要がある。ところがこれは非可逆な過程で、エネルギーが熱へと変化するときに限って起きる。 》 163頁
《 過去の痕跡が豊富だからこそ、「過去は定まっている」というお馴染みの感覚が生じる。未来に関しては、そのような痕跡がいっさいないので、「未来は定まっていない」と感じる。 》 164頁
《 わたしたちの脳には自分では直接意識し得ない膨大なメカニズムがあるが(引用者・略)、それらのメカニズムは、進化の過程で未来の可能性を計算できるように設計されてきた。それが、わたしたちのいう「意思決定」なのだ。 》 164頁
《 熱平衡の状態にある純粋に力学的な系では、因果によって識別される時間の方向は存在しないのだ。
基礎物理学の法則では、「原因」を語ることなく規則性のみを語り、過去と未来に関して対称である。 》 165頁
《 過去にエントロピーが低いという事実があればこそ、原因という概念が有効になる。
そうはいっても、記憶や因果、流れや「定まった過去と不確かな未来」といったものは、ある統計的な事実、すなわち、宇宙の過去の状態としてありそうにないものがあるという事実がもたらす結果にわたしたちが与えた名前でしかない。 》 165-166頁
《 わたしたちは、自分と似た人々と相互作用することによって、「人間」という概念を形作ってきた。
思うに、己という観念はそこから生まれたのであって、内省から生まれたわけではない。「人」としての自分を考えるとき、わたしたちは仲間に当てはめるために自ら開発した精神的な回路を自分自身に適用しているのだ。 》 172頁
《 わたしたちにとっての自分は、大部分が友達や愛する人や敵によって映し出された自分、映し出される自分なのである。 》 172-173頁
《 わたしたちの現在は、過去の痕跡であふれかえっている。わたしたちは自分自身の歴史、物語なのだ。 》 174頁
《 時間のあちこちに散らばる過程を糊づけし、わたしたちを形作っているのは記憶だ。その意味で、わたしたちは時間のなかに存在する。だからこそ、わたしは昨日のわたしと同じなのだ。 》 175頁
ネット、うろうろ。
《 【本日発売】『少女小説を知るための100冊』(星海社新書)が書店に並び始めました!電子書籍も発売中です。『流血女神伝』の須賀しのぶさんと『本好きの下剋上』の香月美夜さん推薦帯つきの書影、あわせて作品リストも公開します。ジセダイでは試し読みも公開中です。
https://ji-sedai.jp/book/publication/2023-03_shojoshosetu100.html 》 嵯峨景子@3月21日『少女小説を知るための100冊』発売
https://twitter.com/k_saga/status/1638007318486056961
古いところでは吉川英治『ひよどり草紙』、ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』が既読。西條八十『人食いバラ』、佐々木丸美『崖の館』、森奈津子『お嬢様』シリーズが未読。そのほかは未所持。
『時間は存在しない』再読・四(閑人亭日録)
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を少し再読。以下、覚え書き。
《 わたしたちはこの世界を大まかに切り分け、自分にとって意味がある概念の観点から捉えているが、それらの概念は、あるスケールで「生じている」のだ。 》 132頁
《 ある相互作用によって粒子の位置が具体化すると、粒子の状態が変わる。また、速度が具体化する場合も、粒子の状態が変わる。しかも、速度が具体化してから位置が舞台化したときの状態の変化は、その逆の順序で具体化したときの状態の変化と異なる。つまり順序が問題で、電子の位置を測ってから速度を測ると、速度を測ってから位置を測ったときとは違う状態に変化するのだ。
これを、量子変数の「非可換性」という。なぜなら位置と速度の順序は「交換できない」からで、順序を換えると、ただではすまなくなる。この非可換性は、量子力学の特徴となる現象の一つであり、それによって二つの物理変数がが確定する際の順序が決まり、その結果、時間の芽が生まれる。物理的な変数の確定は孤立した行為ではなく相互作用であって、これらの相互作用の結果はその順序によって定まる。そしてその順序が、時間的な順序の原始形態なのである。
おそらく相互作用の結果がその順序に左右されるという事実こそが、この世界における時間の順序の根っこなのだろう。 》 137-138頁
《 物理の核には、この二つのぼやけの起源──物理系がおびただしい数の粒子からなっているという事実と、量子的なフ不確定性──がある。時間の存在は、ぼやけと深く結びついているのだ。そしてそのようなぼやけが生じるのは、わたしたちがこの世界のミクロな詳細を知らないからだ。 》 139頁
《 だからといって、このぼやけは人間の精神が生み出したものではなく、あくまで実際に存在する物理的な相互作用によって決まる。エントロピーは恣意的でもなければ主観的な量でもなく、速度のような相対的な量なのだ。
物体の速度という性質は、その物体だけに由来するわけではなく、別の物体との関係で決まる。 》 144頁
《 この世界のエントロピーは、この世界の配置だけでなく、世界の像のぼやけ方によっても左右される。そしてそのぼやけ方は、自分たちがどの変数と相互作用するか、つまりわたしたちがこの世界のどの部分に属しているかによって変わってくる。 》 145頁
《 わたしたちはさまざまな宇宙の性質のなかのきわめて特殊な部分集合を識別するようにできていて、そのせいで時間が方向づけられているのだ。 》 146頁
《 宇宙のエントロピーについても、同じことがいえるのかもしれない。たぶん、宇宙は特別な配置になってはいないのだ。おそらくわたしたちが特殊な物理系に属していて、その物理系に属する宇宙の状態が特殊なのだろう。 》 147頁
《 わたしたちがこの世界で見るものの多くは、自分たちの視点が果たす役割を考えに入れてはじめて理解可能になる。視点の役割を考慮しないと理解ができない。 》 152頁
《 早い話が、「外側から見た」世界のなかにある時間構造と、自分たちが観察しているこの世界の性質、自分たちがそのなかにいてその一部であることの影響を受けているこの世界の性質とを混同してはならないのだ。 》 152頁
《 根本のレベルにおけるこの世界は、時間のなかに順序づけられていない出来事の集まりである。それらの出来事は物理的な変数同士の関係を表現しており、これらの変数は元来同じレベルにある。世界のそれぞれの部分は変数全体のごく一部と相互に作用していて、それらの変数の値が「その部分系との関係におけるこの世界の状態」を定める。 》 154頁
昼前、洗剤などを買いに自転車で隣町のホームセンターへ。友だちから頼まれていた棚二つの板材がないので、別のホームセンターへ。長さ六十センチの薄手の板材二枚とネジなどを購入。無事帰宅。友だちが板を焦げ茶色で塗る。午後、柱と柱の間の作業机の上に二つの棚を設置。ふう。体調が戻ってきたようだ。帰宅した友だちに喜ばれる。やれやれ。
ネット、うろうろ。
《 「冬の朝が晴れていれば起きて木の枝の枯れ葉が朝日という水のように流れるものに洗われているのを見ているうちに時間がたって行く。どの位の時間がたつかというのでなくてただ確実にたって行くので長いのでも短いのでもなくてそれが時間というものなのである。」
― 吉田健一『時間』講談社文芸文庫 》 宮崎智之『モヤモヤの日々』発売中
https://twitter.com/miyazakid/status/1637924310022238209
《 >PCR検査を抑制した"専門家"、尾身氏、押谷氏、脇田氏、舘田氏
彼らにはクラスター対策のみに固執し(結局はそれも破綻)、PCR検査を抑制し(しかもあろうことか抗原検査を推進)した責任があります。その結果、何が生じたかを調査・分析し、結果に対して補償・救済する道を開く責任があると思います。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1637684053163016192
《 【政府の日本学術会議「改革」方針に対する声明】
学会からの声明発表が続いています。 》 安全保障関連法に反対する学者の会
https://twitter.com/anpogakusya/status/1637657020424929281
『時間は存在しない』再読・三(閑人亭日録)
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を少し再読。以下、覚え書き。
《 科学の進化全体から見ると、この世界について考える際の最良の語法は、不変性を表す語法ではなく変化を表す語法、「~である」ではなく「~になる」という語法なのだ。 》 98頁
《 この世界を出来事、過程の集まりと見ると、世界をよりよく把握し、理解し、記述することが可能になる。これが、相対性理論と両立し得る唯一の方法なのだ。この世界は物ではなく、出来事の集まりなのである。
物と出来事の違い、それは前者が時間をどこまでも貫くのに対して、後者は継続時間に限りがあるという点にある。 》 98頁
《 実際さらに細かく見ていくと、いかにも「物」らしい対象でも、長く続く「出来事」でしかない。 》 99頁
《 そしてそれは、わたしたちが知覚しているこちら側の身体構造に依拠したこの世界の細分化の一部であり、現実を構成する宇宙規模の鏡のゲームの複雑な結び目なのである。この世界は石ではなく、束の間の音や海面を進む波でできている。 》 99頁
《 わたしたちはずっと、この世界をある種の基本的な実体の観点から理解しようとしてきた。(引用者・略)だが調べれば調べるほど、そこに「在る」何かという観点ではこの世界を理解できないように思えてくる。出来事同士の関係にもとづいたほうが、はるかに理解しやすいのだ。 》 100頁
《 わたしたちは、物ではなく変化を調べることで、この世界を理解する。 》 101頁
《 生命体がどのように進化して生きていくかを研究することによって、生物学を理解する。 》 103頁
《 どうあるかではなく、どうてなってきているのかを見て、この世界を理解する。 》 104頁
《 「現実」とは何か。「存在」しているのか。「この問いは間違っている」というのがその答えだ。この問いはすべてを意味し、何ものをも意味しない。なぜなら「現実」という言葉は曖昧で、意味がたくさんあるからだ。「存在」という言葉に至っては、さらに多くの意味がある。 》 110頁
《 存在するという動詞にはさまざまな使い方があり、「何かが存在する」という言葉の意味はじつに多様だ。 》 110頁
《 現代のほとんどの言語では、動詞に「過去」「現在」「未来」の活用がある。だがこのような語法は、この世界の現実の時間構造について語るには不向きなのだ。なぜななら現実は、もっと複雑だから。このような語法は、わたしたちの限られた経験をもとにして作られた──自分たちの作っているものが正確さに欠け、この世界の豊かな構造を把握しきれていないということに気づく前に作られたのだ。
客観的で普遍的な現在は存在しない、という発見を掘り下げようとしたときにわたしたちが戸惑うのは、ひとえに過去、現在、未来という絶対的な区別にもとづいてつくられた語法に従っているからだ。このような区別は、ある程度までしか有効でない。自分たちのすぐそばの「ここ」においてのみ有効なのだ。現実の構造は、この語法の前提となっているものと同じではない。 》 111頁
《 この世界の基礎的な理論は、このように構成されるべきなのだ。時間と呼ばれる変数は不要であり、その理論では、自分たちがこの世界で目にしているもの同士が、互いに対してどのように変化するのかがわかりさえすればよい。つまり、これらの変数の間にどんな関係が存在し得るのかがわかればよいのだ。 》 117頁
《 量子力学の基本的方程式は、事実このようにして作られた。その式は時間変数を含むことなく、変動する量のあり得る関係を指し示すことで、この世界を記述する。 》 118頁
《 この理論は、時間のなかで物事が展開する様子を記述するわけではない。物事が互いに対してどう変化するか、この世界の事柄が互いの関係においてどのように生じるかを記述する。ただそれだけのこと。 》 118頁
《 場は、素粒子、光子、重力量子──むしろ「空間量子」と呼ぶべきか──といった具合に粒のような形で現れる。 》 123頁
《 重力場の基本となる量子は、プランクスケールに存在している。アインシュタインがニュートンの絶対的な時間と空間を再解釈する際に用いた可動性の織物を織りなすのは、これらの粒状に振る舞う基本的なものであって、空間の広がりや時間の持続を決めているのは、これらの相互作用なのだ。 》 124頁
《 このようなタイプの理論では、時間と空間はもはやこの世界の入れ物でも一般的な形態でもなくなる。時間や空間そのものが、時間や空間のことなど知りもしない量子力学の近似んあおだ。存在するのは、出来事と関係だけ。これが、基本的な物理学における時間のない世界なのである。 》 127頁
ネット、うろうろ。
《 言葉を失う。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1637206463386112002
《 これ本当に思う。生き残りへの強靭な意志と実行。
3.11であれだけの問題が噴出しても東電一つ解体できないまま今に至る。どっかの国とはあまりに対照的。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1637616382975291393
《 これからエホバの証人問題に立ち向かおうとされる方々にもう一度申し上げたいです。名前を出してのエホバの証人問題の大報道は「ほぼ不可能」と考えられていたのはつい1、2カ月前の事です。多くの方が執念に近いほどの熱意と犠牲を示し、大げさでなく人生をかけるほどの決断をし団結してそれを乗り越えました。社会全体での議論の大前提となる最大の障壁が取り除かれたことは、決して一過性の一時のブームのようなものではありません。最初の、しかし最大の障壁の突破です。その意義とその裏にある多くの方々の決意に思いを巡らしていただきたいと強く願います。そして何より「壁は超えられる」という思いを皆が抱き続けていただきたいですし、一緒に抱き続けていこうと強く決意しています。 》 弁護士田中広太郎/ K.Tanaka
https://twitter.com/LawyerTanaka/status/1637457978357075969?cxt=HHwWgsDS6eHWtbktAAAA
『時間は存在しない』再読・二(閑人亭日録)
カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を少し再読。以下、覚え書き。
《 時計で計った時間は「量子化」されている。つまり、いくつかの値だけを取って、その他の値は取らない。まるで時間が連続的ではなく、粒状であるかのように。
粒状であるということは、量子力学のもっとも特徴的な結果であり、理論自体の名前もここからきている。「量子」とは基本的な粒のことであって、あらゆる現象に「最小の規模」が存在する。重力場における最小規模は「プランク・スケール」、最小の時間は「プランク時間」と呼ばれていて、相対性や重力や量子が絡む現象となっているさまざまな定数を組み合わせれば、その値を簡単に計算できる。(引用者・略)プランク時間と呼ばれるこの極端に短い時間では、量子力学に特有の三つの性質がもたらす効果、すなわち時間への量子効果がはっきり現れる。 》 85頁
《 時間が「量子化」されるということは、時間tのほとんどの値が存在しないということだ。 》 86頁
《 言葉を変えれば、時間には最小幅が存在する。その値に満たないところでは、時間の概念は存在しない。もっとも基本的な意味での「時」すら存在しないのだ。 》 86頁
《 この世界はごく微細な粒からなっていて、連続的ではない。神はこの世界を連続的な線では描かず、スーラのように軽いタッチで点描したのである。 》 86-87頁
《 量子力学の二つ目の発見は、不確かさである。たとえば、ある電子が明日どこに現れるかを正確に予測することはできない。 》 89頁
《 時空も、電子のような物理的対象である。そしてやはり揺らぐ。さらに、単なる配置が「重ね合わさった」状態にもなり得る。 》 89頁
《 このため現在と過去と未来の区別までが、揺れ動いて不確かになる。一つの粒子が空間に確率的に散って不確かになるように、過去と未来の違いも揺れ動くのだ。したがって、ある出来事がほかの出来事の前でありながら後でもあり得る。 》 90頁
《 「揺らぎ」があるからといって、起きることがまったく定まらないわけでもなく、ある瞬間に限って、予測不能な形で定まる。その量がほかの何かと相互作用することによって、不確かさが解消されるのだ。 》 90頁
《 電子がここまで奇妙に振る舞うという見方を受け入れるのは、ひじょうに難しい。 》 91頁
《 時間は唯一ではなく、それぞれの軌跡に異なる経過期間がある。そして時間は、場所と速度に応じて異なるリズムで経過する。時間は方向づけられていない。過去と未来の違いは、この世界の基本方程式のなかには存在しない。それは、わたしたちが事物の詳細をはしょったときに偶然生じる性質でしかない。そのような曖昧な視野のなかで、この宇宙の過去は妙に「特別な」状態にあった。「現在」という概念は機能しない。この広大な宇宙に、わたしたちが理に適った形で「現在」と呼べるものは何もない。時間の持続期間を定める基層は、この世界を構成するほかのものと異なる独立した実体ではなく、動的な場の一つの側面なのだ。跳び、揺らぎ、相互作用によってのみ具体化し、最小規模に達しなければ定まらない側面……。だとすれば、時間の何が残るのか。 》 92-93頁
ネットの広告からウェブサイトへ飛び、約600名の買い取り作家一覧を見た。
https://kaitori.oida-art.com/
該当する作家は、長谷川潔の一点のみ。
http://web.thn.jp/kbi/kiyos1.htm
ネット、うろうろ。
《 超電導のメカニズム解明へ一歩、東大などが突き止めたこと 》 ニュースイッチ
https://news.yahoo.co.jp/articles/d830c85505946bf15d62a1d02a8aa29d34f7a396
《 初期の廃品のオブジェが手芸の本になっていたのに驚いた。廃品や貝殻やガラスを拾うのが好きなのも私と同じ。/もうすぐ手術(甲状腺癌の肺転移)、合田佐和子展、椿園 》 福山知佐子のブログ
http://chitaneko.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-84c827.html
合田佐和子『オブジェ人形』グラフ社昭和40年12月25日発行。
《 関連団体を設立して5000万円の寄付上限逃れ 日医連による麻生派への高額献金問題 小分け、迂回も駆使 》 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238857
《 人類学調査のためにアフリカとかかわり、知人を公認大使にするためにオセアニアとかかわった経験から、開発援助の闇をみてきた。例えばODAでは大量の中古車や、クーラーなしで住めない住宅が援助され、人々をガソリンと電気のために出稼ぎさせる暮らしに変えていく。要は、援助側の顧客づくりである。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1637099639852900353
《 援助される側の政府もまた、必ずしも国民のために政策を考えてはいない。その被害者はつねに従順な国民である。だからオカシイことには右翼であれ左翼であれ浮遊層であれ、オカシイと声をあげなければ餌食となる。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1637099750960017408
《 原発利権に加えて原発事故利権までできちゃえば、もうやめられません。 》 lutekia
https://twitter.com/lutekia/status/1637152752869703680