2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

隔たり……パリ

フリードリヒ・ニーチェ「ツァラトゥストラ」、第一部「老いた女と若い女」から。≪真の男は二つのことを欲する、危険と遊戯を。それゆえ男は女を欲する、もっとも危険な玩具として。≫≪真の男のなかには子どもが隠れている。この隠れている子どもが遊戯をした…

時の隔たり……ゾンビ

朝は薄曇り、逆光でも大丈夫、アナログカメラを持って近所を廻る。今しか見られない植物の姿、レトロ物件などを撮る。これで一安心。なにせ、カメラ店フォトライフシェルパの勝又クンから、先だって頼まれて手渡した昭和レトロ物件手書き地図の、よそ者にも…

隔たりはある

木田元「現代の哲学」講談社学術文庫1995年を再読した。以前読んだときは半分くらいわかったつもりだったけど、今度は私にはよくわからないことがよくわかった。老化か、それとも以前の理解はただの誤解か。その両方かな。ではあっても、じつにエキサイティ…

4月26日(月) 休館日

昨夜のNHKテレビ「特ダネ投稿DO画」、最初が古い知人の伴正史氏の木彫でビックリ。「作品回顧録」、「思い出の作品より」の少女像と仏像は私の所有。三十五年ほど前、秋田県八幡平の山小屋「ゆきの小舎」で同宿した氏の少女像を手にして、仏像制作を依…

隔たり

雨だけど徒歩。一昨日の静岡新聞読書欄、作家前田司郎の文章から。≪知識は後天的に手に入る情報、知能は先天的にある程度決まっている能力、そして知恵は知能を駆使して知識を有機的に結びつけ未知に挑むための力。知恵こそ重要なのだ。(引用者:略)知能は…

ほのぼの

やっといい天気。午前中はグラウンドワーク三島の新事務所でこれだけはやりたくないお仕事、新規採用の面接試験官。合間にお散歩。源兵衛川では子どもたちが沢蟹を捕っている。後で返してね、とお願いする。午後一時開館。 昨日話題にしたストリップといえば…

好色の魂に殉じる

お昼までグラウンドワーク三島の事務所の引越しの手伝い。現事務所から徒歩五分ほどの場所へ移転。今までの倍以上の広さ、一階全部を使用なのでゆとりがあるかと思いきや、職員が増えるので全然広く感じない。午後一時開館。 城一郎(じょう・いちろう)「発…

4月22日(木) 臨時休館/好色の魂

一昨日話題にした梅原北明がモデルの野坂昭如「好色の魂」新潮社1968年初版を読んだ。山口昌男の「補遺1 知のダンディズム再考 『エロ事師』たちの精神史」こ登場する人物たちが、「好色の魂」ではちょっと名前を変えて勢ぞろい。梅原北明は貝原北辰(ほく…

まことの表現者たち

きのうはよく降った。きょうも雨。友だちに頼まれて「芸術新潮」2002年1月号特集「北斎のラスト・エロチカ」を美術館へ持ってくる。本の紹介頁に石川九楊(いしかわ・きゅうよう)「日本書史」名古屋大学出版会が紹介されている。≪日本書史において孤絶の高…

ネットのダンディズム

昨日のお題「知のダンディズム」、ご近所リンクのネットゲリラ さんなんかは「ネットのダンディズム」だ。美術館の近所に開店した台湾料理店の報告までしている。 18日の話題、「真鶴」の川上弘美は河野多恵子「後日の話」文春文庫2002年に解説を書いてい…

4月19日(月) 休館日

藤田宜永「壁画修復師」新潮文庫2001年初版を読んだ。≪絵の修復だけではなくて、他人の心の修復もとてもお上手な方なんですね≫241頁 という発言が、この「人生の哀歓溢れる5つの連作短篇」の芯を物語っている。 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。筒井…

知のダンディズム

山口昌男「『挫折』の昭和史(下)」岩波現代文庫2005年初版、「補遺1 知のダンディズム再考 『エロ事師』たちの精神史」をワクワクして読んだ。≪梅原北明は、出版の表世界ではほとんど忘れられた存在であるが、出版の裏世界では相当の知名士である。≫277頁…

やっと晴天

美術館以外の用事に忙殺されて、毎月1日と15日にする排水の掃除をすっかり忘れていた。何かに気を取られていると、何かを忘れてしまう……記憶の容量が少ないのね。ボケじゃないよね。そういや、財布に千円札五千円札が無造作に折られパンパンに詰め込まれてい…

雨は朝止んだ

雨の止んだ午前十時から二時間ほど、浜松学院大学の学生教員五十名余りを、グラウンドワーク三島の事業地、三島梅花藻の里〜境川・清住緑地〜みどり野ぶれいあいの園〜源兵衛川と、大型バスで案内。一人で相手したせいだろうか、その後はぐったり。歳かなあ…

きょうも雨、寒い

真冬に戻ったような寒い雨。懐の寒さも敵わないわ。石持浅海「月の扉」カッパ・ノベルス2003年初版を読んだ。≪乗っ取られた航空機の中で、起きた「殺人」!「閉鎖状況」ミステリーの空前絶後の荒技炸裂!≫ とは裏表紙の惹句。乗っ取られた旅客機のトイレで乗…

春の小雨

昨夜はテレビ朝日で浅川マキの追悼特集を観、NHKテレビで岩崎宏美の歌を聴く。「万華鏡」はやっぱりいいなあ。当時に較べて声は低くなっているようだ。 再び曇天ちょぼちょぼ小雨で寒い。寒い寒いとブックオフ長泉店へ行くと、ギョーム・アポリネール「一…

春の海

久しぶりの好天、開館前に友だちの家まで自転車で行き、友だちの車に便乗、沼津市千本浜で春の海を眺める。富士山もにっこり。 武正秀治「デザインの煎じ薬・全十三包」美術出版社2003年初版を読了。煎じ薬のようにじわじわと効いてくればいいが。 昨日の二…

4月12日(月) 休館日

昨晩は境川・清住緑地愛議会の総会へ出席。総会後の講演で、山口康弘(環境省 環境カウンセラー)氏がこの緑地を絶賛。それから将来にわたる湿地維持のために先手を打つことを提案される。すなわち、伊豆一碧湖に自生するチョウジソウをあそこの場所に植える…

二十世紀の芸術本

昨日ふれた武正秀治「デザインの煎じ薬・全十三包」、104頁。≪「芸術は自己の内なるものを表現する、自己表現。対してデザインは、ある目的を実現するための手段を表現する、目的表現である」と。 つくり手が表現するという部分は、芸術もデザインも共通です…

世界に対するかかわり方

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。石持浅海「心臓と左手」カッパ・ノベルス2007年初版、川上弘美「真鶴」文春文庫2009年初版、計210円。 午後は源兵衛川の月例清掃へ。午後三時前、再開館。 ポチポチ再読している木田元「現代の哲学」講談社学術文庫19…

八分休符な気分

昨日は研修〜交流会で、帰宅は午前零時近く。午後の研修が好評だったので、ほっ。交流会では新入社員たちからいろいろ話しかけられる。お笑い問答になる。ふう。きょうは疲れが残る。たらたらとお掃除。美術館を開けても八分休符な気分。来館者への応接もキ…

臨時休館/社会的共通資産

きょうは某コンサルタント会社の新人研修の講師役のため休館。案内する源兵衛川や清住緑地は、宇沢弘文の社会的共通資本 Social Overhead Capital にならって「社会的共通資産 Social Overhead Property 」と呼びたい。こう名づけることで、その場所のもつ社…

歩く街

9日(金)は臨時休館します。 「宇沢弘文著作集1 社会的共通資本と社会的費用」岩波書店、「自動車の社会的費用再論」から。≪二十世紀を通じて支配的であった都市計画の理念は、ル・コルビジェの「輝ける都市」に代表される考え方であった。≫ 304頁≪ル・コ…

社会的共通資本

9日(金)は臨時休館します。 以前深く感銘した「宇沢弘文 著作集1 社会的共通資本と社会的費用」岩波書店1994年初版の後半を再読。初読時には自動車中心社会への深い懐疑に、求めていた視点の転換の先達者を発見し、それこそ深い感銘を覚えたのだけれど、…

4月 5日(月) 休館日

雨なので近所の古本屋へ。堀晃「エネルギー救出作戦」新潮文庫1985年初版帯付100円、エドワード・D・ホック「コンピューター404の殺人」ハヤカワ・ミステリ文庫1980年初版100円、計200円。 午後、三島梅花藻の里で友だちと池のハヤにパンくずをやってい…

散る桜、カワセミ

朝、源兵衛川を歩く。中流部の水の苑緑地では小枝にとまる番のカワセミ。今年は雛が孵ったんだろうか。遅咲きの枝垂桜は三分咲き、染井吉野は盛りを過ぎて散りかけている。地面は花びらの絨毯、川面は花筏。三嶋大社と違って通る人もまばらな静かな観桜。あ…

花見

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。海堂尊(たける)「ジェネラル・ルージュの凱旋」宝島社2008年9刷帯付、戸板康二(といた・やすじ)「グリーン車の子供」創元推理文庫2007年初版、ルイス・キャロル「不思議の国の論理学」ちくま学芸文庫2005年初版、…

本格・SF

辻真先「本格・結婚殺人事件」朝日ソノラマ1997年初版を読んだ。この本で、「仮題・中学殺人事件」以来の名コンビ牧薩次・可能キリコは華燭の典をあげた。この本でも密室殺人、人間消失といった謎が散りばめられているが、出来は初期三部作ほどではない。軽…

春の嵐を踏み越えて

夜来風雨の声、朝も衰えず。雨の合間にバスで来る。その前に グラウンドワーク三島の街角カフェへ行き、大根、トマトなどの野菜を買い込む。途中の抜け道でトマソン発見。コンクリ壁の濡れた雨の模様が逆三角形、ひっくりかえすとモンサンミッシェル修道院の…

企画展初日

東京に事務所を構えていた古い知人の弁護士が三島に事務所を移転、きょう開業。美術館へ来る途中に寄り道をしてご祝儀を届ける。雨なので徒歩。せっせと歩いたので汗びっしょり。ふう。 辻真先「盗作・高校殺人事件」創元推理文庫2004年初版を読んだ。「仮題…