2015-01-01から1年間の記事一覧
昨日の雨の歌で、キャンディーズの『その気にさせないで』1975年を挙げたかった。歌詞に雨は ないけど、ジャケット写真が雨かシャワーに濡れたよう。手元のEPレコードのジャケットはそそる。 https://www.youtube.com/watch?v=NbNwQddjQzo 私にとってキャ…
昨日の記事の訂正一つ。ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス』国書刊行会は、沼津市のギャラリー・ カサブランカの女性オーナーから恵まれた。その表紙を飾っている林由紀子さんの個展が、カサブランカで 来年一月一二日から催される。 http://www4.tokai.…
「今年の本 ベスト3」が新聞などに載っている。今年出版されて読んだ本では、椹木野衣『後美術論』 美術出版社、椹木野衣編『日本美術全集 第19巻 戦後〜1995 拡張する戦後美術』小学館、ヴァーノン・リー 『教皇ヒュアキントス』国書刊行会の三冊が、私…
ネットの拾いもの。 《 ごん、お前だったのか。タンスの中にぶら下がっていたのは。 》 《 元々のお脳の出来がアレなので本を読むことによって自分の知がどれだけ広がるかには疑問が残るが、 それでも「なぜ本を読むのか」と問われれば「そこに本があるから…
山田正紀『仮面(ペルソナ)』幻冬舎ノベルス1998年初版を読んだ。密室ともいえる閉店した店で起こる 連続殺人事件。容疑者は探偵役を加えても十人にも満たない。何と手の込んだミステリだろう。ここまで作り込むとは。 裏表紙から。《 その晩、経営難に陥っ…
昨日の毎日新聞夕刊に仲畑貴志・選「万能川柳2015年」の記事。掲載の80句から。 我が家では誰も知らない好景気 竹とんぼ 粛々とつまり意見はもう聽かず 春野小川 戦中と戦後を生きて今戦前 麻子 アメリカもタダでは日本守らない 難波満彦 答弁は原稿読むがヤ…
中村元『自己の探求』青土社1987年新装初版の再読を終える。 《 自然界における生命現象を、どこまでも対象的なものとして詳しく研究することは、自然科学者の 仕事である。しかし生命という問題に関していかなる態度をとって生きるべきであるか、ということ…
中村元『自己の探求』青土社1987年新装初版、前半を再読。付箋が貼ってあるから既読とわかる。 読んだ記憶はすっぽり抜けている。探偵小説推理小説なら、内容はすっかり忘れていても読んだ記憶はある。 脳の老化=劣化をつくづく実感。でも、逆にすっかり忘…
《 第一次大戦は王朝主義高潮期の終焉をもたらした。一九ニ二年までに、ハプスブルク、 ホーエンツォレルン、ロマノフ、オスマンの王家は波間に消え去ってしまった。 》 194頁「VII 最後の波」 《 出版物を読みまた書くこと、これによって、すでに述べたよう…
ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』リブロポート1987年初版を読了。 実に読み応えのある著作で、世界史の少ない知識を総動員、えらく時間がかかった。想像の共同体とは。 《 定義することにしよう。国民とはイメージと…
昨日の毎日新聞は先週に続いて「2015 この3冊」後半。松尾雅彦『スマート・テロワール 農村消滅論からの大転換』学芸出版社への藻谷浩介の評から。 《 ハイテク工業ではなく農業にこそ成長余力があるとの指摘は、今世紀半ば以降の日本では常識となろう。 》…
村上華岳(1888-1939)の絵『裸婦図』1920年が重要文化財になったことを知る。切手にもある。 http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html《 重文になった華岳「裸婦図」よりもその下書きのほうがいいと思ったのは私だけ? 》 ミステリ作家折原一が書い…
《 気がつけば私の生活と比較している。似ているが、まるで違う。 》 と昨日書いたが、これは最終章「石ころだって役に立つ──『道』」にも当てはまる。今は知らぬが当時 (1970年前後)は身近にあった同棲の顛末が描かれている。これだけは経験の見通しはま…
関川夏央『石ころだって役に立つ』集英社文庫2005年初版を読んだ。自伝的物語集。新潟県生れの著者は 私より一歳年上。ともに地方育ちゆえ、その時代の気配が生々しく甦る。気がつけば私の生活と比較している。 似ているが、まるで違う。意外な拾いものだ。…
昨日の豊崎由美『ニッポンの書評』光文社新書で、やはり引用しようと思った箇所。巻末の対談相手、 大澤聡の発言。 《 雑誌もそうですけど、この八○年ずっと同じフォーマットでやってきた。さすがに制度疲労を起こすに 決まっていますよ。いいかげん根本的な…
昨日、『ノーライフキング』に寮美千子『ノスタルギガンテス』を、『ワールズ・エンド・ガーデン』に 高野和明『幽霊人命救助隊』を対置させたが、では『想像ラジオ』は何に? 水木しげる『河童の三平』兎月書房だ。 軽みとおかしみと諦観のある進行。 豊崎…
いとうせいこう『ワールズ・エンド・ガーデン』新潮社1991年初版を読んだ。切迫、緊張の糸が最後まで 切れることのない、なんという熱気充満の小説だろう。1991年の発表。1995年の阪神淡路大震災を、 つづくオウム真理教の事件を連想=予見させる内容。驚い…
毎日新聞昨日の読書欄は特集「今年の三冊」の前半。荒川洋治から佐藤優までの一ニ人。買おうかな、と 思うのは、丸山真男『超国家主義の論理と心理 他八篇』岩波文庫1426円(荒川洋治・選)、添田孝史 『原発と大津波 警告を葬った人々』岩波新書799円(海部…
本棚にいとうせいこう『 NO LIFE KING (ノーライフキング)』新潮社1988年初版をやっと見つけて再読。 十歳の小学生たちに熱病のように流行するディスク対応型キーボード付きコンビュータ・ゲーム(ディス・コン)、 「ライフキング」。 《 ディス・コン雑…
昨日の記事「外国の書評家82人が選んだ英国文学ベスト100」で1位に輝いた『ミドル・マーチ』ジョージ・ エリオットだが、丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士『文学全集を立ちあげる』文春文庫2010年初版では 選出されていない。話題にもなっていない。ベスト10小説…
西條八十『あらしの白ばと』盛林堂ミステリアス文庫を一気読み。なんとまあ破天荒な少女活劇だ。 なんと目まぐるしい怒涛の展開だこと。芦辺拓の解説冒頭。 《 さあ、戦後の一時期に狂い咲いた少年少女向け冒険探偵小説、その中でも最大の奇書ともいうべき …
中井英夫「黒鳥忌」。今年は東京・西荻窪界隈で中井英夫展が催されている。近所の知人女性は行くようだ。 「一人中井英夫展」が増補されている。 http://togetter.com/li/909079 短歌誌『ジュルナール律』の画像を見て 本棚の上の段ボール箱をおろす。似たよ…
黒岩涙香『紳士のゆくえ』を読んだ。昨日の『別冊幻影城1 黒岩涙香』に収録。これまたいい。 昭和のものといっても通じる。面白いものだ。『血の文字』を昨日の創元推理文庫で読む。残された ダイインング・メッセージから推理は進む。女性についての講釈が…
昨日の鶴見俊輔の評論に乗せられて、黒岩涙香の処女作『無惨』を『別冊幻影城1 黒岩涙香』 幻影城1977年初版で読んだ。構成も描写もしっかりしていて、1889年の作とはとても思えない探偵小説。 『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』創…
鶴見俊輔『限界芸術』講談社学術文庫1976年初版を読んだ。元本の『限界芸術論』を東京の書店で見て、 限界と芸術のつながりを奇妙に感じた。それから幾星霜。読んでビックリ。興奮させられる著作だ。 一般には名著と呼ばれるだろうが、私には好著。限界芸術…
午前九時から昼前まで、昨日の家族に加えた人たちが車二台に分乗、グラウンドワーク三島の事業地、 清住緑地、松毛川などを案内。慌ただしく昼食。午後、「三島駅南口の整備を考える市民の会」の集まりに参加。 帰宅。ぐったり。コーヒーを淹れて……あとはお…
小咄で、トイレでのんびりしている時ケータイに電話「今どこ?」が、あり得るなあと笑っていたら、今朝それ。 う、笑ってられないわ。ケータイはトイレの外じゃ。ガタ・ガタ。三島広小路駅に二十分後に着く電車から降りてくる、 松代市からの人を街に案内し…
中井英夫の最後の助手をつとめた本多正一氏から「中井英夫展」のお知らせメールが届く。 《 戦後70年中井英夫西荻窪の青春展(杉並区立西荻図書館、ガレリア青猫、盛林堂書店、西荻案内所合同企画) 12月4日(金)杉並区立西荻図書館展示開始(〜2016年1月…
MOA美術館で観た小林清親の木版画は、どれも初めて目にするものばかりだった。摺りあがったばかりのような画面に惹きつけられた。書架から大判の『浮世絵大系12 清親』集英社1974年初版を取り出す。ここに収録された原寸大の絵を見て、清親は大した絵師…
毎日新聞朝刊地方版に昨日取材の記事が大きく掲載。埋草記事にしてはデカイ。苦笑。 ここだけの話、記者は「貸本漫画」をご存知なかった。世代の差を痛感。噴飯話もあるけど、 それは内緒。午後、記者から取材お礼の電話。 きのう行ってきょうまたMOA美術…