2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧
椹木野衣『アウトサイダー・アート入門』幻冬舎新書2015年初版は、驚きと発見の連続だった。 昨日の紹介のように、洞察の深さと構想力の広さに驚き唸り、以下に引用する文章には、 私もそう思っていると深く頷く。 《 少なくとも現在、公的な美術館で長く後…
椹木野衣『アウトサイダー・アート入門』幻冬舎新書2015年初版を読んだ。これはいい。 言葉がガンガン頭脳に打ち込まれてくる、快く。今まで数多くの美術入門の類を読んできたが、 この本がもっともスリリングで興奮する。これはいい。過去をなぞるのではな…
寮美千子『星兎』パロル舎1999年初版を読んだ。ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス』 国書刊行会の世界に惚れ惚れして、次に読む小説が思い浮かばなかったが、ま、これで。 カバーを外すと『教皇ヒュアキントス』の帯と同じような色合いの表紙。並べると…
隣町の函南町にある仏の里美術館で展示中の子どもたちの仏の絵の素晴らしさ。 子どもたちは、太い筆ではちきれんばかりの力を発揮して思いっきり伸び伸びと 描いている。この無心の喜びの表情はどうだ。心身の全開〜開放。これは画家には できない。ピカソも…
昨日とりあげた福山知佐子さんの抽象画に「その絵は花の演繹」と書いたが、彼女は 前衛いけ花の中川幸夫を尊敬。中川幸夫の影響(滲み出る花の液体)を感じる。だから いけないというのではない。中川幸夫の作品との共振を感じる。この絵を彼が見たら、 にっ…
昨夜、ハリス・アレクシーウの2012年のCDを聴きながら2012年、明大前駅そばのキッド・ アイラック・ギャラリーでの福山知佐子さんの個展で買った小さな絵を眺めていて、不意に 閃いた。私は紫に惹かれる、と。好きな色は青か白だと思っていた。福山さんの…
北原尚彦・編『押川春浪ホームズ翻案コレクション ホシナ大探偵』盛林堂ミステリアス文庫 を読んだ。二短編を収録。収録作より横田順彌の「押川春浪について」のほうが面白かった。 破天荒な人生だ。 《 ハチャメチャなバンカラな行動は、このころから、ます…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第14章 「歌う彫刻」と「人間=機械」(後編)」を 読んだ。『後美術論』読了。 《 少なくとも、かつてクラフトワークが「放射能」で歌った奇怪なラヴソングは、いま極東の Perfumeの手で、はるかに汚染された状況…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第12章 「歌う彫刻」と「人間=機械」(前編)」を 読んだ。三人組テクノポップユニットPerfumeの公演の描写に始まって、クラフト・ワークなどを 論じ、Perfumeをめぐる以下の一文で結ぶ。 《 それは「人間=機械=音楽」…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第9章 地獄と髑髏 ヘルター・スケルター(前編)」 を読んだ。「ヘルター・スケルター」は、前編では「しっちゃかめっちゃか」「血の惨劇」 「地獄と髑髏」の三つに当てられている。 《 だが、そんななかにあってさえ、…
20日を掲載し忘れていた。 椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第6章 次は溶解だ(前編)メルト・ダウン・イズ・ネクスト」 を読んだ。パンク・ロックのセックス・ピストルズは知っている(名前を知っているだけ)が、 ノー・ウェイヴ( NO WAVE )、ニュ…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第7章 次は溶解だ(中編)メルト・ダウン・イズ・ネクスト」 を読んだ。 なんとも素晴らしき!というか、社会からのはみ出し者たちの、歴史を創る破天荒な人生 あるいは破滅譚が語られる。妖怪じみた初耳の人たち。 例え…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第5章 残虐行為への展覧会 」を読んだ。章後半ではSF作家 として知られるJ・G・バラードに多くが割かれている。バラードは、十代末に早、魅了された作家。 論考は、またまた私にとってはアクロバティックな展開、超…
椹木野衣『後美術論』美術出版社、「第4章 スローターハウスの聖母たち(後編)」を読んだ。 前編に増して興奮する展開だ。なにせ、エルヴィス・プレスリーからマドンナまで論及されるのだから。 視界が強引に拡張される快感……というか。気付かなかった風景…
昨日は一日雨で家こもり。きょうは春爛漫の陽気。窓をせいせいと開放。お掃除お掃除。そして コーヒー。昨日同様二杯で一杯。濃くていいわあ。飲みごたえ十分。さてお墓参りへ。 ブックオフ長泉店で間宮緑『塔の中の女』講談社2011年初版帯付、108円。地元三…
夜更け、地震で目が覚めた。震度2。震源は隣町の函南町の丹那断層あたり。 地震の予感がして、本棚の最上部にある本は外してある。 殆ど毎晩夢を見る。見るというより体験する。大方は覚めると忘れてしまうが、今朝の夢は K美術館を期間限定で再開したもの…
午前九時過ぎから松毛川河畔の刈り取った竹林へ苗木を植える作業。途中、三島市長が来訪。 午後三時過ぎ帰宅。 私的な面倒事がつづく。そんなこんなで落ち着いて読書できず。 読書は気持ちにゆとりがない時は無理、とあきらめの日々。 昨夜は届いたギリシャ…
朝イチで床屋。気分スッキリ。午後、三島市立図書館、開架書架から岩切信一郎『明治版画史』 吉川弘文館2009年初版を抜き、関心のある箇所を読む。筆記したくなる記述は見当たらず。 もどかしい思いが残る。目に止まった『宇野亞喜良クロニクル』グラフィッ…
頼まれればいやとは言えない性格。昨晩夕食中に呼び出されたビジネスモデル学会の 人たちとの懇親会。やたら優秀な印象の人たち(現に学歴経歴とも上等)だった。 http://www.biz-model.org/ 知人女性の依頼で、午前十時半から午後四時過ぎまで、東京の映画…
いろいろな頼まれ用事で、夜まで外出。ふう。全部うまくいく。頼まれるうちはいい、か。 ネットの見聞。 フィンランドの小学生が作った「議論のルール」《 1 他人の発言をさえぎらない 2話すときはだらだらとしゃべらない 3話すときに、怒ったり泣いたりし…
椹木野衣『後美術論』美術出版社を第一章を開く。「ごびじゅつろん」と読む。粘り強い思索の著作は、その前に読んだ『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』と同じく、 少しずつ読むのが正解と思う。著者の思索の道筋に自らの思考の流れを重ね、…
強風なので歩いて三嶋大社へ行き、西側と北側を歩く。古い家、古い家並みを探して歩く。 自転車の早さでは見落としていた興味深い木造家屋を何軒か見つける。 《 三島今昔。 30.40年前と変わっていない、三島らしい場所、風景、街角。 》 13日金曜日にそんな…
『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「アルベリック王子と蛇女(スネーク レディ)」「顔のない女神」「神々と騎士とタンホイザー」を読んだ。全編読了。 「アルベリック王子と蛇女(スネークレディ)」のくだり。 《 アルベリックは、井戸…
『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「七懐剣の聖母」「フランドルの マルシュアス」を読んだ。前者は悪党の話。魔女あり悪党あり、だな。 午前、今年初の源兵衛川の月例清掃へ。水の苑緑地下流でゴミ拾い。水量の少ない今だから 入れる。…
昨日、久しぶりにアンドレ・テュイエのレプリカ人形を箱から出した。箱が棺のように思えた。 眠れる美女。少し乱れた金髪(人毛)を近所の美容院で直してもらおうと思って幾星霜。まだ 恥ずかしくて行けない。絶対に変態だと思われるわ……。しかし、いい。素…
『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「聖エウダイモンとオレンジの樹」、 「人形」を読んだ。これまた美女の物語。といっても前者は大理石の彫像、後者は紙の人形。 どちらも生きているよう。人形は一体、アンドレ・テュイエのレプリカを所…
『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「マダム・クラシンスカの伝説」と 「ディオネア」を読んだ。 聖女と魔女。まあ、なんとも真逆な。けれど魅力満載なんだなあ。 ぞっこん一目惚れ。 昼前、源兵衛川中流部、水の苑緑地周辺のヒメツルソバ…
『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「教皇ヒュアキントス」「婚礼の櫃 (チェスト)」を読んだ。後者から連想して、岡本綺堂「鎧櫃の血」(『鎧櫃の血』光文社文庫 1988年初版収録)を読む。彼我とも権力を笠に着る者はどうしようもない。…
昼前、時の鐘橋〜源兵衛橋〜下源兵衛橋両岸のヒメツルソバなどの外来雑草を抜く。 一時間あまりで土のう袋一杯になったので、きょうの作業は終わり。残りは脚立が要る高所。 『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』国書刊行会、第一篇「永遠の愛…
昨日の寒々した雨から一転、春うららを実感させる日和。周りでは紅梅白梅蝋梅河津桜と、 咲き揃う。照屋眞理子さんの短歌が浮かぶ。 《 琥珀なす一月翡翠なす二月うらら三月眞珠玉(まだまたま)なす 》 村上護『きょうの一句』新潮文庫2005年初版、「3月1…