2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧
前世紀末に話題を呼んだ複雑系の科学は、近代科学の線形の科学から非線形の科学へという題目だった。 中村雄二郎『述語集 II 』岩波新書1997年2刷では以下のように説明されている。 《 私は、近代科学の本質を、本来非線形的な自然や実在を一対一の〈因果関…
ティム・インゴルド『ラインズ 線の文化史』左右社2014年初版は、実に豊かな、多様な刺戟を与 えてくれる。発見と視野の拡大の喜びを久しぶりに味わった。内容豊富なため引用したい箇所がその 時々の関心(感心)によってくるくると変わる。きょうはこの引用…
午後、ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。のんびり見はじめたらケータイで呼び出し。ケータイは 持ちたかあないわ。さっと見て戻る。安岡章太郎『放屁抄』岩波書店1979年初版函帯付、近藤富枝 『馬込文学地図』中公文庫1984年初版、計216円。 やんごとなき…
昨日出版社へネット注文したティム・インゴルド『ラインズ 線の文化史』左右社2014年初版帯付が 朝届く。すごく気になった本。添付の栞の言葉。 《 生態学とは、要するに生命のラインの研究なのである。 》 吉田兼好『徒然草』(佐藤春夫・訳)河出文庫2004…
朝、やっとネクタイを締めスーツを着てグラウンドワーク三島の理事長たちと県庁へ赴く。川勝知事に 面談。興味深い反応。その後、交通基盤部農地局へ。幹部職員に三島市と沼津市にまたがる松毛川(灰塚 川)の土地整備への協力を要望する。明日の午後視察に…
鴨長明『方丈記』唐木順三・訳(『日本短篇文学全集2』筑摩書房1969年初版収録)を久しぶりに再読。 二十一世紀に読むのは初めて。『方丈記』は池澤夏樹「日本文学全集」に選出されている。 《 ただ閑寂を望み、憂えのないことを無上の楽しみとしている。 …
昨日、東京西荻窪の盛林堂書房から加瀬義雄『失われたミステリ史』1500円が届いた。これは貴重。 朝、一仕事終えてコーヒーを飲んでいるとピンポーン。ドアから顔をのぞかせると、中年のネクタイをした 男性と中年のご婦人。持っていたパンフレットには「ス…
池澤夏樹「日本文学全集宣言」。 http://www.kawade.co.jp/nihon_bungaku_zenshu/《 権威ある文学の殿堂に参拝するのではなく、友人として恋人として隣人としての過去の人たちに会いに行く。 》 選出されている石川淳『紫苑物語』を『日本文学全集69 石川…
セリーヌ『夜の果ての旅』の印象が強烈で次に読む本が思い浮かばなかった。丸谷才一『横しぐれ』を、 池澤夏樹=個人編集『日本文学全集』(河出書房新社)に収録されているからとりあえず読んでおこうと、 『新潮現代文学63 丸谷才一』新潮社1979年初版収…
セリーヌ『夜の果ての旅』中央公論社1964年初版、生田耕作編、年譜から。 《 フランス文学史上空前の革命的文体と、社会通念を無視した衝撃的内容のため、賛否両論の大反響を巻き起こし、 発行と同時に驚異的な売れ行きを示す。 》 生田耕作の解説から。 《 …
セリーヌ『夜の果ての旅』中央公論社1964年初版を読了。1932年(昭和7年)出版。セリーヌ38歳。凄い小説だ。 第一次世界大戦に従軍した主人公の医学生が、戦場から二十年ほどの流転の人生を語った小説。灼熱のアフリカ・ コンゴの植民地、狂乱のアメリカ東部…
遠藤周作ほか『百年文庫 26 窓』ポプラ社2010年初版を読んだ。ピランデルロ「訪問」が私好み。 《 そのとき彼女は、まだかがんだまま、れいの子供たちのばらばらになった髪や、着くずれた服をなおしてやっている 所だった。咄嗟に身を起して、紹介の労に報…
《 梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』の紹介原稿を書いて送付。いや、梨木香歩、すごいです。ぜったいの おすすめ。 》 岡崎武志 『村田エフェンディ滞土録』角川書店2004年初版を読んだ。エフェンディとは《 おもに学問を修めた人物に 対する一種の敬称 …
昨日北一明の死去を掲載したが、本名下平昭一の名前は、田村隆一『詩人の旅』中公文庫1991年初版に出てくる。 《 飯田市のはずれ、天竜川のほとりの上川路の開善寺に、わたしがやってきたのは八月の十八日、まだ夏の盛りの うちだった。白隠と鉄斎の書画に富…
北一明死去の記事がネットにやっと出ていた。2012年10月19日死去。行年78歳。 http://www.minamishinshu.co.jp/center/series/023.PDF 昨夕、「百舌」を読みたいというリクエストに応じて逢坂剛の「百舌」シリーズの単行本一冊と文庫本三冊を贈呈。 鯨統一郎…
昨日五月十五日は後世、平成の5・15事案と呼ばれるかもしれない。 岡本太郎・宗左近『ピカソ ピカソ講義』朝日出版社1980年初版を一気呵成に読了。じつに刺激的だった。付箋が 林立。美術家の岡本太郎に詩人の宗左近が問いかけるというかたちで進む。今ま…
12日に終了した牧村慶子展で記念品として販売した新茶「余韻」を開封、飲んだ。香りがほわっとひろがる。口に 含むとやわらかな深みのある味が奥までひろがり、うーん、美味い。気持ちがまったりする。これぞ新茶の醍醐味。 製造元は沼津市の愛昌園茶舗。 …
一昨日から東京・北青山のギャラリー・マヤで催されている味戸ケイコ展へ行く。味戸さん、原点へ回帰だ。1970年代の 作風が甦った。それも新たな魅力をともなって。キッチリカッチリ描いていた当時と違って、抜くところを抜いているので、 風通しがよく感じ…
毎日新聞昨夕刊、「パラダイムシフト ──2100年への思考実験 新しい倫理」、伊東俊太郎と広井良典の対話が興味深い。 伊東の発言から。 《 2100年を見通して、新しい三つの観点が必要だと考えます。 》 《 第一はアヒンサー。ガンジーの言葉で「殺すなかれ」…
牧村慶子展最終日。伊豆高原の会場まで電車バスを乗り継いでいく。帰りは知人の車。 茨木のり子選詩集『おんなのことば』童話屋1999年18刷を読んだ。選者の田中和雄は「あとがきに代えて」で『詩のこころを読む』 岩波ジュニア新書にふれて。 《 迂闊にもそ…
茨木のり子『詩のこころを読む』岩波ジュニア新書つづき。「生きるじたばた」の章で谷川朱俊太郎の言葉を紹介。 《 詩人は感動によってのみ詩を生み、感動によって人々とむすばれて詩人になるのである。 》 これまた詩人を画家に言い換えても通じる。 画家は…
茨木のり子『詩のこころを読む』岩波ジュニア新書1980年3刷を読んだ。これはいい。「生まれて」の章、最初は谷川俊太郎 「かなしみ」。その冒頭。 《 あの青い空の波の音が聞えるあたりに 何かとんでもないおとし物を 僕はしてきてしまつたらしい 》 この三…
金子光晴詩集『花とあきビン』青娥書房1973年初版を読んだ。詩を論じる前に嬉しい発見と出合いがあった。「戦争で生き のこった一本のビン」。 《 この時代に生れあわせた犠牲者たち、浦島子も、僕も、 》 浦島子、浅学にして知らなかった。宇野亜喜良・絵/…
《 かさぶたのしたの痛さや、血や、膿でぶよぶよしている街の舗石は、石炭殻や赤さびにまみれ、糞便やなま痰でよごれた うえを、落日で焼かれ、なが雨で叩かれ、生きていることの酷さとつらさを、いやがうえに、人の身に沁み、こころにこたえ させる。 》 《…
晴天。用事を済ませ、そのまま自転車でブックオフ沼津南店へ。通ったことのない細い道を行く。石の蔵があったり、面白い。 『奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝』晶文社1971年33刷(発売七か月で33刷)、阿久悠『愛すべき名歌たち ─私的歌謡曲史 ─』岩波新書1…
水溜りの残る曇天の朝。ブックオフ長泉店へ自転車で行く。開店間もないのに満車。市川慎子(のりこ)『おんな作家読本 〔明治生まれ篇〕』ポプラ社2008年初版、吉田戦車『エハイク2 悪い笛』フリースタイル2004年初版帯付、保阪正康『崩御と 即位 ─天皇の家…
自宅前の大通り商店街は歩行者天国で賑やか。自宅前では猿回し。歓声と拍手。昼前には小雨。道路一杯に傘の花。 『辻まことセレクション2 芸術と人』平凡社ライブラリー、「言葉の音」冒頭。 《 以前──もう十四、五年にもなるだろうか──尾崎さんに「金峰山…
伊豆高原アートフェスティバルに参加する「牧村慶子展」のお手伝いで朝から出かける。夕方帰宅。昨日は牧村慶子さんが来訪。 なごやかなひとときをお過ごしになる。 晩、ブックオフ長泉店へ自転車で行く。マリ=ロール・ベルナダック/ポール・デュ・ブーシェ…
伊豆高原アートフェスティバルに参加する「牧村慶子展」のお手伝いで朝から出かける。夕方帰宅。 昨日の辻まこと『虫類図譜(全)』ちくま文庫、池内紀の解説。 《 ほぼ同じころ、辻まことは「現代絵画の風刺としての現代絵画」と題するエッセイを書いた。そ…
伊豆高原アートフェスティバルに参加する「牧村慶子展」のお手伝いで朝から出かける。夕方帰宅。会場は8番ギャラリーAKI。 http://www.izukougen-artfes.com/ 辻まこと。名前は知っていたけど、読んだことはほとんどなかった。昨日購入した『虫類図譜(…