2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
朝刊を開くと、東京のテレビ局四社の朝の番組そろってかっぽう着の研究者の話題。かわいい三十歳だからなあ、この人一人で世情ががらりと変わってしまう予感。来年の今ごろが楽しみ。《 もし「特別な環境下では、動物細胞でも“自発的な初期化”が起きうる」と…
小保方(おぼかた)晴子。かっぽう着がバカ売れるかもしれんなあ、と空を見る。曇天〜雨。外出(=ブックオフ行き)する気力消沈。本棚の整理(本の入れ替え)を少しする。丸椅子に乗って天井まである手作り文庫棚の最上段と二段目をいじる。散在していた江…
『活字狂想曲』に続いて出た倉阪鬼一郎『田舎の事件』幻冬舎1999年初版を読んだ。題名どおり、ド田舎の人物を巡る短編十三話を収録。《 『活字狂想曲』は会社を舞台としたノンフィクション、『田舎の事件』は田舎を舞台にしたフィクションとスタイルは正反対…
朝本屋から注文の本が届いたとの電話。「あとでうかがいます」とにこやかに返事したが、強風に嫌気が差し延期。近くのスーパーだけ食料の買出しで行く。昼のNHKニュースで三島の鰻の蒲焼まつりを放送していた。同じ内容を静岡ローカルでも見せられる。つ…
kashiba @猟奇の鉄人『あなたは古本がやめられる』本の雑誌社2004年初版を読んだ。当時ブログを愛読していたので予約したのだろう、サイン入りだ。以前読了と記憶していたけど、全部は読んでいなかったらしい。裏表紙の帯文「たとえばあなたが、」《 1...…
団鬼六『真剣師 小池重明』イーストプレス1995年初版を読んだ。こいけ・じゅうめい 1947年生 - 1992年没。《 能ありて識なきものは卑しむべし、という言葉があるが、小池はその能ありて識なき人の代表みたいな男であった。 》 4頁《 真剣師というのは賭け将…
昨日団鬼六の名を挙げたので出世作『大穴』角川春樹事務所2000年初版を読んだ。主人公は大阪北浜の穀物取引市場で穀物相場の大穴を狙う、二年留年している大学生の男。小豆相場でスッテンテンになり、そして二転三転あれよあれよのジェットコースター的展開…
昨日買った北原童夢・早乙女宏美『「奇譚クラブ」の人々』河出文庫2003年2刷を読んだ。《 団鬼六『花と蛇』、沼正三『家畜人ヤプー』を生み、三島由紀夫、澁澤龍彦、川端康成、江戸川乱歩、寺山修司ら注目した雑誌。 》 裏表紙の紹介文《 敗戦の翌翌年一九四…
昨日のブログ、画家のけいさいのケイの字が文字化け。恵に草冠を足し、心の上にムを加えたような漢字。その『江戸文化評判記』では「十、『いき』についての野暮な解説」の項で次のように書かれている。《 ただし『いきの構造』は天保(一八三○〜四四)ころ…
昨日買った中野三敏『江戸文化評判記』中公新書1992年初版を読んだ。言われてみればそうだなと気づかされる事柄が多々あって、通説・思い込みの部屋の窓が開いて視野がぐっと拡がった気分。じつに愉快。これは良書だ。《 浮世絵の春画はなにゆえあれを大きく…
畳の部屋で障子越しの陽射しを受けて本を読む昼下がり。去年の今頃は美術館の片付けできりきり舞いだった。一年が過ぎてやっと落ち着いた気分。静かな生活を味わう。 午後、ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。中野三敏『江戸文化評判記』中公新書1992年初版…
ジェームズ・ヒルトン『失われた地平線』新潮文庫1996年14刷を読んだ。1933年の発表。1931年、インド北部で勃発した争乱を逃れて男三人女一人の乗った飛行機は、ニセの操縦士によってチベットの山深くにあるシャングリ・ラと呼ばれる桃源郷のような場所へ連…
障子越しの光のなかで工藤直子『工藤直子詩集』ハルキ文庫2007年5刷を読んだ、一つひとつの言葉が無理なく自然に胸に入り心にすっと届く。詩では珍しい体験だ。《 ものたちはおそらく太古から あたりきのように鮮やかなのであって わたしは ひょっとして今ま…
姫野カオルコ『昭和の犬』幻冬舎が直木賞、朝日新聞の記事から。《 ――「すっぴんは事件か?」というエッセイを書いておられます。今日は晴れの日なので少しはお化粧も? どこまでを言うんでしょう。ファンデは塗っていません。マスカラも塗ってません。 》 h…
新聞には都知事選とソチ・オリンピックの記事、広告。殿ご乱心VS.悪代官。そちも悪じゃのう。 姫野カオルコ『昭和の犬』幻冬舎が直木賞。これは嬉しい。遅すぎたくらいだ。本棚には文庫だけで三十冊あるが、祝してエッセイ集『すっぴんは事件か?』ちくま…
朝はぐっと冷え込んだけれど、午後には晴れる。西風がそよ吹く中、国道136号線を自転車で一路南下、ブックオフ函南店へ。文庫本を五冊。関口夏央・谷口ゴロー『坊ちゃんの時代 第四部 明治流星雨』双葉文庫2009年3刷、同『坊ちゃんの時代 第五部 不機嫌亭漱…
昨日の岩本素白『素湯のような話』、素湯は「さゆ」と読む。昨夕、結婚した東京の女性から初メール。《 越沼さんにもらった谷内六郎の絵日記 お気に入りの一冊になってます 》 それはうれしい。しかし、何年も前のことなので覚えていない……。新潮文庫の『谷…
曇天の寒空。部屋にこもっていたけど、動きたくなってブックオフ長泉店へ自転車で行く。数冊抜くが、棚に返す。気が乗らない。向かいの新刊書店で岩本素白『素湯のような話』ちくま文庫2014年初版帯付を購入。945円。今年初の新刊買いもの。 田中光ニ『爆発…
丸谷才一『みみづくの夢』中公文庫1988年初版読了。卓見、知見に満ちたエッセイ集だ。よく練られた密度の濃い、けれども重苦しくはない闊達な文章。感服。荒畑寒村の『寒村自伝』について論じた「あの少年のハーモニカ」から。《 この、今の風潮に向いている…
昨晩のご苦労さん会で、昼間の竹林刈り取り作業をして向こう側が見えて風通しがよくなった、と学生たちがやや興奮気味に発言していた。やはり論より実証、体験だと実感。放置竹林がなくなれば素晴らしい景色が現れる、とは言っても、実証されなければ話にな…
沼津市のギャラリー・カサブランカの女性オーナーから去年渡された安房直子『きつねの窓』ポプラポケット文庫2005年をやっと読んだ。メルヘン短編十篇を収録。味戸ケイコさんの挿絵がとても印象深かった「夢の果て」も収録されている。初読作品ではボーイ・…
毎日新聞昨夕刊、「特集ワイド」は政治思想史家・丸山真男(1914-1996)の言葉が紹介されている。文・小国綾子。《 <社会主義について永久革命を語ることは意味をなさぬ。永久革命はただ民主主義についてのみ語りうる(略)民主主義は制度としてでなく、プ…
正津勉『詩人の愛』36番目の詩は伊藤静雄「わがひとに与ふる哀歌」。冒頭二行。《 太陽は美しく輝き あるひは 太陽の美しく輝くことを希ひ 》 学生時代この二行を口ずさんでいた。この痛ましいまでの美しさ。選ばれた五十篇の詩、どれもいいが、それに輪を…
昼過ぎから雨。のんびりしていたら知人から電話。車に同乗、ブックオフ沼津原店へ初めて行く。なんと2月11日閉店。バーゲン、二冊で105円では買うしかないが、あるかなあ。隣でカゴにわっさわっさと入れている中年が年配と話している。「部屋は本で足の踏み…
曇り空で肌寒い。昼前にブックオフ函南店へ自転車で行く。水尾比呂志『日本造形史』武蔵野美術大学出版局2010年6刷、いその・えいたろう『性人伝』徳間文庫1999年3刷、平松洋子『サンドウィッチは銀座で』文春文庫2013年初版、フェリペ・フェルナンデスー=…
大晦日に「現在ロシア船が南極海で立ち往生しているようです。」の記事を当ブログに掲載。中国の砕氷船が救出に向っているという記事が毎日新聞に載っていたが、朝刊には二隻とも立ち往生、アメリカの砕氷船が救出に向っている、と。南氷洋氷の海で露中米の…
山口瞳『衣食足りて』河出書房新社2006年初版を読んだ。前半は半世紀前、東京オリンピック前の1963年の発表。でも全く古びていない。《 男にとっていちばん大事なのは友人です。妻とは別の意味ですが、仕事にも世わたりにも友人がいちばん大切です。これから…
富士山の雪がずいぶん減った。風に飛ばされたのだろう。ブックオフ函南店へ自転車で行く。文庫本を五冊。遠藤周作『哀歌』講談社文芸文庫1999年11刷、加藤周一『言葉と戦車を見すえて』ちくま学芸文庫2009年初版帯付、関川夏央・谷口ジロー『かの蒼空に』双…
次に何を読もうか迷った。昨日買った佐藤和歌子『悶々ホルモン』新潮文庫2011年初版を手にする。これを買った理由は、『間取りの手帖』リトル・モア2003年の著者だったから。加筆、再編集されてちくま文庫に入っているけど元本のほうが好き。《 女が一人で焼…
典厩五郎『探偵大杉栄の正月』早川書房2003年初版を読んだ。出獄して金欠病の大杉栄のところに旧知の官憲が来訪。失踪した成金の奥さんの探索を依頼される。とりあえず引き受けた人探しと帝都で勃発する軍隊がらみの放火との意外な接点が浮かび上がる。謎解…