2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『なぜ世界は存在しないのか』七

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版、「 VI 芸術の意味」を読んだ。 《 かくして芸術の意味は、通常であれば自明にすぎない物ごとを、注目するほかない奇妙な光のもとに置くことにあります。 》 256頁 フェルメールの…

『なぜ世界は存在しないのか』六

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版、「 V 宗教の意味」を読んだ。読んだが、どこまで理解できたか。 《 人間とは、自身が何なのか・誰なのかを知ろうとする存在です。この状況はたしかにもどかしいのですが、人間の精…

『なぜ世界は存在しないのか』五

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版、「 IV 自然科学の世界像」を読んだ。夕食前、不注意で机の角に目の上を 思いっきりぶつけ、流血。プロレスの流血を思い出した。たしかに傷は小さいけれども鮮血は流れるわ。そんな…

源兵衛川の浚渫など

朝、源兵衛川最下流部の土砂の浚渫と雑草の刈り取りへ。重機を入れ、十人ほどで作業。のんびりやろうと思っていたけど、いざ始まると頑張ってしまう。 作業完了。午後三時すぎ帰宅。ふう。コーヒーを淹れる。美味い。一休み。それからも一休み〜。昨日今日と…

梅花藻サミット

グラウンドワーク三島の「梅花藻サミット」のお手伝いで朝から外出。午後八時帰宅。ふう。 http://www.gwmishima.jp/modules/information/index.php?lid=1810&cid=66 ネット、いろいろ。 《 サミュエル・L・ジャクソン叔父貴「誰か銃撃戦したことある人、学…

『なぜ世界は存在しないのか』四

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版、「 III なぜ世界は存在しないのか」を読んだ。《 世界それ自体は、世界という舞台に登ることがありません。世界それ自体は、立ち現われてくることもなく、わたしたちにとって表象…

『なぜ世界は存在しないのか』三

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版、「 II 存在するとはどのようなことか」を読んだ。 《 対象とは、真偽に関わりうる思考によって考えることのできるもののことです。ここで言う真偽に関わりうる思考とは、真であっ…

『なぜ世界は存在しないのか』ニ

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版を少し読む。 《 それでも哲学者としては、こう判断することができます。宇宙は、物理学の対象領域ないし研究領域にほかならない以上、けっしてすべてではない、と。 》 「I これは…

『なぜ世界は存在しないのか』一

マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版を少し読む。これは……惹き込まれる。 《 なぜ世界が存在しないのかを理解するためには、何かが存在するとはそもそも何を意味するのかをまず理解しておかなければなりません。 》 「…

「1974年の山下洋輔トリオ」

講談社の文芸雑誌『群像』2016年3月号の随筆、松原隆一郎「身体と思想」にこんなくだり。 《 さて私が現在取り組んでいるテーマに「1974年の山下洋輔トリオ」がある。彼らは身体を極限まで震わせ、フリー・ジャズで世界を震撼させたグループである。 私…

『本を枕に』

奥本大三郎『本を枕に』集英社文庫1998年初版を読んだ。優れたエッセイ集だ。半ばの「金子光晴『マレー蘭印紀行』」で安楽な姿勢が起き上がった。 のんきな読書が眼光紙背に徹する気分に。書かれた文章の背後には膨大な知識が積まれている。対象の作家、金子…

『銀界』──静寂の響空──

トマス・ホーヴィング『にせもの美術史』朝日文庫2002年初版、「はじめに」を読み忘れていた。 《 芸術にそなわった気品が、わたしを世俗から解放してくれる。 》 14頁 《 みごとな芸術作品とともに暮らすのは、恋に落ちた状態と似ている。 》 14頁 《 わた…

『にせもの美術史』

メトロポリタン美術館の館長を務めたトマス・ホーヴィング『にせもの美術史』朝日文庫2002年初版、「13 鑑定ミスの功罪──ギリシャの馬とラ・トゥール」 を読んだ。ラ・トゥールとは画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥール。こりゃ一番に読みたくなる。冒頭、ド…

『視点発掘 緑と水の三島』

昨日会う予定の中学教員に手渡す資料の一枚が、「1979年(昭和54年)5月10日 木曜日 朝日新聞(夕刊)」の記事コピー『視点発掘 緑と水の三島』。 無記名。イラスト・松沢さとし。一部抜粋。 《 このほか、駅から1分、富士の溶岩流、泉水、原生林の「楽…

『忘れられる過去』

荒川洋治『忘れられる過去』朝日文庫2011年初版を読んだ。滞ることなくすらすら読んでしまった。いい文章だ。読みやすさは、漢字を減らしているから でもあるかな。引用したくなる文章がずいぶんある。その一部。 《 自分の体は、自分だけのものではない。も…

『弁護側の証人』

一昨日入手した小泉喜美子『弁護側の証人』集英社文庫2009年7刷帯付、裏表紙側の帯の推薦文「各氏絶賛」。 我孫子武丸 今だからこそ、広く読まれて欲しい一冊。 綾辻行人 『弁護側の証人』を読む、それはすなわち、 極上の魔法を体験するということである。 …

『ミシェル・セール』十

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「補論 『結合法論』におけるライプニッツ」を読んだ。これにて 読了。ふう。「あとがき」から。 《 程なくして「ヘルメス」の翻訳を読んで、私はすっかり驚倒してしま…

『ミシェル・セール』九

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第6章 『作家、学者、そして哲学者は世界を一周する』」 を読んだ。内容があまりに多岐にわたり、再読したが、やはり手に負えぬ。で、簡単に。 《 この書は直接的に…

『ミシェル・セール』八

昨日の引用「つねに戻ってくる」が強く印象に残ったが、その後の展開は把握しきれず。一夜明けて東京新聞朝刊、鷲田清一「喪失をどう伝える」を読んで 細い通路が開かれる予感。 《 震災後、避難所や仮設住宅に「取材お断り」の張り紙してあることを伝え聞い…

『ミシェル・セール』七

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第5章 『パラジット』」を読んだ。 《 智恵も力もない「弱者」でありながら、他社との関係で奇妙なほど優位な位置を得るもの。つねに傍らにいて、自分自身よりも強…

『ミシェル・セール』六

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第5章 『パラジット』」を少し読んだ。用事が続き、 ろくに読めずじまい。面白いのになあ。 今朝は六時四十七分−2.5℃。毎朝氷点下とは。布団から出る八時でも−0.4℃…

『ミシェル・セール』四

以下、昨日のこと。挙げるのを忘れていた。 清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第3章 『ライプニッツのシステム』」を読んだ。 短い章だが、二度読んでもよくわからなかった。読解、理解能力の乏しさ…

『ミシェル・セール』五

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第4章 『干渉』」を読んだ。 《 十七世紀から十九世紀までに発展した物理学は、もっぱら「光と音と熱の世界」、「磁気と電気の世界」であったと、セールは述べてい…

『ミシェル・セール』三

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第2章 『自然契約』」を読んだ。 《 流動的で目に見えない自然は、私たちを呑み込むほど大きな存在だが、じつは私たちによって踏みにじられるもの、その存在を脅か…

『ミシェル・セール』ニ

清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第1章『生成』」を読んだ。 《 現実の世界についてどう思考するか。世界の多様さや複雑さの多くの部分が、通常の私たちの思考からは漏れ出ている、と彼は考える。 …

『ミシェル・セール』一

清水高志「オブジェクトと寄物陳志──ブリュノ・ラトゥール『近代の〈物神事実〉崇拝について』、グレアム・ハーマン『四方対象』ほか」で、 昨日の『四方対象』へ言及。なかなか刺激的。 http://10plus1.jp/monthly/2018/01/issue-02.php《 たとえば下方解体…

『四方対象』九

グレアム・ハーマン『四方対象 オブジェクト指向存在論入門』人文書院2017年初版、 「第九章 存在地誌」「第一○章 思弁的実在論」を読み、読了。 ふう〜。九章は四つの極の説明。よくわからんので引用は省略。 《 第一に対象は他の何ものにも還元されえず、…

『四方対象』八

グレアム・ハーマン『四方対象 オブジェクト指向存在論入門』人文書院2017年初版を少し読んだ。 《 これまで私たちは、世界を実在的な領域と感覚的な領域に分離したものとして語ってきた。このことは二つの誤解を招いてしまったかもしれない。 一つ目の誤解…