2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
レフ・トルストイ「アンナ・カレーニナ」をやっと読了。えらく時間がかかった。やれやれ。世界文学の傑作という評価は間違っていない。男女の、特に女性の心理をこれほど深くリアルに描いているとは。身につまされる心理描写が何箇所もあった。いかようにも…
昨日買った松沢呉一「エロ街道をゆく」ちくま文庫、「エイズ時代のコンドームマーケットとは?」の冒頭。 「私の目はここ数日腫れている。コンポステラのサックス奏者・篠田昌巳(元じゃがたら)が死んでしまった。音楽家としても、人間としても、篠田氏がも…
塚本邦雄「夕暮の諧調」収録「異端者の系譜」で小説の稲垣足穂も一九○○年の生まれと知った。気になってほかを調べると、小説の牧逸馬(別名は谷譲次、林不忘)もそうだった。一九○○年はモダーンな作家の当たり年か。 塚本邦雄の単行本は二十冊近く持っている…
昨晩は知人のお誘いに乗って彼の車でブックオフ三島徳倉店へ。和久峻三「雨月荘殺人事件」双葉文庫2004 年初版、山前譲・編「文豪のミステリー小説」集英社文庫2008年初版、計210円。前者は持っているけど、文庫本には二度とならないと思うので(都合のいい…
昨日ふれた塚本邦雄「夕暮の諧調」で、彼は俳人西東三鬼に言及して「桃源の鬼」を著している。そこには西東三鬼への痛烈な批評が展開されている。一部を引用する。 簡潔ならばもっと暴力的な単純さで、 「三鬼と呼ぶ傑出した俳句作家がいた。(引用者略)鬼…
安藤元雄「新版 ふらんす詩の散歩道」白水社1996年、「新版のはしがき」に、 「とりわけボードレールの『夕暮れのハーモニー』は全面的に改訳した。」 とある。昨日引用したのは、集英社版「世界文学全集」1981年からのもの。で、この改訳から二行を。 ごら…
塚本邦雄「夕暮の諧調」人文書院1971年、あとがき「微志片簡」から。「ここに夥しい既発表の文章の中から、かろうじて残すに足ると考えられる数篇を選んで、ささやかな一巻を編むこととした。」 本田一楊という人の短歌。 一茎(ひとくき)の花は日暮れとま…
シャルル・ボオドレールの名詩集「悪の華」について齋藤磯雄は「詩話・近代ふらんす秀詩鈔」で書いている。 「『悪の華』の詩篇の盡きぬ魅力の一つは、単純な外見のもとに限りなく複雑な内容を秘めている点にある、といへよう。」 「悪の華」収録の名詩「 Ha…
ポー「The Raven 」冒頭。 福永武彦訳「鴉」。 嘗てもの寂しい真夜中に、 日夏耿之介訳「大鴉」。 むかし荒涼たる夜半なりけり、 後半に繰り返し使われる字句「ネヴァモア Nevermore 」はどう訳されたか。 福永武彦訳。 鴉は答えた、『最早ない』 日夏耿之介…
昨日午後、京都の年配のご夫婦が来館。木版画のことで問い合わせてきた方。二時間近く木版画について語り合う。奥さんはにこにこして聞いており、ご主人は「版画の考えが180度変わりました。」と仰る。味戸展のレイアウトをしてくれた内野まゆみさんが「…
朝は吸い込まれそうな深い青空。山口誓子の処女句集「凍港」1932年を読む。 扇風器大き翼をやすめたり 夏の潮青く船首は垂直に 夏の河赤き鉄鎖のはし浸る 走馬燈死にゆくふたり舟を漕ぐ 冬日没(い)る金色(こんじき)の女体(にょたい)姦せられ 昼ながら…
昨日の静岡新聞朝刊「論壇」は、ニューヨーク大名誉教授佐藤隆三。 「アダム・スミスが提唱する自由放任の市場競争は、英国的制度と文化を背景とした自然発生的なもので、二千年以上の歴史を持つ日本に同化しているか否かは疑問である。」 「小泉政権の経済…
たった一日で真夏に戻ってしまった。未明に雨が降ったけど、朝も蒸し暑い。日中はもっと暑い。午後四時半過ぎ、雷鳴と驟雨。閉館時間には夏空が戻る。 新潮社の「世界詩人全集」を買っているのは私だけみたい。なのできょうは奮発して四冊購入。「4 キーツ…
昨日までも三日間の夏祭りが終えると、朝は涼しくて秋が近づく気配。夏バテはどこへやら、午前中から自転車を走らせてブックオフ三島徳倉店や知人たちに会う。夕食後はブックオフ長泉店へ。買ったのはこんな本。三島徳倉店では、小比木啓吾「フロイト」講談…
昨日の石田純一は、数人の女性たちに聞いたところ高感度アップだった。静岡新聞に写真。笑顔を振りまいているわ。 静岡新聞の書評欄を見てビックリ。草森紳一「夢の展翅」。知人画家の個展推薦文に「展翅」を使おうとしたけど、難しいと他の人から言われて断…
どっかの農水大臣が「やかましい」と発言して顰蹙を買っているけど、三島の夏祭りのお囃子はやったらやかましいけれど、これが三島の夏〜!だ。昨夜はうるさくてにぎやかだった。きょうの午後は俳優・タレントの石田純一が源頼朝に扮する頼朝行列。オバサン…
きょうから三日間三島市は夏祭り。昨夜から露天商が、我が家の前の大通りに店をつぎつぎに出している。日付が変わる夜更けに、向かいの神社で若い女性たちが声を張り上げて三島囃子の鐘の練習。何時じゃい、とは言わぬ。若い子の声は気持ちいいねえ。ぐっす…
先だって王紅花さんから恵まれた第三歌集「夏の終わりの」砂子屋書房2008年を詠み終えた。日常を現象学的手法で見つめ表現した作品が選ばれているように感じた。日常をありのままに見、それを喜怒哀楽や詠嘆ではなく、ありのままにすっと言葉に移す。ことば…
午後、知人二人と裾野市の鉄工所を訪問。いろいろな道具や金属を興味深く拝見。使い込まれよく手入れされたアナログな道具が、渋く粋な輝きを魅せている。相変わらず素晴らしい。もう一冊を、と所望されていた、この鉄工所を知人が撮った写真アルバムを贈呈。
昨夜は自転車でブックオフ函南店へ。柄谷行人・編「近代日本の批評 I 昭和編(上)」「近代日本の批評 II 昭和編(下)」講談社文芸文庫1997年初版、レイモンド・チャンドラー他「フィリップ・マーロウの事件」ハヤカワ文庫2007年初版、計315円。汗びっしょ…
昨日触れた「戦後短篇小説再発見2 性の根源へ」講談社文芸文庫は、井口時男の解説が面白かった。「性は人とつながろうとする欲望であることによって、かえって人を孤独へと突き落とす。だから性はたんに『肉体』の問題ではなく、『精神』の問題なのだ。」「…
「戦後短篇小説再発見2 性の根源へ」講談社文芸文庫を読んだ。「性の根源へ」ではなく「性の諸相」だろう。「エロスとしての人間に肉迫する十一編」もどかしい思いが残る。私の読解力が弱いのか、求めているところが違うのか。 昼食後、源兵衛川の月例清掃…
昨夜同様、今朝も寝苦しかった。うとうとしていて思い浮かんだSFネタ。 異星から来た吸血鬼が他の星へ脱出するためにNASAに忍び込み、宇宙船内まで隠れて乗り込んだ。人間の血を体一杯に吸い込んで船内に潜んでいると、打ち上げに。でも、一気に加速し…
日が昇る前から蒸し暑い。知人女性は3キロ痩せたと。私は夏痩せはしていない気配。体重計、今年はまだ乗っていない。乗る予定もなし。 タモリの故赤塚不二夫への 弔辞がネットで話題に。私が死んでも弔辞を読む人、いるのかなあ。こりゃ不謹慎か。 「村上春…
立秋。朝、蒸し暑くなかった。日が昇ると暑い。 次回毎日オークションは内藤ルネ人形美術館からも出品される。あの人形が……。主亡き後のコレクションはこうして散逸してゆく。 ネットオークションで落札した北一明氏の著作がどっさり届いた。積むと7.5セン…
昨晩はNHK歌謡コンサート「特集 阿久悠」を視聴。北原ミレイが「ざんげの値打ちもない」の幻の4番を歌った。ビデオに撮らなかったので誤記があるかもしれないけど、メモをもとに書き写す。 あれは何月風の夜 とうに二十歳も過ぎた頃 鉄の格子の空を見て …
午後、そばの源兵衛川に裸足で入り、涼む。たくさんの子どもがパチャパチャと水遊びしている。小学校高学年と思しき少女たちは小さな網で小魚(1センチにもならないハヤの子)や沢蟹を捕っている。男の子はもう少し大きいハヤをたくさん捕まえている。上流…
日本推理作家協会編「零時の犯罪予報 ミステリー傑作選46」講談社文庫2005年を読んだ。秀作揃いで、極上寿司握りセットを賞味した印象。収録十作で私のベストは北森鴻「根付け供養」。大トロ級(食ったことないけど)だ。郷原宏の解説。 「これはもう名人芸…
筒井康隆「佇むひと リリカル短篇集」角川文庫の解説で小池真理子は「母子像」を筒井康隆の短篇ベストワンと評価していたので、手元にある別の本で読んでみた。異次元世界へ入り込んでしまった妻子を探す男の話だった。これは四十年あまり前、テレビ放送され…
昨夜は日本テレビ「ヒットメーカー!阿久悠物語」を見入ってしまった。ドラマの主な舞台は1970年代。私の二十代と重なる。二十代は挫折の日々、渇望の日々だった。中三トリオ、ピンクレディーらの場面を見ながら当時の心境を回想していた。EPレコードの沢…