2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『詩のこころを読む』再読つづき

昨日は不意の来客やホタル見物への案内が続いて、途中で日録を切り上げた。源兵衛川・水の苑緑地に舞うホタルを皆さん堪能された。 ま、それでいいんだけど、なんか尻切れな『詩のこころを読む』。で、少し補足。 《 たとえば日本がどこかの国の植民地になり…

『詩のこころを読む』再読

一昨日の話題、森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』幻冬舎2003年初版以降、趣都アキハバラはメイドカフェ天国に なったらしい。行ってないないから確認できないけど。それに呼応するかのような地方の痴呆的ゆるキャラ(ご当地キャラ)の簇生。 こ…

ジャズマンの視点で

『ジャズ・レコード100周年記念コンピレイション(ジャズマンが選ぶ25曲選盤/選曲・菊地成孔)』が発売。 http://store.universal-music.co.jp/product/uccu1541/ 演奏家は全員知っているけど、選曲は知っている演奏知らない演奏さまざま。「ジャズマンの視…

『趣都の誕生』

森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』幻冬舎2003年初版を読んだ。一気読みの面白さ。参りました。 先の柄谷行人『日本近代文学の起源』が明治・大正の近代文学の「起源」を扱ったのに対し、森川嘉一郎『趣都の誕生』は 昭和前期を助走とし、昭和後…

『日本近代文学の起源』再読

柄谷行人『日本近代文学の起源』講談社文芸文庫1990年9刷を再読。以前読んだ時の付箋とは別の箇所に付箋を貼る。 こんなに貼るとは。これじゃ貼るまでことはなかったような。なのに、最終章「6 構成力について」では付箋はたった一つ。 再読でも一つ。絵画…

ギミックの鍵穴

生真面目、糞真面目の反対語に私は可笑しみを置いている。美術作品には可笑しみが必要と漠然と思っていたけど、それはギミックに 言い換えたほうが適切のようだ。ギミック gimmick =仕掛け、からくり、新手。外来語はあまり使いたくはないが、日本語の仕掛…

「ゾンネンシュターン、それは私だ」

1980年代のサンリオ・ギフトブックの調査は見送り。気になる本はわずか。 数日前、知人女性から届いた手紙には東京ステーションギャラリーのアドルフ・ヴェルフリ展の感想が記されていた。 《 アドルフ氏の絵は、こちら迄狂人になってしまいそうでしたが、何…

1970年代後半のサンリオ・ギフトブックの発行日

昨日の続き。1970年代後半に出た本で判明したものをあげる。サンリオキャラクターなどの本は除外。不注意による誤記はあるかも。 『愛のいたみに』 ハイネ 飯吉光夫訳 司修 1975.11.25 『わたしはとても悲しかった』 リルケ 飯吉光夫訳 葉祥明 1977.6.1 『わ…

1970年代前半のサンリオ・ギフトブックの発行日

昨日のサンリオ・ギフト文庫とは別の息の長いシリーズ、サンリオ・ギフトブックの1970年代前半を、高田敏子・編『北原白秋詩集』 1975年の見返しの目録ほかによりまとめた。暫定。まだあると思う。題名、作者・訳編者、挿絵の画家・写真家、初版発行日。 年…

サンリオ・ギフト文庫の発行日

昨日あげた記事、サンリオ・ギフト文庫の発行日を二冊追加して記しておく。こういうのって苦手。だけどなんか愉しい。 『マッチ売りの少女』 アンデルセン 味戸ケイコ 1974.11.30 『小さい人魚姫』 アンデルセン 味戸ケイコ 1975.6.15 『みにくいあひるの子…

サンリオ・ギフト文庫

先だって立原道造・文/高柳佐知子・絵『花散る里』サンリオ・ギフト文庫1976年初版を入手。思い立ってサンリオ・ギフト 文庫を調べる。アンデルセン・文/味戸ケイコ・絵『マッチ売りの少女』11974年に始まる花布(はなぎれ)の付いた、挿絵が 黒一色のシリ…

清住緑地

午前午後、昼食をはさんで境川清住緑地の整備作業に参加。何組もの親子連れが魚取りに来る。午後四時終了。 ふう、汗をかいた。 本を読んでいて国木田独歩から江戸川乱歩を連想。国木田と江戸川。独歩と乱歩。うーむ。 ネット、いろいろ。 《 うかつにtwitte…

「不安な個人、立ちすくむ国家」

『平成29年5月 次官・若手プロジェクト「不安な個人、立ちすくむ国家」』が現状分析と克服すべきすべき課題と、 それを実現すべき方策を提言している。簡単明瞭な論点整理がなされている。これは優れたたたき台だ。澎湃と湧き上がれ激論。 http://www.meti.…

「すぐり」

王紅花さんから個人誌『夏暦』四十五号を恵まれる。なかの一首 林檎の苗木植ゑて空を仰ぐ 十年待つのかあるいは二十年待つのか に堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫の一節が浮かぶ。チェーホフの晩年の短篇『すぐり』にふれている。 《 ニコライは十九歳のとき…

連想力

いろいろな言葉に「力」一字を接続すると面白い言語表現ができる。変態力(こんな言葉がまず浮かぶとは)、利己力、 顔力(何だろう)、泣き落とし力、借金力……。キリがない。最近浮かんだのは「連想力」。この前読んだ蔵本由紀(よしき) 『非線形科学』集…

インタビューなど

昼前、日曜日に買った被覆に白砂勝敏さんの卵型一論挿しの素焼きオブジェを入れてギャラリー・カサブランカを再訪。 単に見せたかっただけだが。お二人、しげしげと眺めていらした。被覆に合っている、とお二人の感想。なところへ電話。 グラウンワーク三島…

『非線形科学』つづき

蔵本由紀(よしき)『非線形科学』集英社新書2007年2刷、後半も読了。平易に書かれているが、学者の言葉はわかりにくい。 《 分子が互いに独立して運動している気体を考えます。マクロなサイズの気体の目安として一モルの気体を考えてみますと、 それはアボ…

『非線形科学』

蔵本由紀(よしき)『非線形科学』集英社新書2007年2刷、前半「第一章 崩壊と創造」「第二章 力学的自然像」 「第三章 パターン形成」を読了。といっても、文系の頭には中途半端な、理解とも言えない、とりあえず読んだ。後半、 「第四章 リズムと同期」の冒…

感じる・菅野邦彦

何人もの画家から、私は絵がわかると驚かれる。私の場合、わかるより先に感じることに注力する。大学で専攻した社会学で 何よりも覚えているのが、理解的認識。まずは対象を理解すること。そのためにはどうすればよいのか。振り返ってみれば、 そこでの試行…

「非線形ダイナミクス(動力学)」

絵であれ言葉であれ、未知の表現に出合うとワクワクする。きょう出合ったのは「非線形ダイナミクス(動力学)」という用語。 蔵本由紀(よしき)『非線形科学』集英社新書2007年2刷の「プロローグ」18頁。ドカンと来た〜てな気分。「まえがき」にも 嬉しいく…

『河岸忘日抄』

堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫2008年初版を読了。ゆらゆらと水の揺れるに身を委ねるような愉しい読書だった。 《 自分で自分に嘘をついてしまった瞬間、ひとは大人になる。 》 306頁 《 郵送されてきた手紙なら、ナイフやハサミがあれば、また人差し指があ…

「風の薔薇」「野猿」

堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫を少し読んだ。 《 三十ニの区分けで風向を示す羅針盤のことを、この国の言葉で「風の薔薇」という。 》 237頁 書肆風の薔薇から出版されたアレホ・カルペンティエル『光の世紀』1990年初版。四半世紀経って「風の薔薇」の由…

愛、和、今、エピタフ

午前、自転車で回っていろいろ用事を片付ける。午後はクター。堀江敏幸『河岸忘日抄』新潮文庫を少し読んだ。 《 手軽で単純にみえる料理ほど奥は深い。オムレツは、その筆頭にあるもののひとつだ。ナイフを入れると汁がじわりと 沁みだしてくる半熟タイプで…

正直者

映画女優轟夕起子の熱烈な研究家山口博哉さんから冊子『月刊 トドロキ ユキコ 第35号』が届く。副題「祝 おめでとう 生誕100年」「追悼 没後50年」。山口さんが生まれた時には故人になっていた。しかし、情熱は燃え上がる。大阪人は違うわ。 「家系図につい…

最低の落書き

昨日、田町カフェで白砂勝敏さんに卵型一輪挿しの魅力を語った後、顔見知りの女性から話しかけられた。某市某 ギャラリーを中心にアートで街興しを考えているけど、いいアイデアを、と。ここにこんなに人が集まるなんて、彼女の 市のアートフェアではあり得…

近代人と前近代人

この数日いろいろな画家に遭遇。ある画家から絵は描かないのですか、と訊かれた。絵はデッサンも描きませんと答えた。 絵を描かないのに、どうして絵がわかり、画家の心理までもを見通してしまうのかが不思議だったようだ。画家たちによる 画家たちの批評を…

歩行者天国

この連休、他所からの人、外国人がやたら目についた。案内地図かスマホ片手に周囲を見ているから見分けがつく。 我が家の前の大通りは歩行者天国。大賑わい。バンバカ鳴り物入りだが五月蝿くはない。どこかの高校の応援団まで。 団員の女の子がカウィイから…

『掏摸(スリ)』

昨日午後、小さなギャラリー三軒で作品を展示している「GYOWTEN」を歩いて見に行く。 https://blogs.yahoo.co.jp/teketekeweb/GALLERY/show_image.html?id=36687936&no=2 岡部旗店ギャラリーでヒロ中島という三歳年上の画家の絵に注目。墨で簡略に描…

憲法記念日 『月に吠える』

萩原朔太郎『月に吠える』。1917年2月の刊行から百年。十代後半、何故か彼の詩に惹かれた。おそらく彼の孤独、孤愁が 琴線に触れたのだろう。当時鬱病気味だった自分にはじつに身近な詩情だった。序から。 《 私の詩の読者にのぞむところは、詩の表面に表は…

『聖家族(下)』

古川日出男『聖家族(下)』新潮文庫2014年初版を読了。困難な読書だった。今読まねば読むことはないだろうと読み進めた。 なんとか読了。下巻には登場人物の相関図が掲載されている。いろいろ取りざたされるだろうとは思う。村上春樹『世界の終りと ハード…