2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧
11月29日(水)~12月3日(日)、三嶋大社宝物殿ギャラリーで開催する「三島ゆかりの作家展」まで二か月になったので、展示内容を公開。 美術家(絵画、造形など) 内田公雄 内野まゆみ 岡部稔 柿沼忍昭 久原大河 小山達也 坂部隆芳 下山曻 白砂勝敏 坂東壮…
萩原朔太郎第二詩集『青猫』大正十二年一月刊行、「序」を読んだ。『月に吠える』同様、親近感を覚える。《 日頃はあてもなく異性を恋して春の野末を馳(は)せめぐり、ひとり樹木の幹に抱きついて「恋を恋する人」の愁(うれゐ)をうたつた。 》《 感覚的憂…
萩原朔太郎 『月に吠える』を読了。再読は何十年ぶりか。いくつかの発見があった。若い時には気づかなかったこと。その一例。《 孤独 田舎の白っぽい道端で、 つかれた馬のこころが、 ひからびた日向(ひなた)の草をみつめている、 ななめに、しのしのとほ…
『月に吠える』冒頭の詩「地面の底の病気の顔」。《 地面の底の病気の顔 地面の底に顔があらはれ、 さみしい病人の顔があらはれ。 地面の底のくらやみに、 うらうら草の茎が萌えそめ、 鼠の巣が萌えそめ、 巣にこんがらかつてゐる、 かずしれぬ髪の毛がふる…
昨晩、薄雲を突き破るように煌々と光る半月を仰いで、萩原朔太郎32歳の初詩集『月に吠える』大正六年(1917年)刊を想起した。『日本の詩歌 14 萩原朔太郎』中央公論社昭和43年1月13日初版発行を久しぶりに開く。青春時代よく読んだ本の一つ。「序」をまとも…
ティム・インゴルド『人類学とは何か』亜紀書房2020年3月26日 初版第1刷発行、奥野克己「解説」を読んだ。解説を読んだからといって理解が深まったわけではない。本文のほうが躍動している。面白い。本文だけで十分という気がする。
ティム・インゴルド『人類学とは何か』亜紀書房2020年3月26日 初版第1刷発行、「第4章 社会的なるものを再考する」を読んだ。《 一九八八年のある日、ついに私は、社会関係をもつことと有機体であることは、人間存在の二つの面なのではなく、同じ一つのもの…
ティム・インゴルド『人類学とは何か』亜紀書房2020年3月26日 初版第1刷発行、「第1章 他者を真剣に受け取ること」を読んだ。《 私の定義では、人類学とは、世界に入っていき、人々とともにする哲学である。 》 9頁《 世界は生産、分配および消費のシステム…
芸能でもある芸術。芸術オンリーではなく。芸術でもある芸能。芸能オンリーではなく。芸能と芸術。その境界はあいまい。重なり交錯するところがある。明確な境界線を引くこともない。縄文深鉢土器は、芸能でもあり芸術でもある。どちらに重点が置かれようと…
昨日じっくり愉しんだ『Blues-ette』。これ(再発売盤)を購入した1970年代初頭、柴田博が解説で書いていることが気になった。《 こんなとき、ハード・バップとかファンキーのあわれな末期的な状態についてふれらている文章などに出くわすと、わが劣等コンプ…
私信二通の返事を認める。下手な字だ。郵便ポストへ歩いて行くだけで汗~。往復十分もないけれど、もう充分歩いた気分。もう~しっかり夏バテ。しかし、それでも黄昏てくると少しは気力恢復。で、ふと気づいた。ジャズがある。そう、こういうときにはゆる~…
暑い夏はまだ終わらず。買い物にも出ず、読書もお休み。明日できる用事は明日に。晩は屋上で夕食。夕空を仰いでゆっくり。
『富澤赤黄男 高屋窓秋 渡邊白泉集』朝日文庫 昭和60年5月20日 第1刷発行、収録「渡邊白泉句集」後半を読んだ。私的に印象深い句をいくつか。 鶯やくりまつかしはくぬぎなら 頂上で靴下を脱ぐ花の山 地平より原爆に照らされたき日 行春やピアノに似たる霊柩…
『富澤赤黄男 高屋窓秋 渡邊白泉集』朝日文庫 昭和60年5月20日 第1刷発行、収録「渡邊白泉句集」を読んだ。戦前戦中の作から私的に印象深い句をいくつか。 熔岩は太古のごとく朝焼けぬ (西湖) 緑蔭に潜水夫さへ走りたり ひとら去り日も去り谺樹に残る 労働…
白井喬二『富士に立つ影』を河出書房の三冊本(昭和三十一年九月十日初版発行)、上巻を少し読んだ。元は新聞連載小説。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E3%81%AB%E7%AB%8B%E3%81%A4%E5%BD%B1 百年ほど前の大ベストセラー小説とはどんな…
未明、寝苦しくてふと目覚める。そこに浮かんだことば「墓地」と「基地」。浮かんだのはひらがなの「ぼち」と「きち」。はてさてどんな漢字だったっけ、と眠気が去って気になって仕方ない。こんな簡単な漢字が覚束ないとは。よいしょと起きてライティング・…
午後、源兵衛川中流、三石神社周辺の雑草の刈り取りに、都留文科大学の学生35人がボランティアで来訪。テキパキと作業が進む。若いってことはこういうことか。こちらは休み休み。年をとっているなあ、とあらためて実感。午後4時半過ぎ帰宅。ふう~。水を…
「J4、KAOS」。ジェイ・フォーまたの名をカオス。 J4=縄文の四人。 KAOS=北一明、味戸ケイコ、奥野淑子、白砂勝敏。 私の美術コレクションの中核をなす、現代=昭和生まれの四人。そして極東日本の縄文の息吹きを伝える四人。
堤未果『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』幻冬舎新書二〇二三年五月三十日 第一冊刷発行、「第2章 命につけられる値札──コロナショック・ドクトリン」を読んだ。《 世界が絶賛する、「いつでもどこでも誰でも、分け隔て…
堤未果『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』幻冬舎新書二〇二三年五月三十日 第一冊刷発行、「序章 9.11と3.11──私のショック・ドクトリン」を読んだ。《 武器というのは不思議なもので、増やせば増やすほと不安が大きくな…
今井なつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書2023年6月20日3版、「第6章 子どもの言語習得2──アブダクション推論篇」を読んだ。《 あることばが指す典型的な対象をいくつか知っているだけでは、そのことばの意味を本当に「…
今井なつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書2023年6月20日3版、「第3章 オノマトペは言語か」「第4章 子どもの言語習得1──オノマトペ篇」を読んだ。 「第5章 言語の進化」を読んだ。《 先ほどの手話の進化の過程で述べ…
今井なつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書2023年6月20日3版を少し読んだ。 https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/05/102756.html オノマトペ(擬音語、擬態語、擬情語)には興味があるが、こんな本格的な研究には初めて…
寝覚めに塚本邦雄の短歌 ほほゑみに肖てはるかなれ霜月の火事の中なるピアノ一臺 (肖て=にて~似て」) が浮かんだ。そしてもう一首 瞋りこそこの世に遺す花としてたてがみに夜の霜ふれるかな (瞋り=いかり~怒り) が浮かんだ。忘れがたい名歌。これら…
ステファヌ・マラルメ(柏倉康夫・訳)『賽の一振り』月曜社2022年3月18日第1刷発行を再読。「訳者解説」から。《 白地の上に黒で書かれた文字により、作品に可視的な律動をあたえることで、時間から脱せしめ、永遠へと昇華させること、音楽の持つ時間性を、…
11月29日(水)~12月3日(日)に三嶋大社宝物館ギャラリーで私が催す「三島ゆかりの作家展」には明治の小杉未醒、山藤章二が描いた昭和の三島の風景、三嶋大社境内で開催された音楽公演のポスターなどの絵画から、藤城清治の自伝からの三島の記述など、文章…
昨日再読を終えた安藤礼二『縄文論』作品社を読んでいて、味戸ケイコ、奥野淑子(きよこ)、北一明(かずあき)そして白砂勝敏の作品が思い浮かんだ。 http://web.thn.jp/kbi/ajie.htm http://web.thn.jp/kbi/okuno.htm http://web.thn.jp/kbi/ksina.htm htt…
安藤礼二『縄文論』作品社二〇二二年一一月一〇日第一刷発行、「まれびと論」の「折口信夫の「まれびと」」を再読した。《 シャマニズム的な憑依、「神憑り」の上に仏教的な世界観が重なり合い、それらが一つに融け合うこと、つまりは一つに「習合」すること…
昨日の論創社「本を読む #091〈梶井純『戦後の貸本文化』〉」のリンクがつながらない、というか・・・。パソコンを替えてから不具合が続く。苦老人にはお手上げ。 安藤礼二『縄文論』作品社二〇二二年一一月一〇日第一刷発行、「まれびと論」の「まれびとの…
安藤礼二『縄文論』作品社二〇二二年一一月一〇日第一刷発行、「南島論」を再読した。短いが、これまたじつに刺激的だ。《 つまり、列島における国家の起源には〈母系〉制の社会が位置づけられ、その最も古くまた最も典型的な構造は、「〈姉妹〉が神権を掌握…