2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「意味がない無意味」再び 昨日の日録からの連想で先だって読んだ千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社の表題論文「意味がない無意味」を再読。郡司ペギオ幸夫『天然知能』と 交錯する気がするが、そこの関わり方が、私にはよくわからない。気がするだ…
『別冊│現代詩手帖│第二号 ルイスキャロル』 昨日ふれた『別冊│現代詩手帖│第二号 ルイスキャロル』思潮社1972年を拾い読み。 加藤郁乎(いくや)のナンセンス詩「ありす元年」に微苦笑。その一部。 《 いつまでも少女すぎるのは 理婦人すぎるね 》 《 われ…
『奇想の展覧会』 種村季弘『奇想の展覧会』河出書房新社1998年初版、今読み返すと、唸ってしまう記述に次々と出合う。 《 前人未踏という意味は、処女地という未知に遭遇したということではなくて、処女地と思ったそこをなおかつ何者かが通過した、その痕跡…
『漫画と紀行』 三島市を他所の人がどう見ているか、を文献から探る作業を昨夜から開始。古くは小杉未醒『漫画と紀行』博文館明治42(1909)年から新しいところは池内紀(おさむ) のエッセイ「富士 ある山の伝記 第六回 火の山 水の山」(『考える人』新潮…
『天然知能』八 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「8 ふったち猫──ダサカッコワルイ天然知能」を読んだ。これにて読了。 《 異質なものを受け容れ続けることにしか、外部に開かれる術はないのです。若いあなたもまた、天然知能を全開…
『天然知能』七 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「7 ライオン──決定論・局所性・自由意志」を読んだ。しかし、いろいろな事情でオツムは空転。 ここは読み飛ばす。元気なときに再挑戦。と、逃げる。 未明から雨。昨日動きすぎたので…
『天然知能』六 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「6 ヤマトシジミ──新しい実在論の向こう側」を読んだ。半分眠っているようなオツムが、俄然覚醒…… したような一章。 《 メイヤスー、ガブリエル、ハーマンを比べてみると、ハーマン…
『天然知能』六 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「5 オオウツボカズラ──いいかげんな進化」を読んだ。この章もまた、私には最も苦手な内容。 難しいことは書いてないのだけれど。とりあえず読んだ(だけ)。後日じっくり再読だ。 《…
『天然知能』五 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「4 カブトムシ──努力する神経細胞」を読んだ。 《 果たして、機械的生化学反応の実体も、「世界」も言葉も天然知能だったのです。 》 128頁 神経細胞から現実と仮想現実、そしてカブ…
『天然知能』四 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「3 イワシ──UFOはなぜ宇宙人の乗り物なのか」を読んだ。 《 触覚は絶えず、双方向的です。わたしが対象に触れ、作用するとき、必ず対象からわたしへの反作用があります。触覚は、…
『天然知能』三 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷、「2 サワロサボテン──無意識という外部」を読んだ。 《 それは全てを見渡せない天然知能としての決定なのです。それは、「河床は痛みを感じるか」や、「モノは心を持つか」という一般…
『天然知能』ニ 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷を少し読む。「ダサカッコワルイ宣言」から。 《 芸術家とは本来、そのような外部への感受性に優れた人ですが、メディア・アート、モダンアートの流行と科学化によって、疑わしいものと…
『天然知能』 郡司ペギオ幸夫『天然知能』講談社選書メチエ2019年2刷を少し読む。冒頭からすごく刺激的。見慣れた世界が未知の世界にぐいぐい拡張される。ちょっと一休み。 朝、自宅のドアを交換。四十年近く経ったのでガタがきていた。 雑用を済ませて午後…
彼岸の入り 彼岸の入り。朝からいろいろな用事で外出。昼食は自宅で済ませたが、午後も外出。友だちのバス乗車下車の指導。注意散漫な小学生に教える気分。午後四時帰宅。 疲れた~気分。友だちから戻ってきた音楽CD『 Rhythm country and Blues 』を聴く…
『細雪』補遺 昨日記したように『細雪』中巻十五に『新青年』が話題に挙がっている。丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士『文学全集を立ちあげる』文春文庫2010年初版から。 《 丸谷 それとはまた別なんだよね。谷崎が「新青年」に「武州公秘話」なんかを書く。あれ…
『細雪』六 谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版、「下巻」を読んだ。『細雪』全篇読了。感想は……何とも言えない。で、辞書を引いた漢字の”孰”。 今になって読み方に気づいた。いずれ、だ。部首が”子”とは。それは考えなかった。まだ…
『細雪』五 谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版、「下巻」を少し読む。 《 彼は學生時代から作文には自信があるので、書きにくい文躯で委曲を悉すやうに書き上げることは左程むづかしいとも思わなかつたが、書き過ぎると逆効果にな…
『細雪』四 谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版、「中巻」を読了。 朝、小用を済ませる。帰宅してコーヒーを味わう。もう一日が終わった気分。それではいかん、と源兵衛川中流、水の苑緑地・かわせみ橋~その下流の無名橋の下まで …
『細雪』三 谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版を少し読んだ。中巻が始まると間もなく芦屋を襲った山津波の描写。狩野川台風の悲惨を想起した。 洪水時の水の恐ろしさ。源兵衛川の増水でさえそうだから。鬼気迫る冷静な描写だ。関係…
『細雪』ニ 谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版、「上巻」を読了。しょうもない見合い相手の男を描かせたら天下一だな、谷崎潤一郎。 朝、源兵衛川中流、水の苑緑地・かわせみ橋下流で茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなって作業…
『細雪』一 今が読む時、今しかないと、谷崎潤一郎全集 第十五巻『細雪』中央公論社1973年普及版初版を開く。九百頁弱。佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか』より薄いわ。 活字は大き目だし、なんたって小説。「ささめゆき」と読む。『源氏物語』を連想させる…
解釈の更新、解釈の革新 きょうの東京新聞を読んで解釈の更新と革新を思った。渡部信「聖書──五度目の和訳 (下)」から。 《 日本語の聖書は、一八八七年に初めて「明治元訳聖書」が発刊され、それ以降、ニ◯一八年の「聖書協会共同訳聖書」まで、ほぼ三十年…
『絵は語り始めるだろうか』十一 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「31 ノーマン・ブライソン著 佐藤康宏訳 「身体を西洋化する── 明治洋画における女性、美術、権力」を読んだ。卓見多し。 《 それほどに近代化は…
『絵は語り始めるだろうか』十 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「30 ノーマン・ブライソン著 佐藤康宏訳 「言説、形象── 『言葉とイメージ』第一章』」を読んだ。絵画における「写実」と「遠近法」を見事に解体し…
『絵は語り始めるだろうか』お休み 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「30 ノーマン・ブライソン著 佐藤康宏訳 「言説、形象── 『言葉とイメージ』第一章』」を少し読んで中断。体調が昨晩から思わしくない。過労。…
『絵は語り始めるだろうか』九 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「25 小林清親東京名所図──「海運橋」を中心に」を読んだ。清親(きよちか) にはさほど興味を持たない。読んでも変わらない。 「26 文化庁の仕事──…
『絵は語り始めるだろうか』八 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「22 雨後のカンタン──渡邉崋山「芸妓図」を読む」を読んだ。カンタンは、 漢字が出ない。蓮の花の意味。昨日取りあげた『文人畫三大家集』審美書院…
『絵は語り始めるだろうか』七 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「17 見返り美人を振り返る」を読んだ。菱川師宣の『見返り美人』について。 《 これを傑作などと称するのはいかな師宣びいきでも堪え難い。彼の作品…
『絵は語り始めるだろうか』六 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「14 南蛮屏風の意味構造」を読んだ。前章と同じく興味のない分野だが、 その精緻な分析と深い読みで読んでしまった。 《 日本に来航したポルトガル…
『絵は語り始めるだろうか』五 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか 日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版、「12 室町の都市図」を読んだ。 《 およそ都市の魅力は、人を孤立させ迷わせる不可視の構造、そこで何が起こり何と遭遇するか予測できないがゆえの…