2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朋あり遠方より来る(閑人亭日録)

午後、のんびりしているところへ近所のカメラ店フォトライフシェルパの勝又クンから電話。フジフィルムの「あなたが主役の写真展2023」に応募するする写真を「今から撮りに行っていい?」「いいよ」。すぐ来訪。何と久原大河クンを連れている。二十年ぶりの…

『社会的共通資本』再読・六(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行、「第5章 社会的共通資本としての医療」を読んだ。《 しかし、この、社会的基準は決して官僚的に管理されるものであってはならないし、また市場的基準によって配分されるものであってはならない…

『社会的共通資本』再読・五(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行、[「第4章 学校教育を考える」を読んだ。《 学校教育のパフォーマンスは、社会的統合、平等主義、人格的発達という、三つの機能について、一人一人の小どもたちにどれだけの効果を与えることが…

『社会的共通資本』再読・四(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行、[第3章 都市を考える]を読んだ。《 近代的都市計画はこのように、都市に住んで、生活を営む生活者としての人間をほとんど無視して、都市計画者自身がもっている単元的、画一的で浅薄な人間像…

『社会的共通資本』再読・三(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行、[第2章 農業と農村]を読んだ。《 一つの国がたんに経済的な観点だけでなく、社会的、文化的な観点からも安定的な発展を遂げるためには、農村の規模がある程度安定的な水準に維持されるされる…

『社会的共通資本』再読・二(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行、[第1章 社会的共通資本の考え方]を読んだ。経済学の歴史が語られる。《 私はかつて、歴史の捻転という表現を用いて、その特徴を浮き彫りにしたことがある。一九七○年代から八○年代の半ば頃ま…

『社会的共通資本』再読(閑人亭日録)

宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年11月20日第1刷発行を久しぶりに少し再読。「はしがき」から読ませる。《 社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会…

『木造モルタルの王國』(閑人亭日録)

『木造モルタルの王國──[ガロ]二○年史』青林堂一九八四年十二月一日初版発行を開く。重い。重さも厚さも大きさも、藤堂明保 編『学研 漢和大字典』学習研究社 昭和57年12月27日 第16刷発行とほぼ同じ。前者は1200頁。後者は1830頁。紙の厚さが違う。買った…

桜井文庫の水木しげるなど(閑人亭日録)

昨日の『古墳大秘記』の引用に出ている東考社の桜井昌一は、NHKテレビの朝の連続ドラマ『ゲゲゲの女房』の戌井(いぬい)さんのモデル。 https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010021672SA000/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E4%BA%95%E6%98%8…

『墓場の鬼太郎』ほか(閑人亭日録)

手元にある水木しげるの本で一番古いのは『墓場の鬼太郎』コダマプレス昭和41年7月5日発行。次に古いのは『忍法屁話』コダマプレス昭和41年12月8日のゴム印が、 昭和41年5月10日発行の印刷を二本の線で消してある下に押してある。続いて『猫又』朝日ソノ…

『つげ義春作品集』ほか(閑人亭日録)

『林静一作品集』青林堂を取り上げたら『つげ義春作品集』青林堂1969年4月15日第一刷発行を取り上げなくては。『ガロ』の安い紙質ではなく、しっかりした紙。堅表紙。重い。《 ここに集めた作品は、すべて漫画雑誌「ガロ」に発表したものばかりで、年代順に…

『林静一作品集』(閑人亭日録)

『林静一作品集』青林堂一九七二年十二月二十日初版発行を開く。短編「赤地点」を再読。月刊雑誌『ガロ』1969年11月号に掲載されたもの。東海道新幹線の路線や 何かの地図、下図などが一ページに重なって描かれている。三島駅、沼津駅そして伊豆箱根鉄道 修…

『布花もよふ』(閑人亭日録)

山上るい『布花もよふ』毎日新聞社1983年7月5日発行を開く。A4版よりちょっと小さめの横開き、三方金。昨日のアヴァンギャルドとは真逆の、布で作られた花々が 織りなす典雅で豪奢な夢模様。心が密かに華やぐ。右頁に77点の「布花もよふ」。左頁にそれに相…

『ジャパン・アヴァンギャルド』(閑人亭日録)

『ジャパン・アヴァンギャルド アングラ演劇ポスター100』PARCO出版2004年6月21日第一刷を開く。A3版、デカイ。オールカラー。アート紙でけっこう重い。 赤瀬川原平、宇野亜喜良、金子國義、合田佐和子、篠原勝之、林静一、水木しげる、横尾忠則ほか…

『初山滋 画集』(閑人亭日録)

昨日、大胆にして精確繊細な躍動感あふれる深鉢土器と書いたが、それは現代に生きる者から見た感想。文字を持たぬ縄文人はどのような意図であの深鉢の口縁を造形 したのか。美学的観点ではなく、使用目的から推測すると、あの大胆にして躍動感あふれる造形は…

「縄文」≒『愛憎』(閑人亭日録)

昨日の縄文展の山梨県立美術館の図書室で『深沢幸雄展』1991年の図録を手にした。この図録で出合った『愛憎』。二年前のブログに書いているが、それとは別に 『愛憎』と昨日の縄文土器が激しく交錯した。 https://k-bijutukan.hatenablog.com/entry/2020/03/…

1970年代の歌姫(閑人亭日録)

東京新聞に田家秀樹の飛び飛びの連載「80年代ノート 花開いたJ─POP」。一回目は「MILLION DOLLARS NIGHT」。昨日は「RC SUCCESION」。同時代を生きていたが 縁のない音楽界がそこにあった。 1970年代は、私には浅川マキ、藤圭子そして山崎ハコ。私的御…

最初期の作品(閑人亭日録)

美術家の出世作、代表作は当然だが、初期、駆け出しの頃の作品にも興味がある。 白砂勝敏さんの場合、木彫椅子の次は絵「画 Painting」。 https://shirasuna-k.com/gallery-2/two-dimensional/ 2013年に「こんな絵を描いてみたんですけど」と電話があり、た…

先人の技への敬意(閑人亭日録)

合田佐和子、入江比呂、白砂勝敏。三者の立体作品を紹介してきたが、三者の作品の印象を私的な一言で言うと。 合田佐和子 生き生きしたメルヒェン 入江比呂 生々しい人生の声 白砂勝敏 生の息遣い それらはアッサンブラージュ(立体的なものを寄せ集め、積み…

「ブリコラージュ・ボトル Bricolage / Bottle」(閑人亭日録)

白砂勝敏さんのウェブサイトの「ブリコラージュ・ボトル Bricolage / Bottle」のページ。 https://shirasuna-k.com/gallery-2/assemblage-bottle/ 下へ進んでいくと、三つ並んだ右側に2012年制作の『アメジスト イン ボトル』がある。「ブリコラージュ・ボト…

『入江比呂の全貌』(閑人亭日録)

1995年、新聞記事で知り、東京・六本木のストライプハウス美術館の入江比呂全貌展(1995年1月11日~2月24日)へ行った。1907生~1992年没。 https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&fr=wsr_gs&p=%E5%85%A5%E6%B1%9F%E6%AF%94%E5%91%8…

『オブジェ人形』ほか(閑人亭日録)

高知県立美術館で合田佐和子展が開催される。 https://moak.jp/event/exhibitions/goda_sawako.html 合田和佐子『オブジェ人形』グラフ社1965年12月25日発行を開く。縦20.5センチ、横18センチ、箱入りの88頁のステキな本。十代の末、今は無い近くの古本屋富…

値上げの秋(閑人亭日録)

いつも買っている個包装の有機ドリップコーヒー。値段が398円で変わらないな、と手にすると袋のデザインと厚みに違和感を感じた。帰宅。以前買ったものと見較べる。 おお、一杯10g✕7セットが10g✕6セットになっている。隠れ値上げだ。コーヒーの産地7箇…

まなざし/無冠(閑人亭日録)

新聞の折込広告に下田市の上原美術館の企画展「まなざしをみる/無冠の仏像」のチラシ。 https://uehara-museum.or.jp/ まなざしをみる→味戸ケイコ 無冠の仏像 →北一明 を連想。味戸ケイコさんの眼差しは、じつに深い。チラシのアンドレ・ドラン、アンリ・マ…

『たまさか人形堂それから』(閑人亭日録)

津原泰水『たまさか人形堂それから』文春文庫2016年2月10日第1刷を読んだ。『たまさか人形堂物語』の続編。五篇を収録。堪能。これは良い短篇集だ。 創元推理文庫で7月に再刊されたのもわかる。「六 戯曲 まさかの人形館」が追加されている。 http://www.ts…

秋霖、秋冷(閑人亭日録)

秋霖、秋冷。長袖の秋。黒き瞳。'Dark Eyes"(『For Musicians Only』収録 Dizzy Gillespie • Stan Getz • Sonny Stitt他)をLPレコードで聴く。 半世紀ほどの愛聴盤。題名が『玄人好み』とはスゴイね。1956年の録音。モダンジャズの名演だねえ。大人の音…

休養日のはず(閑人亭日録)

きょうは用事を入れてなく、休養日のはずだったが朝、バスに乗り開店直後のイトーヨーカドー三島店へ。三階の鍵店で合鍵を作ってもらう。待つ間もなく出来上がり。 どこへも寄らずに退出。バス停・奈良橋へ直行。一級河川御殿川の起点から見下ろす。まあ、な…

小原古邨ほか(閑人亭日録)

午後、知人女性が小原古邨の木版画を見に初来訪。佐野美術館の小原古邨展に刺激されたのだろう。自宅には数点。多くは倉庫に。子どものための文庫を運営されているが、絵はわからないと仰る。以前、故木葉井悦子さんの絵本をご存知で、木葉井さんから恵まれ…

審美書院と國華社(閑人亭日録)

午後、風が心地よいので審美書院と國華社の美術本(二十世紀初頭)の保存状態を検品。たった二十冊ほどだが、一冊が重いので一冊一冊ゆっくり開いて多色摺木版画を 視認。いやあ、参ったねえ。やはり惹かれる。原色カラー印刷では味わえない深い味わい。彫師…

小原古邨の発見(閑人亭日録)

1997年頃、三島の画廊主が東京で仕入れてきた何点かの花鳥画の木版画を展示した。 https://www.akanegarou.com/ 落款は「古邨」。その読み方を画廊主も私も誰も知らなかった。私は「烏は嫌いだが、これはいい」と『柿に烏』を購入。暫くして「おはらこそん」…