2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
午前、地元の小学四年生六十余名を手分けして源兵衛川を案内。最下流部で生きもの探しを行なう。土手の草むらに網を突っ込んで熱中。誰一人川から上がろうとしない。 見守るほうは楽チン。しかし、立ちん坊も楽じゃない。児童たちは大満足。先生ホッ。正午過…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鼠に関する民俗と伝説」を読んだ。《 油虫のごとき害虫も、家に留むれば福をもたらすと言うのは、よく考えると一理あり。世界にまるで不用の物なし。多くの菌類や黴菌は、まことにせっかく人の骨折って …
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鼠に関する民俗と伝説」を読んだ。《 油虫のごとき害虫も、家に留むれば福をもたらすと言うのは、よく考えると一理あり。世界にまるで不用の物なし。多くの菌類や黴菌は、まことにせっかく人の骨折って …
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「猪に関する民俗と伝説」を読了。《 いよいよ起きてその窓に歩み寄ると、室内たちまち真闇で咫尺を弁ぜず。 》 188頁 咫尺(しせき)。簡単な漢字だけれど、今では使われた文を見ない。以下トリュフの話…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「猪に関する民俗と伝説」を少し読む。《 体が太った者をブタと名づけたのを見ると、肥え膨れたのを形容してブタブタと言う語も当時すでにあったらしく思わる。 》 166-167頁《 予がかかる危険な物を愛養…
昼前、書留郵便が届く。何と北海道知事鈴木直道氏から感謝状。《 あなたは北海道における芸術文化の振興に深いご理解をしめされるとともにこの度道立美術館に貴重な美術作品を寄贈され本道の芸術文化活動の推進に多大な貢献を されました。 ここに感謝の意を…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「犬に関する民俗と伝説」を読了。《 これについて憶起するは、むかし大坂のどこかへ狂歌師某が宝珠の絵の額面を揚げて、「瑳(みが)いたら瑳いただけ光るなり、性根玉でも何の玉でも」と書くと、 いつの…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「犬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 さて先年刑死されたある人が真正の平等社会ができたら、利慾がなくなるから精神を有効に使う者がなくなるではないかとの問に対し、財物を獲べき利慾はなくなる…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鶏に関する民俗と伝説」を読了。《 中には金魚が落雁(らくがん)を食ったような美少年も多く、南方先生「大内の小さ小舎人(ことねり)ててにやてにや」という古謡を臆い起こし、寧楽(なら)・ 平安古…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鶏に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 三月十六日の『大毎』紙に、綾部の大本に五六七殿というのがあるそうで、五六七をミロクと訓(よ)ませあった。かつて故老より亀の甲は必ず十三片よりなり、 九…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鶏に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 三島の社に目潰れたる鶏あり。いつも暗ければ時ならず時を作り、朝夕をも弁えず。風霜に苦しみ、食に乏しく、痩せ衰うるを愍(あわ)れみ、ある修行者短冊を書…
南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「鶏に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 ただ熊楠がここに一言するは、壮歳諸国を歴遊したころは、逢う南中米のスペイン人つねに余を軽視することはなはだしく、チノ・エス・エル・シウダッド・デル・ …
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「猴に関する民俗と伝説」を読了。《 女権がきわめて軽かった古代には、気がつきおっても心に任せぬこと多く、何ともならぬ遭際のみ多かったのだ。[中略]遠いむかしのラーマーヤナ事件を、今日 他国人ど…
昼前、友だちと各駅停車で草薙駅へ。駅近くのレストランで早めのランチ。バスに乗車、静岡県立美術館、「忘れられた江戸絵画史の本流─江戸狩野派の250年」へ。 http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/76《 同じモチーフ(喩えば雪舟の模写)…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「猴に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 世にまるの嘘はないもので、加藤咄堂君の『日本風俗志』中巻に、『伊豆日記』を引いていわく、八丈の島人女を恋うても物書かねば文贈らず、小さく作った草履を …
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「羊に関する民俗と伝説」を読んだ。《 近ごろ、何とかいう外人が、海を羊と言うたり水盛んなる貌を洋々と言うたりする洋の字は、件(くだん)の理由で羊と水の二字より合成さる、と釈(と)いたは もっと…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を読了。《 さしも仙薬や宝玉同然に尊ばれたものも、一朝時世の変で糞土よりも値が下がること、かくのごときものあった。 》 126頁《 全体光線や音響と異なり、香と味は数で精測…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 ミッチェル教授説に、馬や驢や花驢(しまうま)は十五ないし三十歳生活するが、往々五十に達する確かな例あるがごとし、と。スコッファーン説に、スコットラン…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 それから英国の田舎で、たとえば錦城館のお富が南方君を呼ぶ時、わがヒンキーと言う。〔中略〕蜂蜜(ハニー)より転訛したのだ。 》 58頁《 すなわち馬と驢が、…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。23頁に”瘧”なる漢字、字典によると”おこり”。31頁”親り”には”まのあた”りとルビ。こんな読み方、あるのか。《 屁が済んだから、今度は馬の糞の話としょう。養成金…
南方熊楠『十二支考 2』平凡社東洋文庫1973年初版、「馬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 熊楠惟うに、ルーマニア人も支那人と同じく、蜻蜒〔とんぼ〕の形を竜に似たものと見しより右様の咄もできたので、林子平が日本橋下の水が英海峡の水と通うと 言…
南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「蛇に関する民俗と伝説」後半を読んだ。《 途上美しき処女が路を失うて哭(なげ)くに遭い、自分の馬に同乗させてその示す方へ送り往くうち、象牙の英語で相惚(アイボレー)と来た。女言う、妾(わたし…
南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「蛇に関する民俗と伝説」を少し読んだ。《 蛇の特質は述べ尽されぬほどあるだろうから、思い出すままに少々書いてみる。 》 243頁《 と、しかるに、蝮は逃ぐること遅いから英国の労働者などこれを聾と見…
『十二支考 1』四(閑人亭日録) 南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「田原藤太竜宮入りの譚」後半を読んだ。昨日話題のワニ(鰐)だが、188頁にルビ。遅い。《 それに竜となると、角があったり火を吐いたり、異類異様に振る舞うから、その…
南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「田原藤太竜宮入りの譚」前半を読んだ。これまた博覧強記にして縦横無尽の筆勢に息継ぐ暇もない。テンコ盛りに いささか辟易。また難読漢字が多出。162頁一行目、魚編にエに横棒(─)を通してロを四つ合…
NHK Eテレ 日曜美術館「壁を越える〜パレスチナ・ガザの画家と上條陽子の挑戦〜」を視聴。 https://www.nhk.jp/p/nichibi/ts/3PGYQN55NP/episode/te/Q28X3KL4PR/《 84歳、パレスチナへの思いを胸に描き続ける画家上條陽子。死の絵から生きる絵の世界へ…
南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版、「兎に関する民俗と伝説」を読んだ。《 囲中また徒士立ちて大いなる棒また犬また銃を用いて兎の逃げるを防いだ、とあって、兎狩も大分面白いものらしいが、熊楠はかような人騒がせな殺生よりは、やはり 些…
南方熊楠『十二支考 1』平凡社東洋文庫1972年初版を少し読む。購入して半世紀。やっと読む時が満ちた。最初の「虎に関する史話と伝説、民族」から博覧強記、 縦横無尽、四通八達の面白さのてんこ盛り。《 ウッドの『博物画譜(イラストレーテッド・ナチュラ…
昼過ぎ、近くの小学校まで歩いて行き、コロナワクチンの第一回目の接種を受ける。久し振りの注射。痛くない。大事をとって大人しく過ごす(昼寝)。 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、メモ。《 中島は、錯雑たる「地籟」(大地の音)へ…
昨晩は女性二人を交えて編輯兼発行者田島志一『圓山派畫集 上巻』審美書院明治40年10月15日刊と著作兼発行者村山旬吾『圓山四條画鑒』國華社明治44年11月1日刊を 並べて鑑賞。前者は圓山応挙の絵38点(内多色摺木版画11点)で占められている。下巻は蘆雪 源…