時代の変化に乗る

 三島旧市街地は昭和の時代に較べて遙かに魅力が増した。それの一端を担った自負はある。去年三島商工会議所を辞めて転職した知人は、最後の仕事として「せせらぎマップ」(三島旧市街地の散策地図)の変遷をまとめた。年に何万部も捌けているこの案内図の元を作ったのはこの私。彼はそれを記録に残した(ようだ)。こういう優れた人材が官公庁などから流出してゆく。で、情けないのは地元住民。相変わらず昭和の生きた化石状態。時代の変化に乗じて乗り出してくるのは外部資本ばかり。これ以上書くとまた誹謗中傷が増加するので止めておく。

 昨夕、帰宅途中にブックオフ長泉店で二冊。中島河太郎・編「怪談ミステリー集」双葉文庫1985年初版、スティーヴン・ミルハウザー「バーナム博物館」福武文庫1995年初版、計210円。
 昨夜、気になってブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。青木雨彦「課外授業」講談社文庫1980年初版、「日本の文学 26 斎藤茂吉ほるぷ出版1988年3刷、計210円。
 ブックオフ長泉店で四冊。ジョン・クーパー・ポウイス「ウルフ・ソレント(I、II)」国書刊行会2001 年初版帯付、福永令三クレヨン王国の十二か月」講談社文庫2006年初版、横溝正史「貸しボート十三号」角川文庫1976年初版、計420円。
 「ウルフ・ソレント」は全く未知の本。帯文から。
ドストエフスキー作品を思わせる、奇怪かつ異様な登場人物たちが、まがまがしいまでに繁茂するドーセットシャーの自然を背景に繰り広げる魂と実存のドラマ。」

 作者不詳「我が秘密の生涯」河出文庫を散読。全編性行為の連続。でも官能小説ではない。性欲を高める目的で書かれてはいない。それでつまらないかといえば、いやいろいろな意味で面白い。
「われわれはかずかずのヴィクトリア朝の名作が描こうとしなかった一時代、そこを蔽う冷酷、貧苦、偽善、残忍、無智、狂信のさまざまを教えられるのである。」開高健
「いかに相手がバラエティに富もうと、性交は結局のところ最後まで同じ行為のままであり、成長も発達もないままに、肉体だけが老いていく。生の空しさのアイロニーを、これほどまでに痛烈に考えさせてくれる文学はないのではあるまいか。」小池滋