人生幻影

 昨夜自転車でブックオフ三島徳倉店へ行く。105円棚を眺めているだけで気分がいい。いい気分で買ったのは二冊。21世紀研究会編「地名の世界地図」文春新書2001年3刷、松浦寿輝「半島」文春文庫 2007年初版、計210円。後者の表紙絵に惹かれた。古い白黒写真のような絵。デンマークの画家ヴィルヘルム・ハメルショイ( Vilhelm Hammershoi 1864−1916)。
「その静謐な空間の与える感動はデルフトのフェルメールに匹敵し、しかもフェルメールにない北欧的な『魂の深さ』に凍りついている。」
 と紹介されては実物を見たくなる。フェルメールやジョルジュ・ド・ラ・トゥールのようにいつか日本で見られる日を鶴首して待つとするか。

 「幻影城の時代の会」から絵葉書セットが届く。幻影城という雑誌があった。私には渇望時代だった。人生は幻影でしかないとも思い込んでいたなあ。

 ブックオフ長泉店で三冊。南木佳士(なぎけいし)「ダイヤモンドダスト文藝春秋1989年初版帯二枚付、ミッチェル・スミス「ストーン・シティ(上・下)」新潮文庫1993年初版、計315円。