その六十八

 昨夕ブックオフ長泉店で二冊。色川大吉「明治精神史(上・下)」講談社学術文庫1990年13刷、1988年9刷、計210円。

 午前九時から正午までグラウンドワーク三島の事業地に、五十人あまりをスタッフとともにに案内。一晩中降り続いた雨が止み、歩くにはちょうどいい陽気。午後一時前美術館を開ける。

 広島市の株式会社 熊平製作所からこの数年送られている非売品「抜粋のつづり その六十八」が三冊届く。

「ことしも最近一年間の新聞・雑誌から、心に響く珠玉のエッセー、コラム、三十七編を抜粋し、小冊子にまとめさせていただきました。」

 短文のいい読み物がそろっている。有栖川有栖「鉄道旅行の魅力」から。

「やはり車窓は、ただ眺めるだけでは飽きてしまうもので、流れていく風景の意味を読み取ってこそ興味が持続する。そう、車窓風景は<読むもの>なのだ。」

 これは絵画鑑賞にもいえる。意味を読み取ってこそ興味が持続するし、作家の制作意図から技法、時代背景まで探っていくと奥行きは深まり謎は増え、面白みがぐんぐん増して病硬膏に入ることになる。