2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『甘藷の歴史』六(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を読了。結び。《 甘藷はある意味で私生児のようなものであった。政治の外の世界でのびていき、政治からなかばはみだした人びとの食料として、この人びとの生活をささえ、エネル…

『甘藷の歴史』五(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を少し読んだ。以下メモ。《 こうして幕府や青木昆陽の奨励がおこなわれつつも、それが隅々に行きわたっていくには、また多くの篤志の人が、それぞれの土地へイモをとりいれる努…

『甘藷の歴史』四(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を少し読んだ。以下メモ。《 瀬戸内地方へのイモの伝来はさきにも書いたところであるが、それはアカイモ系のものであった。黄色のカライモ(アメリカイモ)系のものの伝来はそれよ…

『甘藷の歴史』三(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を少し読んだ。以下メモ。《 以上のべてきたように種子島は決して辺陬の地ではなかった。外来文化の刺激をうけてじつに生き生きとしており、またそこから南へは無限といってよい…

『甘藷の歴史』二(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を少し読んだ。《 いずれにせよ琉球から薩摩にもたらされた甘藷のひとつが、間もなく紀伊の土に根をおろし、芽を吹き、やがて枝をはっていったのであろうことは想像にかたくない…

『甘藷の歴史』(閑人亭日録)

宮本常一『日本民衆史7 甘藷の歴史』未來社一九六二年一〇月一〇日第一刷発行を少し読んだ。甘藷の発見と伝来、じつに興味深い。《 コロンブスの発見した大陸がアジア大陸とはまったく別のものであることをたしかめたのはアメリゴ・ヴェスプッチである。(…

額縁を替える(閑人亭日録)

某単行本のカット絵に使われなかった、縦10センチ横5センチほどの黒地に白い描線で、軽くステップを踏む天使を連想させる姿が描かれた簡明な絵を、三十年あまり前、現代美術家の大坪美穂さんから恵まれ、黒枠の額縁に収めて書斎に置いていたが、ふっと気が変…

少年や六十年後の(閑人亭日録)

永田耕衣の俳句 少年や六十年後の春の如し を最近になってしみじみ感じ入ることがある。 十代後半、母親は私の鬱鬱とした雰囲気を心配して精神科の医者に連れて行って診てもらった。病気でもなかったようで何事もなく帰宅。陰気な少年だったようだ。 もう一…

『くんぺい ごしちご アフリカえほん』(閑人亭日録)

東君平の自費出版の豆本『くんぺい ごしちご アフリカえほん』1981年9月初版を開く。縦85mm、横90mm、91頁。見開き二頁には、右頁に黒地に白抜きのカタカナとひらがなで五七五の俳句(?)。左頁には切り絵。次の見開き二頁には短い文章と左頁の端に前頁の五…

『100杯目の水割り』(閑人亭日録)

東君平『100杯目の水割り』講談社文庫 昭和54年7月15日第1刷発行を本棚から取り出す。帯には「ユー・モア/ユー・モア/もっと笑いを!」「笑い・ペーソス・風刺/ユーモアの世界」とある。 東君平の詩、文章には軽い可笑しみ・ユーモアそしてその背景の哀…

『二十一歳』「新宿」(閑人亭日録)

二十一日。東君平『二十一歳 白と黒のうた』サンリオ一九七五年五月十日初版を再読。短い詩「白と黒のうた」にやはり惹かれる。《 「白と黒のうた」 ぼくのうた 白と黒のうたは しろうとくろうのうたで 素人苦労のうたと書きます 》 東君平の白と黒の切り絵…

浅い曜変 深い耀変(閑人亭日録)

ずいぶん前、静嘉堂文庫美術館で見た国宝曜変茶碗には拍子抜けした。対して北一明の耀変茶盌は、変幻夢幻の深く複雑な遊色に驚いた。私はご老人だが、子どものようだ、とよく言われる。そんな子ども心の目から見て、国宝曜変茶碗は浅い。北一明の耀変茶盌は…

『Ballads』『TRANSITION』(閑人亭日録)

ジョン・コルトレーンのレコード『Ballads(バラッズ)』1962年録音を聴く。 https://www.catfish-records.jp/product/30991 サックス演奏を抑えに抑えたいぶし銀のような渋い演奏にシビレル。こういう演奏のできるジャズ演奏家は、私は寡聞にして知らない。…

ジョン・コルトレーン『CRESCENT』(閑人亭日録)

梅雨明け。蒸し暑い。 昨日疲れて聴けなかったジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンのレコード『CRESCENT(クレッセント)』1964年録音を聴く。 https://www.udiscovermusic.jp/stories/rediscover-john-coltrane-crescent 彼としては静かな演奏。出合…

二人の命日(閑人亭日録)

今日はジャズ歌手ビリー・ホリディとジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンの命日。二人のレコードを聴こうと思っていたけど、朝から夜まで細々とした用事が連続し、午後九時を過ぎてやっと解放され、神経くたくた。音楽を聴く気力は失せてしまった。明…

川霧の中の灯籠流し(閑人亭日録)

午前四時過ぎ、降りしきる雨の音で目覚める。 朝の雑用を済ませ、雨の合間に近所のスーパーへ。 夏日。午後、雨音と車の水をはじく音を耳にしながら和室の畳でごろ寝。 夕食後、友だちと三島駅まで電車。道を下って白滝公園の灯籠流しへ。公園の湧水池も桜川…

人は去り行く(閑人亭日録)

未明、ふっと目が覚めてパソコンを開く。昨夜、年上の知人女性からお見舞いのメールが届いていた。来訪歓迎の返事を送る。 六時半、驟雨。 昼過ぎ、友だちの娘さんと彼氏が来訪。源兵衛川上流部を案内。増水で水没している川の飛び石に裸足を入れるが、予想…

「動的平衡」(閑人亭日録)

北一明の茶盌を見ていて、生物学でいう「動的平衡」という用語が浮かんだ。「乳頭(釉垂れ)」の先が卓上すれすれに留まっている。それはただ垂れているのではなく、狙いどおりの停止のかたち。北一明には、このような偶然の賜物ではない「乳頭(釉垂れ)」…

ハリス・アレクシーウ(閑人亭日録)

HARIS ALEXIOU ハリス・アレクシーウ。73歳 (1950年12月27日生まれ)。ギリシャの歌姫。私と同じ歳。2020年に引退と聞く。残念だが、声調を制御できなくなったことが引退の理由と聞く。半世紀ほど前、東京の輸入レコード店でジャケット買いをした。一聴、仰天…

音楽を聴く・二(閑人亭日録)

探していたCD二枚は、友だちに貸してあるのでは、と思い出した。彼女の音楽CDの中に埋もれていた。彼女はモダン・ジャズがお好みのよう。返してもらい、早速聴く。 Afro-Cuban-All-Stars『 A Toda Cuba le Gusta 』 https://www.ahora-tyo.com/detail/it…

奥野淑子、北一明、つりたくにこ(閑人亭日録)

強い風の吹く曇天の午前、何日かぶりで北一明の黒系の茶盌、三客を卓上に並べる。どれもいわば二級品。二級品といっても見事な作り。一級品は頂点のようなもの。それ以上は望みようがない茶碗。手に触れるのもこわい。二級品は、富士山でいえば八合目九合目…

音楽を聴く(閑人亭日録)

寝苦しい夜だった。午前二時26.3℃。湿度77%。エアコンを25℃に下げる。未明、トイレに起きる。午前七時過ぎ、気持ちよく目覚め。エアコンは止まっている!卓上のリモコンは「切」になっている。トイレに起きた時、卓上のリモコンに手が触れた記憶。それから…

音楽を聴く(閑人亭日録)

寝苦しい夜だった。午前二時26.3℃。湿度77%。エアコンを25℃に下げる。未明、トイレに起きる。午前七時過ぎ、気持ちよく目覚め。エアコンは止まっている!卓上のリモコンは「切」になっている。トイレに起きた時、卓上のリモコンに手が触れた記憶。それから…

楽しそうでない女性(閑人亭日録)

やや強い風の吹く曇天。直射日光が当たらないだけ過ごしやすい。朝の作業を終えてコーヒーと冷たい牛乳で一休み。冷房は設定室温28℃。本棚に留めてある三枚の半券の入場券。「コートールド美術館展(マネ)」、「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」、「ハ…

半身を生きる(閑人亭日録)

昨日は亡母の祥月命日。裏の菩提寺へ。境内の百日紅(さるすべり)の老木は、去年は紅い花を盛大に咲かせたが、今年は半身枯れたよう。庭師は幹の半身が生きているから大丈夫と言う。我が家の脇の椎の木も、今年は葉の茂りが少ない。やはり半身枯れたよう。子…

猛暑を逃れて『王朝百首』三(閑人亭日録)

食器をかたづけ、浴室を洗い、洗濯物を干して一休み。冷えたコーヒー&ミルクを味わう。美味しい。はてさて、設定室温28℃の部屋でゆっくり塚本邦雄『王朝百首』後半を開くとするか。 50 秋きぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる 藤原敏…

『王朝百首』お休み(閑人亭日録)

今日も猛暑日。午後、友だちの用事に付き添って外出。晩に帰宅。くた~。『王朝百首』開かず。

猛暑を逃れて『王朝百首』二(閑人亭日録)

午前九時31.7℃。暑い朝。チュコレート・プラネットのYouTubeを視聴。暑くても愉快な朝だ。 TT Brothers Will Make You SMILE! | Auditions | AGT 2024 https://www.youtube.com/watch?v=zA17namdjfE&t=228s しかし、今日も猛暑日。家籠もり。そして今頃気づ…

猛暑を逃れて『王朝百首』(閑人亭日録)

気温午後二時36.4℃。エアコンの設定室温29℃で快適午睡。気持ちよく目覚め、さて、なにをするか。何の用もない。この猛暑のもと、そばの源兵衛川へ涼みに行く気も起きない。机上の書類に埋もれた本、塚本邦雄『王朝百首』文化出版局 昭和四十九年十二月五日 …

作業を忘れて本を眺める(閑人亭日録)

熱帯夜で寝苦しかったら午前十時には真夏日に。暑くなると気持ちも熱くなり、何か作業をしたくなる。今日は三階の戸棚の下にある吐き出し窓の網戸の半分外れた網を、ヘルメットを被ってえっこら這って回収作業。この奥行きのある低い空間に本を詰め込んだ段…