新聞朝刊、「週刊現代」の広告見出し。「『東大までの人』『東大からの人』」。笑った。いるいる。
昨夕帰りがけにブックオフ長泉店へ寄る。文庫本半額棚の柴田錬三郎「幽霊紳士」集英社文庫が目に止まった。「オール読物」1959年1月〜12月号に12回連載された短篇を収録。この「幽霊紳士」、手元には春陽文庫1972年4刷(1971年初刷)、廣済堂文庫1985年初版の他に新書版の東京文芸社1974年初版、集英社1976年初版がある。光風社の「火刑」1964年初版には、「幽霊紳士」の後日談といえる「恐妻家奇談」が収録されている。
≪泉真人は、昨日、その小説を脱稿したのである。そして、銀座へ出て、それを掲載する「オール読物」を発行している文芸春秋社に立ち寄って、稿料八万円を貰った。≫
誌名まで出すとはサービス精神旺盛だ。まあ、文庫にするときにこういう後日談を追加して欲しかった。北森鴻の連作ミステリ「屋上物語」は祥伝社ノン・ノベルから新書で出たが、祥伝社文庫2003年初版には後日談である「タクのいる風景」が追加されている。デザートのようなものだ。その北森鴻が四十八歳で急死の知らせ。もっともっと読みたかった。早すぎるぜ。合掌。