まだ休み

 知人の多くがMIXIに入っている。私はいまのところ入会するつもりはない。ここでタワゴトとボヤキを見知らぬ誰かに向かって書き込んでいるのが性に合っている。きのう届いた年賀状に「時々ブログ拝見しております/充実した日々ですネ」とある。姓に覚えがないが名と住所から三十年ほど前に旅で知り合った人だと気づいた。三十年振りに彼女が受け止めてくれた〜♪〜♪〜踊ってしまう阿呆な私。それぞれの人生。つらいことばかりだけれど、そんなことはここには書きませんてば。せめてネット上だけは能天気な風でいたい。

 昨日はブックオフ三島徳倉店へ自転車で行った。筒井康隆「銀齢の果て」新潮社2006年初版帯付、佐藤和歌子「間取り相談室」ぴあ2005年初版帯付、井狩春男「返品のない月曜日」ちくま文庫1989年初版、レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」ハヤカワ文庫2006年67刷、パトリシア・ハイスミス「11の物語」ハヤカワ文庫2005 年初版、計525円。レジの子が愛想がよかった。彼女かな、知人が山本モナにちょっと似ていると熱をあげていたのは。オジサン、ついツッコミを入れたくなったけど、ここはガマン。
 ブックバンク三島店へは歩いていった。都筑道夫「雪崩連太郎幻視行」立風書房1977年初版、ウィリアム・アイリッシュ「暁の死線」創元推理文庫1969年初版、ハドリー・チェイス「悪女イブ」創元推理文庫1969年6刷、各100円計300円。
 「長いお別れ」は持っているけど、段ボール箱から探し出すのが面倒で。今年、村上春樹の訳で出るのでその前に再読しておこうと思って。「暁の死線」は初版に買い替え。

 井狩春男「返品のない月曜日」ちくま文庫を早速読んだ。「雑誌の話をすこし」にこんな一節。
「学生のコロから、文章のウマサ、美しさに魅せられて読むほうだった。(略)多くの推理小説に見られる乱暴で、読むに耐えない文章の本は最初から読まない。しかし、それらが映像化されると、スゲェーイイ作品に生まれ変わる場合がある。例えば『砂の器』、もっともアレは監督の脚色があったので、あれだけよくなったのだが。」
 違和感を感じた。「文章のウマサ、美しさ」の実例が示されないとワカラン。不満だけが残る。
 著者は人文社会科学系の取次店に勤めているので話題にあがる浅田彰中沢新一などは一冊も買ってなかったわ。当然読んでもいない。関心領域の違いだ。「好きな本、ベストテン」では、「木造モルタルの王国」青林堂だけが重なっていた。「絵本リスト」はカスリもしない。この本が書かれた1984年「人文書が久しぶりに活気づいた一年」、私は何をしていたんだろう。記憶には何も残っていない。鬱々とひたすら働いていただけじゃあないよなあ。でも、ありうるわ。