「版画芸術」

 来週発売の季刊「版画芸術」阿部出版が届く。巻頭特集「知られざる木版画絵師」は 小原古邨と小林かいちの二人を取り上げている。「乙女(モガ)アート」の絵封筒を数多く手がけた「小林かいち」は大正初期から昭和初期に活躍した人。生没年も経歴も不明な絵師だ。
 「小原古邨」ではK美術館の収蔵品から十点近くが掲載。作家の寮美千子さんは書いている。
「K美術館にお伺いして見せていただいたとたん、心を鷲づかみにされた。写生に基づいた限りなく博物画に近い筆法、でありながら決して『図』ではなくて、それは紛れもなく『絵』なのだ。日本画の独特な空間構成が、西洋的な博物画的手法とあいまって、清潔で清澄な、不思議な色香を漂わせている。」

 ブックオフ長泉店で三冊。ミハイル・プリーシヴィン「ロシアの自然誌」パピルス1991年初版帯付、リシャルド・カプシチンスキ「帝国 ロシア・辺境への旅」新潮社1994年初版帯付、吉本ばなな・他「中吊り小説」新潮社1991年初版、計315円。