ロートル?

 昨夜自転車でブックオフ函南店まで行く。荒巻義雄「聖シュテファン寺院の鐘の音は」徳間書店1988年初版、開高健「花終る闇」新潮社1990年初版函帯付、「ギャラリー世界の文学3・イギリスII 」集英社1990年函帯付、小杉健治「死者の威嚇」講談社文庫1989年初版、橋本治「江戸にフランス革命を!(上)」中公文庫1994年初版、計525円。渇が癒えた。いや、慢性古本病が少し癒えたというべきか。

 本棚から開高健「知的な痴的な教養講座」集英社を抜き、そこに「花終る闇」を入れる。手にした本は、さてどこへしまうか。手にしたままちょっと読む。
「で、何でもかんでもイギリス、イギリスということになっちゃったんで、ロンドンのセーヴィル・ロー街は日本国において俄然、有名になって、ここから思いついて『背広』という言葉がつくられたりした。」265頁
 へえ〜。
「ここでちょっと脱線すると、私はどうも漱石が好きになれん。『我輩は猫…』はおもしろいが、下手くそな小説家だと思うし、特に有名になってからは、無理矢理、自分を難しくしちゃってる。」215頁
 同感。「三四郎」「それから」「門」「こころ」そして遺作「明暗」を最近読んだので思いっきり同感。
ロートルは中国語の"ラオトゥール──老頭児"から来ていると思われる。すなわち、老いぼれのことだ。小生も、そろそろこの領域にはいってきた。」
 これまた同感するしかない。