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 昨日触れた「戦後短篇小説再発見2 性の根源へ」講談社文芸文庫は、井口時男の解説が面白かった。

「性は人とつながろうとする欲望であることによって、かえって人を孤独へと突き落とす。だから性はたんに『肉体』の問題ではなく、『精神』の問題なのだ。」

「意味は人を抑圧もするが、意味を欠いたモノには人は耐えられない。」

 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で買った日明恩(たちもり・めぐみ)「鎮火報」講談社文庫2008年初版 105円の大矢博子女史の解説もなんかよかった。

 ブックオフ長泉店できょうは二冊。「中原淳一の幸せな食卓」集英社be文庫2003年初版、「ザ・ベストハウス図鑑」扶桑社2007年初版、計210円。中原淳一は年譜によると、1970年五七歳の時に病に倒れた。長い療養生活の後、七十歳で永眠。私は五七歳。他人事ではないわ。彼の1971年の文章。

「『いつまでも古くならないもの』──それこそがむしろもっとも『新しい』ものだとはいえないでしょうか。人生はスカートの長さではないのです。」