がらんとした一階。これまたいいものだ、とのんびりしていると、年配の女性が自転車でやってくる。どんなところか観たくて、と仰る。今はこんな具合です、と一階をさらっと見せて二階へ。しばし観賞して降りてくる。ふうと息をつき、この近所にはお友達がたくさんいたと昔話を始められる。開館して十一年余、その間にもずいぶん変った。歳月茫々、人同じならず。女性画家が50号ほどの油絵三枚を持ってくる。しばらく預る予定。無額装なので軽い。もやっと白い中にほのかに色が浮かぶ軽やかな画面。広い展示室に置く。画題に「自由」を提案。喜ばれる。来春に展示予定。美術関係の仕事をしているという女性が初来館。そうこうするうちに日が傾いている。お掃除しただけで終わってしまった。ま、それもいいか。