曇りがちだけれども

 曇りがちの空だけれども心地良い良い陽気。開館前にブックオフ長泉店で二冊。「女性作家シリーズ 23 現代秀作集」角川書店1999年初版、コナン・ドイルシャーロック・ホームズの冒険光文社文庫2006年初版、計210円。ホームズ物は四十年ほど前に読んだ文庫本は段ボール箱に納まっているけど、さて、どの箱かわからない。最近の注釈本は本棚にある。翻訳者日暮雅通は解説で書いている。

《現在入手できる全集は、すでに故人となった翻訳家たちによる昔の訳文のものと、研究者向け注釈を大量に付けた現代の全集の二つに大別されますが、今回の全集はそのどちらでもないと言えるでしょう。》

  「女性作家シリーズ 23 現代秀作集」にミステリ分野からは仁木悦子「緋の記憶」だけが収録。再読。そうか、こういう筋だった。ミステリは、読んだ題名は記憶しているのに、トリックは言うに及ばず筋さえも記憶にない場合がほとんど。純文学の場合、筋立てもよく覚えているのに。ミステリの場合、トリックの種明かしに驚愕〜感嘆〜面白かった! となって、最後の「面白かった」印象だけが記憶に残る。佐藤春夫「家常茶飯」もそんな一編。再読。軽快な探偵小説だ。これは「昭和のエンタテインメント50篇 上」文春文庫1989年に収録。紹介文には「ロマンティシズムを説くミステリ理論は、初期の江戸川乱歩にも影響を与えた。」とある。