花見の予定が雪見になった。三月も末になって地元で雪見をするとは。おお、寒。
辻真先「ローカル線に紅い血が散る」徳間文庫1985年初版を読んだ。これは≪九州の阿蘇と北海道の十勝を駆けめぐって、都合六個の死体を背負いこむ破目におちいった「死体が私を追いかける」事件。(引用者:略)上野と大阪と同日同夜にスタートした二本のブルートレインを舞台に、海を越え、根室駅にたどりついて一場の活劇となるまで、全編ことごとく国鉄車内及び用地内で物語が終始した「ブルートレイン北へ還る」事件≫、この二作に続く第三作。やはり作者の説明は簡明だ。で、三作目は廃線になったばかりの鉄路で轢死体が発見されるというもの。列車は一本も走っていない、列車の走る音を耳にした人もいないのに、まごうかたなき轢死体。この謎をどう解くか。この謎一本だけで物語は進むけど、後味もよく、本格ミステリとして、参ったこうきたかあ、と楽しめた。三作好みはあるだろけど、秀作揃い、読んで損はない。