新聞小説挿絵

 味戸ケイコさんから、今春催された個展で発表された絵がどっさり届く。八月から展示予定。壁面は味戸さんの絵、床面は水木しげるたちの漫画。いやあ、ウチでしか出来ない豪華な夢の競演だ。ワクワク。それから、五月から東京新聞ほかで始まった恩田陸新聞小説『夢違(ゆめちがひ)』の味戸さんの挿絵の夕刊もまとめて届く。これは初見。これがじつにいい! さっそく味戸さんに電話。原画は葉書より一回り小さいということだけど、その制約と、一日一点制作という制約が、味戸さんの才能を驚くほどよく引き出している。新聞小説挿絵という小さい絵なのに、手鏡に映る大空や景色のように、じつに豊かな物語性を感じさせる。俳句に通じる表現だ。連載を終えて300点揃ったら、300の鏡の破片が映しだす300の世界になる。1975年に出た小型本『失われた絵本』から三十五年、味戸さんはメビウスの環のように一巡りした。三十五年の歳月が、この挿絵に如実に反映されている。す、素晴らしい! 七月は最高の出来事で始まった。

 こんなときはセザリア・エボーラのこんな歌がいい。

 ネットの拾いもの。

≪ヴォルビック「飲み続けた人の95パーセントが満足と答えています。」

 「残りの5パーセントは何で飲み続けているんだよ。」

 5パーセント「我々が満足してしまったらヴォルビックの歩みはそこで止まってしまう。

 我々がいるからこそ、ヴォルビックは成長し続けられるのだ。」≫