日中は暑いけれど、心地良い風。やっと本をしっかり読めるかな。ブックオフ長泉店で二冊。赤瀬川原平『目利きのヒミツ』光文社知恵の森文庫2002年初版、イアン・ランキン『貧者の晩餐会』ハヤカワ文庫2009年初版、計210円。前者は単行本で読んでいる。
吉永良正『ゲーデル不完全性定理』講談社ブルーバックス1993年3刷を半分ほど再読。1830年頃、ロバチェフスキーらの 非ユークリッド幾何学の発見によって、
≪実体とか現実性といった「あるがままの事物」にとらわれることなく、もっと自由に、抽象的な観点から幾何学の対象を見ることが可能になったのです。≫132頁
印象派に重なってくるなあ。この非ユークリッド幾何学の発見は、人々になかなか受け入れなれなかった。印象派も当初はそうだった。
≪ロバチェフスキー(1856年没)の方も、露仏独の三カ国語で論文を書いて自分の発見の宣伝に東奔西走してみたものの、生前はついにだれからも「新しい幾何学の創始者」と称えられることはありませんでした。≫127頁
内外の何人かの芸術家が思い浮かぶ。
≪その真の意義は、幾何学の内容が公理系に依存している事実をドラスティックに示した点にあったといえます。「平行線の公理(平行な二本の直線は交わらない)」という、たった一つの公理を変更することで、ロバチェフスキーの非ユークリッド幾何学とリーマンの非ユークリッド幾何学という複数の幾何学が出現したのでした。≫137頁