3月 7日(月) 休館日

 一日雨。のんびり過ごす。

 昨夜午後九時からはNHKテレビ『NHKスペシャル 日本人はなぜ戦争へと向かったのか▽開戦決定驚きの真相▽迷走する指導者たち』を視聴。開戦までの半年間の政治指導者たちの愚かさを痛感。アメリカと戦争すれば負けるとわかっているのに、それから目を逸らして都合のよい事ばかりを並べ立てていて問題先送りをした首脳陣。今の国会と二重写しになる。続いてNHK教育テレビ『ETV特集選 枯葉剤の傷痕を見つめて▽父は戦場で枯葉剤を浴びた…ベトナム戦争終結36年・アメリカ人帰還兵の子どもに現れた枯葉剤被害▽父が戦った国で見た次世代の問いかけ』を視聴。枯葉剤ダイオキシン)のせいで生まれた奇形児、生まれなかった奇形胎児が、あまりにも痛ましい。悲しみと苦しみだけの人生。それでも生きている奇形児たち。言葉を失う。

 昨日の毎日新聞朝刊読書欄を読む。津島祐子『葦舟、飛んだ』毎日新聞社の、三浦雅士の評から。

《いまなお世界各地で続いている戦争とはいったい何なのか。日本兵ソ連兵もアメリカ兵も中国兵も、要するに正義を標榜する連中はみな悪を為す。戦争孤児、戦後混血児が人間の矛盾を浮き彫りにする。》

 ジョン・ロールズ『正義論』紀伊國屋書店の、山崎正和の評から。

《さらに現代だからこそ問える難題として、そもそも正義は人間の理性が考えだせるものかという疑いがある。啓蒙主義は神を否定して、代わりに理性を正義の審判者としたが、これが疑わしいことはT・トドロフが『啓蒙の精神』(法政大学出版局)で言う通りである。宗教による抑圧が消えた現代社会に住む世代こそ、もう一度、啓蒙主義の以前に戻って、正義を決めるものは何かを問いなおすべきかもしれない。》