歌人文庫・短歌文庫

 松平修文氏から現代短歌文庫95『松平修文歌集』砂子屋書房2011年初版を恵まれる。この叢書、全く知らなかった。すでに95巻までも出ていたとは。詩歌の動向への関心がいかに薄れていたか。同じ版型(四六判並製ビニールカバー装)では思潮社の現代詩文庫が先駆けだろう。そして他の出版社でも詩集シリーズを出し、国文社からは現代歌人文庫として、1977年から 1995年にかけて第1期30冊が出た。そして今、砂子屋書房の現代短歌文庫は100巻になろうとしている。すごい。

 先行の国文社・現代歌人文庫『山中智恵子歌集』1977年初版は定価880円、この『松平修文歌集』は1600円+税=1680円。ほぼ倍の価格。時代の変遷を感じる。その『山中智恵子歌集』は現在1260円に。以前にも挙げたけれど、山中智恵子の愛唱歌から一首。

《 星空のはてより木の葉降りしきり夢にも人の立ちつくすかな 》

 松平修文から一首。

《 水につばき椿にみづのうすあかり死にたくあらばかかるゆふぐれ 》

 ネットのうなずき。

《 地上はときどきうつくしい 》