花曇り、花冷えの一日。朝食後、ふたたびお蒲団へ。至福のひととき。正午数分前に目覚める。

 蒲団の中で考えて瞼にメモ。感覚の弾性、思考の弾力性〜〜求心、遠心〜〜統合、融合〜〜生動、律動〜〜躍動、跳躍……眠りへ落ちる。覚醒。覚えていたわ。そしてそれは意味の弾性へと続く? 佐藤信夫『レトリックの意味論  意味の弾性』講談社学術文庫

 ブックオフ函南店で四冊。米澤穂信ふたりの距離の概算角川書店2010年初版、スティーグ・ラーソン『ミレニアム2 火と戯れる女 上』早川書房2009年3刷、岡本かの子『家霊(かれい)』ハルキ文庫2011年初版、E・ケストナーケストナーの「ほらふき男爵」』ちくま文庫2000年初版、計420円。『家霊(かれい)』ハルキ文庫は定価280円。105円の前は200円の値札。そりゃ高い。これには短編「鮨」が収録されている。これを読みたかった。

 読んでみた。鮨屋へ行きたくなった。

 「鮨」は、種村季弘氏がどこかで書いていて、ずっと読みたかったもの。氏の本を何冊か当たったが、見つからず、『好物漫遊記』筑摩書房1985年初版に「番外 贋作三浦老人昔語り・戦後篇」。その冒頭。

《 ──戦後の話をしろとおっしゃるのですか。あれから何年になりますかな。四十年? いやはや、早いものです。そういえば岡本綺堂の三浦老人が幕末昔語りをやってのけたのが御維新後三十年、》

 「三浦老人昔話」と副題のある、岡本綺堂『鎧櫃(よろいびつ)の血』光文社時代小説文庫1988年初版、岡本経一の解説から。

《 三浦老人の住居を大久保に設定したのは、江戸以来の郊外遊楽地選んだのであろうが、若い新聞記者が古老をたずねて昔話を聞くという趣向は、半七老人と同じである。半七捕物帳の姉妹編のつもりであろう。 》

 ネットの見聞。

 《 「いちばん肝腎なことは熟睡することだ。」 》 井伏鱒二