「ことばと欲望」

 昨夜の雪が融けだして道路はビチャビチャ。朝刊来ない。融けるまで家こもり。夕方小雨、朝刊来る。夕刊来ない。雪残る。

 昨日ポール・ヴァレリー『テスト氏』を再読したのは、先だって買った川本皓嗣小林康夫・編『文学の方法』東京大学出版会1996年初版に収録されている、山田広昭「ことばと欲望」での『テスト氏』論がどんなものか読みたかったので。読んでみた。小林秀雄の訳が俎上にあがっている。

《 ……ぼくは欲しいと思うものを抑える。 》 小林・訳の「抑える」

《 ここではそれは「自分のためにとっておくこと」、「記憶にととめておく」ことを意味してます。 》 山田広昭

《 自分の肉体の苦痛を乗り切っても、 ある定量を踏み越えても、 》 小林・訳の「乗り切っても」「踏み越えても」

《 小林はこれを(ある限度、範囲を)越えて」と解釈しました。ところが正しくは「〜を除いては」なのです。(引用者:略)全く逆に、(ある一定の強さを越えた)身体的苦痛を「別にすれば」、なのです。テスト氏は小林訳とは反対に、自分が戦ったとしても制圧できないものについて話しているのです。 》 山田広昭

《 しかし、この二者択一の結果は、実際にはすでに述べたように『テスト氏との一夜』というテクスト全体の読み方を決定づけてしまっているのです。 》 山田広昭

《 自分の四体の苦痛を乗り越えてね、或る大いさを突破してね。 》 粟津則雄・訳

 粟津則雄も誤訳だったか。道理で理解に苦しんだのか、私は(まあ、堅苦しいことは別にして)。

 ネットの見聞。

《 ふだんから他人に厳しい言動をしていると、自分が失敗したときに窮地に陥りやすい。 》

《 「ふたりでみると/すべてのものが/美しくみえる」サトウハチロー 》

 ネットの拾いもの。

《 冬季オリンピックも東京でできるんじゃないか? 》

《 京王線の車掌のアナウンスが面白い。「どこまで先に進めるかわかりませんが発車いたします。」 車内爆笑w 》