「三つの棺」

 昨日紹介、密室ミステリベスト10で一位に輝いたジョン・ディクスン・カー 『三つの棺』ハヤカワ文庫1995年12刷を読んだ。

《 この事件では、ごく短い時間の問題にかかっていたが、 それはなんと短い時間だったことだろう。事件の難問題が 時間のまちがいにあるということは、われわれの殺人犯人を 影なき男と名づけたのと、同じ皮肉の一部だったね。もし あんたが考え返してみれば、これはたやすく見抜けることだ。 》  332頁

 たやすく見抜けられないからこそ面白い。やられたあ。

 午前中はグラウンドワーク三島の実践地案内。正味二時間を、 参加者が「え、そんなに経ったの?!」とビックリしてくれて、 これは嬉しい。二度目の参加者もいた(カワイイ子なのに、 憶えていない……)ので、飽きさせないように工夫。

 ブックオフ長泉店で二冊。バイロンブライス編『フィリップ・ マーロウの事件 I・II 』早川書房1990年初版、計216円。

 ネットの見聞。

《 江戸川乱歩のミステリ観は今も影響力を持っているが、 乱歩の悪癖である「デビューして最初の数年は神業のように傑作を連打したが、 すぐに枯渇した自分」(本当はそうでないのだが)を正当化するために、 海外の作家に全てこの流れを当てはめようとする傾向は、 ずいぶん多くのものを見えなくしたと思う。 》 芦辺拓

《 一番の被害者はカーかもしれない。HMMの特集のため再読したが、 怪奇・懐古趣味とマジック志向でスタートした彼が、トリックもギミックも 全体の構造の中に組みこんでゆく進境はめざましいもので、 やがて個々の物語の中で最大の驚きを演出するようになる。 彼ほど書くことで開拓し続けた作家はない。 》 芦辺拓

《 首相、A級戦犯ら法要に哀悼メッセージ「祖国の礎に」 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000012-asahi-pol

《 たとえばドイツの首相が、自殺したヒトラーらを除く存命者を対象にした ニュルンベルク裁判において有罪となったボルマンやゲーリング、ヘスやらといった 戦犯を「祖国の礎」と慰霊すれば、ドイツの戦後培ってきた国際信用はどうなるのか。 安倍はそのしなびた知性でよくよく考えてみるがいい。 》 Tetsuya Kawamoto

《 いっとき、ヨーロッパでも歴史修正主義者の活動が目立った時期があるけど、 一国の首相が歴史修正主義者である=歴史修正主義者が政権を取った、 てのは今の日本が初めてのケースでしょうなあ。私は、これは深刻な問題だと 思いますよ。国際秩序に対する挑戦ですからね。 》 松井計

《 東京裁判に否定的なら、それはそれで、自分たち自身で当時の日本の 政治家や軍人の戦争責任を明確にし、反省すべきだ。「責任」という言葉を やたらめったら乱発する今の首相は、あれだけの犠牲者を出した戦争について、 当時の権力者の「責任」を何だと思っているのか。 》 平野啓一郎

《 自民安倍が『特定秘密保護法』や「共謀罪」を造ろうが、 しぶとくたゆまず反対の声を挙げて行こう。国民の「知る権利」が脅かされようが、 「暗い冬の社会」には絶対に戻してはならない。自民党改憲案にみられる天皇制社会に 戻してはならない。今の憲法の優れた民主主義的内容をもっと花開かせる社会を。 》  Boyaky boyaki

 ネットの拾いもの。

《 人に年齢聞いたあと「あぁ、一番可愛い時期ですね」って言ったら面白いと思う。 》

 まだ知らずに今朝、女子大生に使った。