「五十一話集」

 昨日ふれたダンセイニの短篇「海と陸の物語」(サハラ砂漠を南下する海賊船)、 「食卓の十三人」(館主と十二の亡霊とともに食事をする貴族)、掌編集 「五十一話集」を読んだ。こちらは神話と死と諧謔の世界。「勘ちがい」全編。

《 夕べに街なかへ歩み出た〈名声(フェイム)〉が、ガス灯の下で誇らしげに している〈悪名(ノトライアテ)〉の、塗られたその貌を見た。多くの人々が 道の芥も気にかけず、〈悪名〉のまわりにひざまずいていた。
  「あなたはだれです?」と〈名声〉は相手に訊ねた。
  「わたしは名声よ」と、〈悪名〉が応えた。
  すると〈名声〉は、足音を忍ばせて立ちさった。けれど悲しいことに、 彼女の消えたことを気にとめる者は、だれひとりいなかった。
  まもなく〈悪名〉が進みだすと、信者のことごとくが立ちあがって、 そのあとに従った。こうして、彼女は、ほとんど毎度のように、 故郷(ふるさと)の〈地獄(ピット)〉へかれらをさそいこんだ。 》  訳・荒俣宏

 造形作家の白砂勝敏氏からメール。私が先月27日に感想を記した木彫作品 『しるべ』が新制作展に入選した、と。当然とはいい、よかった。
 http://d.hatena.ne.jp/k-bijutukan/20140827

 個展開催中の林由紀子さんから創元推理文庫タニス・リーの表紙絵を依頼された と聞く。来春刊行予定。楽しみ。
 http://www.yart-gallery.co.jp/top.html

 ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。樋口一葉ほか『宵』ポプラ社百年文庫2010年 初版、栗屋憲太郎『昭和の政党』岩波現代文庫2007年初版、永井荷風荷風随筆集・ 下』岩波文庫2000年17刷、正岡子規『墨汁一滴』岩波文庫1994年29刷、同『仰臥漫録』 角川ソフィア文庫2009年初版、80円セール、計400円。

 ネットの見聞。

《 原発の「恩恵が多い」と言えるのは、事故がないことが大前提だ。 事故が起きたらどうなるか。福島の現実を見よ。安全神話にすがりつくことの愚を 示しているではないか。 》 m TAKANO

《 原子力規制委員会川内原発の審査書を了承した。火山学者の予知不能の意見も無視、 1万8千件のパブコメも無視。最初から「やらせ」の安全審査が、「想定外」の 事故トラブルを起こしてきたことの反省がない。これで「世界一安全」は悪い冗談です。 》  金子勝

《 情報そのものではなく、それをもたらす人間を見る。情報そのものより、 それを伝える生身の人間の方が圧倒的に情報量が多いからです。 》 内田樹

《 人間が能力を開花させるのは自己利益のためではなくて、何度も言っているように、 まわりの人たちと手を携えて、集団として活動するときなんですから。 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2014/09/05_1112.php

《 あまり正確に伝わってないようなので、急ぎではありますが書き上げました。 より多くの日本の読者に読んでいただけるとありがたいです。
  「スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動」 》  Hisashi Kuboyama
 http://synodos.jp/international/10615

 ネットの拾いもの。

《 おはにょうございますー。起きたその瞬間から眠いっす… 》

《 猪木はガソリンスタンドで「現金ですかーっ。」 》